その後の調査研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/28 06:27 UTC 版)
最小限度の緊急調査という性格上、事実関係にあいまいさを残し、種々の解釈を生みだすことになった。2010年に東北歴史博物館では事実関係の基礎的調査を行い、2011年には財団法人斎藤報恩会から学術研究助成を受け、2012年4月から3月までの1年間、自然科学の分析を取り入れた学際的な調査研究を行った。 その結果、甕棺墓は埋設土器付着炭化物の14C年代測定および土器の型式学的検討から縄文時代後期中葉、女性人骨・犬骨は後期後葉から晩期初頭に属することが明らかとなった。女性人骨頭蓋の前頭・頭頂部における骨破損は外板剥離を伴うものであり、犬埋葬時に外力が加わったために生じた可能性が強いことが示された。また、骨端部癒合の程度から13 - 18歳女性、寛骨耳状面前下部の骨形態から妊娠出産痕はないとされた。ミトコンドリアDNA分析は鑑定に堪える充分な試料を得ることができなかった。食性分析では、人骨は陸獣動物の食性に近く、犬骨は海生魚類に近い結果が得られた。北方民族の犬の飼育に魚のアラが用いられる例に近似していることが指摘された。
※この「その後の調査研究」の解説は、「前浜貝塚」の解説の一部です。
「その後の調査研究」を含む「前浜貝塚」の記事については、「前浜貝塚」の概要を参照ください。
- その後の調査研究のページへのリンク