新ジュネーブ協定
【英】: supplemental agreement to geneva agreement
通称新ジュネーブ協定と呼ばれている協定は、1972 年 1 月 20 日に OPEC ペルシア湾岸 6 カ国と国際石油会社との間で、通貨変動に関する原油公示価格の調整のために締結されたジュネーブ協定を補足するためのものとして、1973 年 6 月 1 日に発効した新しい協定を指す。1973 年 2 月の米ドルの切り下げに対し、ジュネーブ協定に基づき 4 月から公示価格が引き上げられたが、産油国側はこれに満足せず、会社側に協定の修正を要求した。この結果 6 月に合意に達し、この補足協定が締結されたのである。その修正内容は次のとおり。 (1) 通貨変動の有効平均算出対象国を従来の 9 カ国から 11 カ国に拡大した。従来の日本、英国、フランス、西独、イタリア、オランダ、ベルギー、スイス、スウェーデンの 9 カ国にオーストラリア、カナダの 2 カ国を追加した。 (2) 従来は有効平均が 2 ポイント以上変動したときに価格を調整するとしていたのを、1 ポイント以上に修正した。 (3) 四半期ごとの調整を毎月に修正した。また、計算式自体も次のようなものに変えられた。すなわち、 P'= P + (B'-A'/100) × T' P'=調整後の新公示価格 P =もしこの調整がなかったならば、調整の第一日目に適用になっていたはずの公示価格 A'=通貨変動以前の最新有効平均 B'=新有効平均 T'=新・旧ジュネーブ協定がなかったならば、テヘラン協定によって決められていたはずの公示価格 この協定が実行に移されて 2 カ月後の 1973 年 10 月には、第四次中東戦争に対するアラブ産油国による石油戦略の発動によって石油危機が発生し、ペルシア湾岸産油諸国はテヘラン協定を破棄して公示価格を引き上げ、さらに 1974 年 1 月からは OPEC が公示価格を一挙に 11 ドル/バーレル以上と大幅に引き上げた。おりからのドル騰貴に本来新ジュネーブ協定によれば公示価格を引き下げなければならないのに、産油国側は新ジュネーブ協定の適用を停止し、事実上これを破棄してしまった。 |

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