第一日目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 16:47 UTC 版)
「国際オリムピック大会選手予選会」の記事における「第一日目」の解説
11月18日午後1時、予定通り開会し、午後2時から100m・200m・400m・800mの予選(当時は「予備競走」と呼称)が実施された。翌日の決勝に出場できるのは100mと200mが各組2着まで、400mと800mが各組3着までとされた。ただし棄権者があったため、400mは4組目の選手を3組目に繰り入れ、800mは1組にまとめて形だけの予選を行い、10人全員が決勝進出となった。なお、当時は「組」と言わずに「回」と称した。決勝は翌日開催であったため、観戦者は少なく、京浜の学生を中心に300人ほどが訪れた。 出場選手の大半はスパイクシューズを履いており、100mでは皆がクラウチングスタートであったが、200mはスタンディングスタートの選手が散見され、400m・800mは大部分の選手がスタンディングスタートであった。この日行われた4種目の最高記録はすべて東京帝大の三島弥彦がマークしたもので、記録は100mが11秒5分の4(=11秒8)、200mが25秒5分の1(=25秒2。当時の東京朝日新聞報道では25秒10分の1)、400mが55秒、800mが2分16秒であった。この記録は2019年(平成31年/令和元年)の陸上競技の記録と比較すれば平凡なものであるが、競技場・用具・練習方法も不十分な環境であったことを考慮すれば、4種目を制したのは優れた成績と言える。100mのみ明石和衛(東京帝大、後の明石製作所創業者)も11秒5分の4をマークして三島に並んだ。 なお三島は、審判として参加を要請されていたが拒否し、友人らを引き連れて観戦に来ており、本来出場予定はなかった。そもそも三島は久しく走っていなかったという。ところが、「生来の好戦癖」が沸き起こって飛び入り参加し、全種目の最高記録をさらってしまったのであった。 各組の1着と記録は以下の通り。 100m 組選手所属記録備考1 泉谷祐勝 早大 12.2 2 小島勇之助 東京帝大 12.8 3 明石和衛 東京帝大 11.8 4 三島弥彦 東京帝大 11.8 200m 組選手所属記録備考1 中村寅之助 東京帝大 26.2 2 三島弥彦 東京帝大 25.1 (25.2) 3 木場貞一郎 東京帝大 25.8 4 明石和衛 東京帝大 25.2 400m 組選手所属記録備考1 栗本定次郎 東京帝大 56.4 2 寺畑伝郎 一高 59.0 3 三島弥彦 東京帝大 55.0 800m 組選手所属記録備考1 三島弥彦 東京帝大 2:16
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