各地の「ルサールカ送り」
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「ルサールカ」の記事における「各地の「ルサールカ送り」」の解説
ソビエト連邦時代の民俗学者ウラジーミル・プロップは、ロシア各地の「ルサールカ送り」を紹介している。 モギリョフ県では、ペトロフの日(ユリウス暦6月29日)の第一日目の夕方、少女たちが集まり、花輪を編む。自分たちの中から一人、ルサールカ役の娘を選ぶ。選ばれるのは大柄でスタイルの良い、しっかりした少女である。他の娘たちはルサールカ役の娘を花やリボンで飾りたてる。日が暮れたあと、白いサラファンと首飾り姿の娘たちは、ルサールカ役の娘を先頭に、歌い、手を取り合って畑に向かう。畑につくと、若者たちも加わる。娘たちは若者に花輪をぶつけ、逃げ惑う。ルサールカ役の娘は他の娘を追いかけ、つかまえるとくすぐる。 ザライ郡のようすはシェインの記録がある。女たちと娘たちが路上に集まっているところに、ルバーハ姿のルサールカ役の娘が現れる。娘は火掻き棒と薪(たきぎ)を手にして、先頭に立ち、ライ麦畑に向かう。彼女に付き従う女と娘は暖炉の焚き口の蓋を叩く。子供も行列の先に走っていき、ルサールカにふざけかかり、口々に自分をくすぐるように叫ぶ。ライ麦畑でも同じ騒ぎが続き、ルサールカ役の娘がライ麦畑に身を隠すと皆が叫ぶ。「ルサールカを送ったぞ! どこへ行くのも怖くないぞ!」。 ルサールカを送る儀礼が葬礼の形態をとることもある。 リャザン県では、聖霊降臨祭に続く日曜日に、ルサールカと呼ばれる人形とともに、輪舞が行われる。その後、「ルサールカにお別れだ」と言って、人形を壊し、畑に蒔く。ヴォロネジでは、「ルサールカを葬ろう」の言葉とともに、儀礼を行う。白衣のルサールカ人形が台に乗せられ、娘ひとりが僧の仮装をする。葬列の似姿である。行列はライ麦畑に向かい、そこで人形をばらばらにする。
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