かんせいこうほうそうちとは? わかりやすく解説

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【慣性航法装置】(かんせいこうほうそうち)

Inertial Navigation System. (INS)
航法支援装置のひとつ。物理学における「慣性の法則」を利用して現在位置割り出すもの。
高精度ジャイロ加速度計機体加速度感知し、それを2回積分して位置情報算出する

外部との通信を必要としないため、長距離航行する航空機多く採用する
原理上相対的な位置情報しか算出できないため、出発前に現在位置情報設定しておく必要がある
ある程度上の規模を持つ飛行場スポットには、INS設定するための経度緯度情報掲示されている。

時間経過に応じて誤差拡大するため、長時間航行では他の航法装置による誤差修正を必要とする。
1983年にはこの誤差原因となって大韓航空機撃墜事件」が発生している(概要後述)。

誘導爆弾ミサイルなどに用いられる事も多く、この場合は「慣性誘導装置」と呼ばれる
主に長射程弾道ミサイル対艦ミサイル中間誘導用いられることが多い。

大韓航空機撃墜事件

1983年9月発生したソ連空軍による民間機撃墜事件
慣性航法装置が主要因として取り上げられ事件であった

事故機はニューヨーク発・アンカレッジ経由ソウル行き007便として飛行していた大韓航空のB747-230(登録記号HL7442)。
出発の際、乗員が慣性航法装置の設定誤ったため、所定航路逸脱してソ連領空侵入
これを察知したソ連空軍は、同機アメリカ空軍威力偵察のために飛行させた偵察機判断し対領空侵犯措置スクランブル)の実施発令した

これを受け、スクランブル出動した戦闘機(Su-7/Su-15)のパイロットは「領空侵犯した」機体視認するも、深夜であったため詳細判断ができなかった。
それでも辛うじて旅客機特有の特徴いくつか見て取ったものの、欺瞞工作施され偵察機であると判断し、無警告空対空ミサイルにより攻撃
機体操縦不能状態で海上墜落して爆散乗客240名・乗員29全員死亡した

この事件契機国際民間航空条約シカゴ条約)が改定され領空侵犯した民間機撃墜明示的に禁じられた。




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