「首相」の語源について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 05:34 UTC 版)
一部は「首相」以外の日本語訳が用いられることもあるが、それらの通称・普通名詞として「首相」という単語が使われている。単語の由来は首席宰相の略語とされている。 閣僚の首席の名称は各国においてそれぞれ異なり、日本の内閣の首相は、正式には「内閣総理大臣」(ないかくそうりだいじん)と呼ばれる。首相という呼称は日本の法体系に基づく正式な用語ではなく、法令上は一切使用されていない。一方、マスメディアなどでは内閣総理大臣を指す慣用的な呼称として定着している。 現在のベトナムでは、漢字語「首相」のベトナム語読みである「Thủ tướng」が首席閣僚の官名として用いられている。またかつての北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)でも、首相の朝鮮語読み「수상(ラテン文字:susang)」が政府の長の官名として用いられていた。 類似した語に「宰相(さいしょう)」があるが、これは秦の官制に由来する呼称で原意は「君主から特に親任されて王家(帝室)を司り、宮廷で国政を補佐する者」である。宰相が複数存在する体制においては、その中の首席宰相を略して「首相」と称する場合があるが(北宋の王安石など)、いずれにせよ近代以降の首相とは意味が違うものである。日本語においては明治以来、宰相もまた首相と同じく慣用的な呼称にすぎず、「首相」と「宰相」の区別はほとんどの場合、詩文的修飾の差異であり、大物政治家としての内閣総理大臣を表現する際に重みを出すために、あるいは「国政を司った(有能な)人物」という敬意を表現するために、「宰相」と修飾的に呼ぶ程度の区別である。
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