「神の手」ゴールの背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/03 05:50 UTC 版)
「神の手 (サッカー)」の記事における「「神の手」ゴールの背景」の解説
アルゼンチン・イングランド両国は過去に1966年ワールドカップ・イングランド大会準々決勝で対戦していたが、アルゼンチンのラフプレーに怒ったイングランドが試合後のユニフォーム交換を拒否し、アルフ・ラムゼイ監督が相手選手を「アニマル(野獣)」と中傷するという遺恨を残していた。さらに、1982年のフォークランド紛争でアルゼンチンがイギリスに敗戦したことから、メキシコ大会の対戦にはサッカーの枠を超えた国民感情が渦巻いていた。マラドーナは「神の手」ゴールから4分後にも、センターライン付近からドリブルでイングランドの選手5人をかわす驚異的な「5人抜きゴール」を決め、母国の国民的英雄となった。 のちに、マラドーナは自伝においてハンドだったことを認め、母国のテレビ番組では「早く来て自分を抱き締めないと、審判が得点を認めないぞ」とチームメイトに呼びかけたという裏話を明かしている。ドキュメンタリー映画『マラドーナ』(2008年)の中では、「マルビナスで殺された若者達の敵討ちだった」「イングランド人の財布を盗み、バカにしてやった気分だ」と語っている。2008年にはイギリス大衆紙の取材に対し「過去に戻って歴史を変え、謝ることができるならばそうするだろう。でも、ゴールはゴールだ」とコメント。2010年の雑誌インタビューでは罪の意識を否定し、「ワールドカップで勝てるなら手だって使うさ。審判が認めれば、それでゴールだ」と答えている。 イングランドの監督だったボビー・ロブソンは「あれは誤審以外の何ものでもない。誤審はあり得ることで仕方がない。だが私が許せないのは、それを神の手などと呼ぶ者の欺瞞だ」と語っている。
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