「幻の本塁打」事件
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1992年9月11日の阪神タイガース対ヤクルトスワローズ18回戦(阪神甲子園球場)において、同点の9回裏二死走者一塁の場面で、阪神・八木裕が放った打球は外野フェンスの一番上の平らなラバー部分のグラウンド側に当たったあと上方に跳ね返り、グラウンド側の金網に当たったあとバックスピンがかかった状態でオーバーフェンスして外野スタンドに入った。グラウンド側の金網に当たった打球がスタンドインするという通常ではありえない打球の動きに二塁塁審の平光が一旦本塁打の判定を下したが、ヤクルト左翼手の城友博と中堅手の飯田哲也が即座に抗議をし始め、ヤクルトベンチも総出で抗議を行った。その後審判団協議の結果、判定を覆し二塁打(エンタイトルツーベース)とした。すると今度は本塁打を取り消された側の阪神が抗議を始めたため、平光は阪神の中村勝広監督に自らの誤審を認め、自分が今年限りで責任を取って審判を辞めることと引き換えに試合を再開するよう要請。中村は突っぱねたが阪神の三好一彦球団社長の説得もあり試合は再開された。平光は一連の騒動のため連盟より厳重注意を受け、制裁金3万円の判断が下された。この誤審により緊張の糸がプツンと切れてしまったとして、中村への宣言通り、この年限りで審判を退職している。 なお、試合は延長15回引き分け、所要時間6時間26分(うち中断37分)、試合終了時刻は翌12日の午前0時26分という日本プロ野球において史上最長試合となった。 チーム123456789101112131415RHEヤクルト 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 38 2 阪神 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 318 0 (延長15回) ヤ : 伊東、加藤、金沢、角盈、岡林 - 古田 神 : 中込、弓長、御子柴、嶋尾 - 山田 本塁打: 神 – オマリー14号 審判:球審…久保田、塁審…杉永(一塁)、平光(二塁)、井野(三塁)
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