「大奥もの」と女性時代劇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 04:49 UTC 版)
「大奥(秘)物語」の記事における「「大奥もの」と女性時代劇」の解説
時代劇の一部で登場するのではなく、大奥を主舞台として、かつ女優が主演した最初の映画としては、1955年の淡島千景主演、大庭秀雄監督の松竹『絵島生島』や、1959年新珠三千代主演、安田公義監督の大映『千代田城炎上』が挙げられる。1950年代から1960年代までの時代劇は男性中心のチャンバラものが圧倒的に主流で、大奥はチャンバラより格の低い、お女中が化け猫になって出てくるような怪談映画の舞台になることが多かった。またこの時代は女優が主役の時代劇はそうした怪談映画か、歌謡スターの映画が多く、本格的に女優を主役とした時代劇は作られなかった。テレビドラマではこの『大奥㊙物語』と同じ1967年1月から4月まで放送された佐久間良子主演のNET『徳川の夫人たち』が元祖ともいわれるがこれも岡田が作らせた東映の製作でテレビ局も「撮影所がえらいことを始めた」とびっくりしていたという。タイトルに「大奥」と名前が冠されたのはこの『大奥㊙物語』と、これをテレビドラマ化した1968年の関西テレビ/フジテレビ『大奥』がいずれも最初で、また前述の「大奥もの」は、主演は女優でも有名男優も主役級で出演しているが、『大奥㊙物語』と、テレビドラマ『大奥』は、豪華女優陣の競演が話題になったように主演級が全員女優という点で「女性時代劇」の元祖といえ今に通じる『大奥』の世界観を作ったといわれる。また映画とテレビが連動したのも、これが最初といわれる。映画をベースに製作されたテレビドラマ『大奥』が最高視聴率30%を突破する人気シリーズとなり、視聴者の大きな共感を得たことで「女性路線時代劇」ブームを巻き起こし「大奥もの」は時代劇の主流ジャンルとなっていった。本作は今日続く大奥物(大奥に関する作品の一覧)、「女性時代劇」の実質的元祖といえる。
※この「「大奥もの」と女性時代劇」の解説は、「大奥(秘)物語」の解説の一部です。
「「大奥もの」と女性時代劇」を含む「大奥(秘)物語」の記事については、「大奥(秘)物語」の概要を参照ください。
- 「大奥もの」と女性時代劇のページへのリンク