「$64,000の質問」とテレビ業界の状況
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「$64,000の質問(英語版)」は、CBSの30分番組として、1955年6月、午後10時から放映され、人気を呼んだ。そのため、多額の賞金を賭けた「$64,000の質問」が話題になった。 「これは一夜にして大金持になり、人々の尊敬をも勝ち得るチャンスを万人に与える番組だ。どんな人間でも、特別な存在になる能力があることを証明することができる番組なのだ」 初放映から5週間後、「$64,000の質問」はテレビ視聴率トップの座を占めた。週に1万通から2万通にのぼる自薦他薦の出場希望の手紙がテレビ局に殺到した。ただ、その当時のプロデューサーが抱えていた頭痛の種は、なかなか満額まで挑戦する出場者が出てこないことであった。 このテレビ放送で最大の利益を得たのは、スポンサーのレヴロン(大手化粧品会社)だった。1955年直後までは、レヴロンの売り上げの伸びは年間平均15%程度だった。ところが、この番組のスポンサーになったことで、最初の6ヶ月で54%の激増となり1958年には業界を完全に制覇するにまで至った。 その後、テレビ界には高額の賞金を売り物にした類似番組が氾濫した。類似番組との競争の中で、番組を魅力的にするためには不正操作を加えなければいけない、という切迫感が強くなってきていた。やがて事前審査の際、出場候補者に悟らせぬ方法で、各人の得意分野と不得意分野を調べるようになった。さらに視聴率競争の圧力が強まるにつれ、不正操作の度合いもますます激しくなっていった。 1955年秋の時点で、出場者について、容赦ない批判が加えられることも多かった。番組の明暗を分けるのは、出場者自身の資質や国民全体による出場者への共感だという思いを、プロデューサーらはますます強めていた。
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