《かまいません》の敬語
「かまいません」の敬語表現
「かまいません」は「かまわない」の丁寧語で、許可したり、謝罪を許容したり、お伺いを立てたりする時に用いられる表現です。日常的に使用されている表現で丁寧な言い回しではありますが、上から目線のニュアンスがあるためビジネスシーンで使用すると失礼にあたることがあります。そのため、「かまいません」の敬語表現として「差し支えありません」や「問題ありません」が一般的に用いられています。「かまいません」の敬語の最上級の表現
「かまいません」は上から目線のニュアンスがあるため、目上の人に用いるのに適した表現ではありません。そのため、「かまいません」の最上級の表現は、「差し支えございません」になります。「差し支えありません」は「問題ない」や「支障ない」の丁寧語表現であり、語尾を「ございます」にすることで、より丁寧な表現となります。「差し支えございません」は、「かまいません」のような上から目線のニュアンスは含まれないため、ビジネスシーンで用いることができます。「かまいません」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメール・手紙では、話言葉よりも丁寧な口調で書くのが一般的であるため、「かまいません」ではなく「差し支えありません」や「差し支えございません」という表現を用いるのが適切です。また、内容に合わせて「問題ありません」や「問題ございません」という表現を用いることもできます。許可をする内容のビジネスメール・手紙の例文
・いつもお世話になっております。会議の日程変更の件、承知いたしました。弊社は〇月〇日で差し支えございません。
・平素よりご愛顧を賜りありがとうございます。打ち合わせ時間の変更の件、承知いたしました。わたくしどもは何時でも差し支えございませんので、ご都合の良い時間をご連絡ください。
・平素よりお引き立て頂きありがとうございます。納品の遅延の件、承知いたしました。〇月〇日までに納品いただければ問題ございません。よろしくお願いします。
お伺いを立てる内容のビジネスメール・手紙の例文
・御社にはいつもご贔屓にして頂き、ありがとうございます。先日お話ししたプロジェクトのデータファイルを、メールでお送りしても差し支えございませんか。よろしくお願いいたします。
・お世話になっております。出張の日程ですが、〇月〇日で差し支えございませんか。ご都合が悪い場合は日程を調整致しますので、今週中にご連絡ください。
「かまいません」を上司に伝える際の敬語表現
「かまいません」を上司に伝える際の敬語表現は、上司との関係性によって変わってきます。直属の上司や気心の知れた上司の場合は、「問題ありません」や「差し支えありません」という敬語表現を使うのが無難です。「問題ございません」や「差し支えございません」という敬語表現を使うのは間違いではありませんが、親しい間柄であると堅苦しく、上司が居心地の悪さを感じてしまうことがあります。ただし、親しい間柄であっても、上司に「かまいません」という表現を用いるのは避けましょう。年が離れた上司や、部長、専務など地位の高い上司には、「問題ございません」や「差し支えございません」という敬語表現を用いるのが適切です。「かまいません」の敬語での誤用表現・注意事項
「かまいません」は丁寧な表現なので、「問題ありません」や「お気になさらず」というニュアンスで使用されています。「かまいません」は「かまわない」の丁寧語表現であるため、友人や同僚に使う分には問題ありません。しかし、「かまわない」という表現には相手を許容するという上から目線のニュアンスがあるため、ビジネスシーンで上司やクライアントに使用するのは適切ではありません。「差し支えありません」や「問題ございません」という表現を用いるのが適切です。ただし、部下や目下の人に使用するのは問題がないため、「書類の提出が遅れて申し訳ありません」と言われ「かまいません」と返事したり、「出張の日程はいつになさりますか?」と聞かれ「いつでもかまいません」と答えたりするのは問題ありません。「かまいません」という表現は「どちらでもいい」というニュアンスが含まれるため、相手や物事に関して興味がないと受け取られることもあります。冷たい印象を与えコミュニケーションをシャットアウトしてしまう恐れもあるため、「かまいません」の一言で済ませるのではなく、「どうぞお気になさらず」など補足する言葉をつけるのが好ましいでしょう。無関心ではないことを伝えることが大事です。
そして、「かまいません」は上から目線のニュアンスがあるため、許可を求める時に使用するのは適切ではありません。「会議は〇月〇日でかまいませんか?」ではなく、「会議は〇月〇日でよろしいでしょうか?」や「会議は〇月〇日で差し支えございませんか?」が適切な表現になります。特に、クライアントに許可を求める際に「かまいませんか?」という表現を用いると、相手が気を悪くすることもあるので気をつけましょう。
「かまいません」の敬語での言い換え表現
・差し支えありません・差し支えございません
・支障ありません
・支障ございません
・問題ありません
・問題ございません
・結構です
・大丈夫です
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