ねつでんたつりつ 熱伝達率 heat transfer coefficient
熱伝達率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/09 07:25 UTC 版)
熱伝達率 Heat transfer coefficient |
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量記号 | h |
次元 | T-3 M Θ-1 |
SI単位 | W/(m2 K) |
熱伝達率(ねつでんたつりつ、英: heat transfer coefficient)または熱伝達係数とは、伝熱において、壁[注 1]と空気、壁と水といった2種類の物質間での熱エネルギーの伝え易さを表す値で、単位面積、単位時間、単位温度差あたりの伝熱量(すなわち単位温度差あたりの熱流束密度)である。アイザック・ニュートンが1701年[要出典]に発表したニュートンの冷却法則を根拠としている。単位はW/(m2 K)、記号にはh の他、αが使われることも多い。熱伝達率は流体の速度によっても大きく異なる。
熱伝達率は、対流熱伝達、沸騰熱伝達、凝縮熱伝達など、流体と物体間の熱移動を扱うための係数である。まれに流体温度の代わりに環境温度などを用い、熱伝達率表現によって物体表面の温度上昇が小さい熱放射を近似的に扱うこともある。
一般に、熱伝達率は物体表面で一様ではなく、流れの様相により時間的にも一定ではないが、平均値として熱の移動を扱うことが多く、工学的な係数である。また、空間的には局所の熱伝達率を用いても、時間的には平均値を用いることが多い。これは流れの時間変化に比して、物体の温度変化は緩慢なことが多いためで、流体力学における乱流の速度変動の時間スケールと、伝熱工学における乱流熱伝達率の変動時間スケールには大きな隔たりがある。
定義
熱伝達率h は次で定義される:
熱伝達率(境膜伝熱係数)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 22:36 UTC 版)
「熱交換器」の記事における「熱伝達率(境膜伝熱係数)」の解説
熱伝達率(境膜伝熱係数)の計算式には様々なものが提案されており、一例をあげる。以下の式は無次元化を行い、次のパラメータにより記述する。 N u := h D k {\displaystyle Nu:={\frac {hD}{k}}} :ヌセルト数 R e := D G μ {\displaystyle Re:={\frac {DG}{\mu }}} :レイノルズ数 P r := c μ k {\displaystyle Pr:={\frac {c\mu }{k}}} :プラントル数 D L {\displaystyle {\frac {D}{L}}} :管径・管長比 ϕ := μ μ w {\displaystyle \phi :={\frac {\mu }{\mu _{\mathrm {w} }}}} :粘度勾配関数 ここで、 h :管側境膜伝熱係数(内面基準) D :伝熱管内径 G :管側質量速度 k :管側平均温度における流体の熱伝導率 c :管側平均温度における流体の比熱 μ :管側平度における流体の粘度 μw :管壁温度における流体の粘度 L :伝熱管長さ である。 管式熱交換器(Sieder-Tate)層流領域 N u = 1.86 { R e ⋅ P r ⋅ D L } 1 3 ⋅ ϕ 0.14 {\displaystyle Nu=1.86\left\{Re\cdot Pr\cdot {\frac {D}{L}}\right\}^{\frac {1}{3}}\cdot \phi ^{0.14}} 乱流領域 N u = 0.027 R e 0.8 ⋅ P r 1 3 ⋅ ϕ 0.14 {\displaystyle Nu=0.027Re^{0.8}\cdot Pr^{\frac {1}{3}}\cdot \phi ^{0.14}}
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