消費者庁
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消費者行政推進会議
消費者行政推進会議(しょうひしゃぎょうせいすいしんかいぎ)は、各省庁縦割りになっている消費者行政を統一的・一元的に推進するための、強い権限を持つ新組織の在り方を検討し、その組織を消費者を主役とする政府の舵取り役とするため、2008年(平成20年)2月8日の閣議決定により内閣に設置された会議である。会議は、議論を行うとともに、ワーキング・グループを立ち上げ、各団体からヒアリングを実施し、同年6月13日の第6回の会議で取りまとめを行った。
委員は以下のとおり。
- 座長
- 佐々木毅(学習院大学法学部教授)
- 委員
- 川戸惠子(ジャーナリスト、TBS元報道記者)
- 阪田雅裕(弁護士、前内閣法制局長官)
- 佐野真理子(主婦連合会事務局長)
- 島田晴雄(千葉商科大学学長)
- 中村邦夫(パナソニック代表取締役会長)
- 中山弘子(前新宿区長)
- 林文子(神奈川県横浜市長)
- 原早苗(金融オンブズネット代表)
- 松本恒雄(一橋大学大学院法学研究科教授)
- 吉岡和弘(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員長、弁護士 )
消費者行政推進会議取りまとめの概要
本文
- はじめに
- 消費者行政の新組織の創設は、消費者の視点からの真の意味での「行政の改革」の拠点
- 新組織が強力な権限と必要な人員を備えるとともに、消費生活センターの強化充実を前提にした緊密な全国ネットワークが早急に構築される必要
- 新組織の活動の継続的な強化充実には、消費者の声を真摯に受け止める仕組みが不可欠
- 新組織が満たすべき6原則
- 消費者にとって便利で分かりやすい
- 消費者がメリットを十分実感できる
- 迅速な対応
- 専門性の確保
- 透明性の確保
- 効率性の確保
- 消費者が頼れる分かりやすい一元的な相談窓口の設置
- 一元的な相談窓口の設置
- 国、地方一体となった消費者行政の強化
- 消費者庁(仮称)の設置とその機能
- 消費者庁の設置と組織法
- 情報の集約分析機能、司令塔機能
- 消費者被害の防止や隙間事案への対応等のための新法
- 個別作用法の所管(別紙参照)
- 消費者庁の体制の在り方
- 内部組織の在り方
- 消費者政策委員会(仮称)の設置
- 消費者庁の規模
- 消費者庁創設に向けたスケジュール
- 来年度から消費者庁を発足、内閣府において消費者庁の司令塔機能を先行実施
- 本取りまとめ内容を基本として、直ちに、政府の基本計画として閣議決定
別紙
- 個別作用法の所管の内容の概要
法律名 | 具体的内容 | ||
---|---|---|---|
表 示 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 消費者庁へ移管 | |
日本農林規格等に関する法律(JAS法) | 表示基準の企画立案、執行を消費者庁に移管。 表示基準策定・改正に当たり、農林水産省にあらかじめ協議・同意。農林水産省は、案を備えて表示基準の策定・改正を要請可、法執行の一部につき農林水産大臣に委任。 | ||
食品衛生法 | 表示基準の企画立案、執行を消費者庁に移管。 表示基準策定・改正に当たり、厚生労働省にあらかじめ協議。厚生労働省は、表示基準の策定・改正を要請可。 | ||
健康増進法 | 表示基準の企画立案、執行を消費者庁に移管。 表示基準の策定・改正に当たり、厚生労働省に協議。 | ||
家庭用品品質表示法 | 表示の標準の企画立案、執行を消費者庁に移管。 表示の標準策定に当たり、経済産業省にあらかじめ協議。 経済産業省は、案を備えて表示の標準の策定・改正を要請可。 法の執行の一部につき、経済産業省に委任。 | ||
住宅の品質確保の促進等に関する法律 (住宅品確法) |
表示等の企画立案、表示基準の策定は共管。 執行は国土交通省が行うが、消費者庁が勧告。
| ||
取 引 | 消費者契約法 | 消費者庁に移管。 | |
無限連鎖講防止法 | |||
特定商品等の預託等取引契約に関する法律 (特定商品預託法) | |||
電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律 (電子消費者契約法) |
内閣府所管部分について消費者庁に移管。 | ||
特定商取引に関する法律 (特定商取引法) |
消費者保護に係る企画立案、執行を消費者庁に移管。消費者庁は執行を一元的に行う。経済産業省は、商一般等の立場から連携。 | ||
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 (特定電子メール法) |
消費者保護の観点から行う措置命令等については、消費者庁へ移管。 | ||
金融サービスの提供に関する法律 (金融サービス提供法) |
消費者庁も所管に加わる。 | ||
出資法 | |||
業 法 | 貸金業法 | 企画立案は共管、登録・免許、検査、処分は各省庁が行うが、消費者庁は処分について勧告権を持ち、そのための検査権限を持つ。また、処分について事前協議を受ける。 | |
割賦販売法 | |||
宅建業法 | |||
旅行業法 | |||
安 全 | 製造物責任法 | 消費者庁へ移管。 | |
食品安全基本法 | 消費者庁へ移管。ただし、食品安全委員会の設置等に関する規定の所管については、引き続き検討。 | ||
消費生活用製品安全法 | 重大事故情報報告・公表制度を移管 安全基準の策定に当たり協議を受ける | ||
食品衛生法 | 安全基準の策定に当たり協議を受ける | ||
有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律 (有害物質家庭用品規制法) | |||
消費者・生活者が主役となる社会の構築等に関する法律 | 消費者基本法 | 消費者庁へ移管。 | |
国民生活センター法 | |||
個人情報の保護に関する法律 (個人情報保護法) | |||
公益通報者保護法 | |||
特定非営利活動促進法 | |||
国民生活安定緊急措置法 | |||
生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律 (買占め及び売り惜しみ防止法) | |||
物価統制令 |
注釈
- ^ 消費者庁及び消費者委員会設置法、消費者庁及び消費者委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律、消費者安全法の三法。
- ^ ディプロマミルが広く問題視されたイオンド大学は日本語の大学名称をやめ、IOND University の名称を用いるようになったが、学校案内では大学であるかのような表示を行っている。
出典
- ^ 行政機関職員定員令(昭和44年5月16日政令第121号)(最終改正、令和6年3月29日政令第87号) - e-Gov法令検索
- ^ 令和6年度一般会計予算 (PDF) 財務省
- ^ a b 『消費者庁“実動部隊”に警察や公取OB雇用へ 捜査ノウハウに触手 (2/2ページ) - MSN産経ニュース』産経デジタル、2008年11月18日。
- ^ “消費者庁“実動部隊”に警察や公取OB雇用へ 捜査ノウハウに触手 (1/2ページ)”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2008年11月18日). オリジナルの2009年5月11日時点におけるアーカイブ。 2009年9月13日閲覧。
- ^ 消費者庁組織令第3条で設置する参事官。消費者庁の所掌事務に関する重要事項についての企画及び立案に参画し、関係事務に関し必要な調整を行う。
- ^ 消費者庁組織規則第8条で設置される企画官。参事官の職務のうち特定事項の調査、企画及び立案を助ける。
- ^ “幹部名簿(令和6年4月1日現在)”. 消費者庁. 2024年4月1日閲覧。
- ^ 『「福田首相が「消費者庁」創設を表明」政治も‐政局ニュース:イザ!』産経デジタル、2008年4月23日。
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- ^ 山口県美祢(みね)市の宿泊施設において発生した一酸化炭素中毒事故に係る現地調査の結果について(2011/12/06アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project- 2009年(平成21年)6月8日 経済産業省 原子力安全・保安院。
- ^ ホテル、旅館における簡易ボイラー等使用時の一酸化炭素中毒事故防止に関する緊急調査結果の回収・集計について(依頼)(2010/06/08アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project - 2009年(平成21年)7月31日 経済産業省 原子力安全・保安院。
- ^ “山口県における液化石油ガス一酸化炭素中毒事故原因調査及びこれを契機とした安全・再発防止対策について” (PDF). 経済産業省 原子力安全・保安院 (2010年1月). 2016年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月14日閲覧。
- ^ 「消費者行政推進会議取りまとめ ~消費者・生活者の視点に立つ行政への転換~」 (PDF) - 消費者行政推進会議、2008年6月13日。
- ^ “消費者庁、通知された事故情報の9割を放置”. 日テレNews24. (2010年6月5日)
- ^ ワタミ“ブラック”批判を洞察する…「社会貢献もどき」に走る人たちが学ぶべきこと 2013年7月12日 Business Journal。
- ^ 起業セミナー 運営会社経営者ら関係者5人逮捕 福岡県警 - 毎日新聞 2016年11月15日 アーカイブ。
- ^ 政府関係機関の地方移転にかかる今後の取組について (PDF) 2016年9月1日 まち・ひと・しごと創生本部決定
- ^ 徳島は研究拠点に 2019年8月19日 日本経済新聞
- ^ “消費者庁、徳島に新拠点 コロナ禍のデマも研究”. 日本経済新聞 (2020年7月30日). 2020年7月30日閲覧。
- ^ 消費者庁・強権路線の破綻? 特商法国会審議に影響も、?天下り要求?火消しに走る 2016年4月21日 週刊通販新聞。
- ^ 消費者庁・天下り〝新事実〟(上) 2017年1月26日, 消費者庁・天下り〝新事実〟(中) 2017年2月15日, 消費者庁・天下り〝新事実〟(下) 民進党、国会で追求へ ついに消費者庁に飛び火 2017年2月15日, 週刊通販新聞。
- ^ “マルチ商法被害拡大 官僚OB関与か 処分遅れ ジャパンライフ問題 大門氏が追及”. しんぶん赤旗. 日本共産党中央委員会 (2017年4月6日). 2018年1月14日閲覧。
- ^ 月刊「FACTA」編集部「消費者庁「天下り先」に手心疑惑 元課長補佐を雇ってくれた「ジャパンライフ」は、業務停止命令中に客を勧誘するも不問に。」『FACTAオンライン』ファクタ出版株式会社(FACTA)、2017年8月。2018年1月14日閲覧。
- ^ “消費者庁、シンボルマークを公表”. レスポンス (2011年3月6日). 2022年6月19日閲覧。
- ^ “消費者庁シンボルマーク管理規程” (PDF). 消費者庁 (2012年4月1日). 2023年6月22日閲覧。
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- ^ “消費者庁・WorldCatシンボルマーク類似問題(長官記者会見)”. 科学技術振興機構 (2011年7月26日). 2023年6月22日閲覧。
- ^ “茶のしずく問題を消費者庁放置、昨年1月から被害情報”. 読売新聞. (2011年12月10日). オリジナルの2012年11月30日時点におけるアーカイブ。 2012年3月25日閲覧。
- ^ 虫の忌避効果を標ぼうする商品の販売業者4社に対する景品表示法に基づく措置命令について (PDF) . 消費者庁プレス・リリース.(平成27年2月20日)
- ^ 「吊るすだけ」虫よけ剤に裏付け根拠なし 蚊は対象外、に怒りのコメント多数. Jcastニュース.(2015年3月7日)
- ^ a b c d 断熱フィルムめぐる消費者庁の措置命令に執行停止. 日本経済新聞.(2015年4月24日)
- ^ 窓用断熱フィルムへの措置命令「妥当」 東京地裁平成27年(行ウ)第161号措置命令取消等請求事件
- ^ 措置命令取消等請求事件
- ^ カンニング竹山、松平健との寸劇で啓発「高齢者詐欺被害を防ごう」. お笑いナタリー.(2015年12月3日)
- ^ 巣鴨地蔵通り商店街を練り歩くカンニング竹山ら(右端が板東長官)
- 1 消費者庁とは
- 2 消費者庁の概要
- 3 所管法人、財政、職員
- 4 消費者行政推進会議
- 5 地方移転計画
- 6 脚注
固有名詞の分類
- 消費者庁のページへのリンク