原武史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 09:09 UTC 版)
来歴
東京都渋谷区出身。西東京市のひばりが丘団地、東村山市の久米川団地、東久留米市の滝山団地、神奈川県横浜市青葉区の田園青葉台団地を転々とする。44歳にしてようやく団地生活から脱し、橋川文三が最晩年を過ごした借家にほど近い横浜市青葉区(東急田園都市線沿い)の一戸建てに転居。
著作活動
日本近現代史での鉄道や団地、広場に関する研究著述が多く、抽象的な言説ではなく、具体的な場所に着目する「空間政治学」を提唱している[1]。阪急電鉄の小林一三、東急電鉄の五島慶太、西武鉄道の堤康次郎といった鉄道事業家が行った活動に強い関心を示している。
学歴
- 東久留米市立第七小学校卒業
- 慶應義塾普通部卒業
- 慶應義塾高等学校卒業
- 1986年 - 早稲田大学政治経済学部(藤原保信ゼミ)卒業
- 1992年3月 - 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退
職歴
- 1986年4月 - 国立国会図書館職員
- 1987年4月 - 日本経済新聞社東京社会部記者(宮内記者会に所属して昭和天皇の病状報道に従事)
- 1992年~1997年3月 - 東京大学社会科学研究所助手
- 1997年4月~2000年3月 - 山梨学院大学法学部助教授
- 2000年4月~2004年3月 - 明治学院大学国際学部助教授
- 2004年4月~2016年3月 - 同教授、国際日本文化研究センター客員教授
- 2006年7~8月 - ケンブリッジ大学東洋学部客員研究員
- 2008年4月~2012年3月 - 明治学院大学国際学部付属研究所所長
- 2016年4月~2024年3月 -放送大学教授
- 2016年5月 - 明治学院大学名誉教授
人物
- 長年にわたる鉄道ファンであり、中学時代に学校行事「労作展」に出品するため、日本国有鉄道本社を訪れて部外秘のダイヤ図を入手して研究論文にまとめ、これが学者としての原点だったと回想している[2]。『朝日新聞』土曜朝刊別刷り「be」では「歴史のダイヤグラム」を連載し、日本近代史における鉄道に関するエピソードや、自らが高校時代から行った鉄道旅行(現在は廃線となった区間も多い)の回想を紹介している。講談社の月刊小雑誌『本』1996年1月号でも、鉄道を巡るエッセイ「鉄道ひとつばなし」を連載している。2011年の東北地方太平洋沖地震で大きな打撃を受けた三陸鉄道の切符1000枚(60万円)を購入する支援を行った[3]。
- 慶應義塾高等学校に通うが、団地育ちの自分は慶應に馴染めないと感じ、慶應義塾大学への推薦入学を辞退した。
- 毎日放送『情熱大陸』2005年5月29日放送分に出演。
- 2009年6-7月、NHK教育テレビで『知る楽 "探究この世界" 「鉄道から見える日本」』月曜担当。
- 2017年度から放送大学社会と産業コース専門科目「日本政治思想史」をラジオで放送。
受賞歴
- 1998年:『「民都」大阪対「帝都」東京――思想としての関西私鉄』で、サントリー学芸賞社会・風俗部門
- 2001年:『大正天皇』で、第55回毎日出版文化賞
- 2008年:『滝山コミューン一九七四』で、第30回講談社ノンフィクション賞
- 2008年:『昭和天皇』で、第12回司馬遼太郎賞
- ^ 原武史 明治学院大学教授インタビュー
- ^ 【歴史のダイヤグラム】ダイヤを入手 原点の論文に『朝日新聞』土曜朝刊別刷り「be」2021年7月31日4面(同日閲覧)
- ^ “原武史氏切符1000枚購入 三陸鉄道に全国から支援急増”. J-CASTニュース (2011年6月2日). 2020年8月18日閲覧。
固有名詞の分類
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