鍵盤楽曲とは? わかりやすく解説

鍵盤楽曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 16:25 UTC 版)

ディートリヒ・ブクステフーデ」の記事における「鍵盤楽曲」の解説

ブクステフーデオルガン作品は、自由曲、コラール編曲ともに約40曲が現存する。自由曲の多くは、即興的なプレリュード対位法的なフーガ含んでいるが、「前奏曲とフーガ」と通称されるように、一対プレリュードとフーガから構成される作品少ない。典型的な楽曲構成は、北ドイツ・オルガン・トッカータといわれる5部形式であり、冒頭部-第1フーガ-間奏部-第2フーガ-終結部といった展開を示す。BuxWV137, 148のように後続するフーガ代えてオスティナート形式導入されることもある。自由な部分即興的な性格強く、とくに冒頭部入念に展開され技巧的パッセージ大胆な和声進行等を伴ってリズムテンポ拍子さまざまな対比試みられる。リューベック聖母マリア教会オルガン足鍵盤ストップ数が最も多くブクステフーデオルガン作品においても低声部は重要な役割与えられており、BuxWV137, 143のように足鍵盤技巧的ソロ開始する楽曲存在するまた、フーガでは二重対位法やストレッタが多用され足鍵盤独立した声部担当してテクスチュアに厚みが加えられている。その他の自由曲としては、3曲のオスティナート楽曲足鍵盤もたないカンツォーナ等がある。ニ短調パッサカリア(BuxWV161)は、後にヨハネス・ブラームス関心寄せたことでも知られており、足鍵盤もたない自由曲は、チェンバロによる演奏も可能である。 一方オルガンのためのコラール編曲は、コラール前奏曲コラール変奏曲コラール幻想曲分類されるコラール編曲大半占めコラール前奏曲は、会衆によるコラール前奏として用いられたものであり、コラール旋律豊かに装飾され上声部に置かれ、他の3声部手鍵盤足鍵盤分けて伴奏される。また、コラール幻想曲においては声楽コンチェルト作曲技法応用されコラールの各フレーズ即興的に大きく展開されており、滔々と流れファンタジーのうちに、ブクステフーデ敬虔な信仰心感じさせるブクステフーデオルガン作品見られる即興性は、17世紀北ドイツにおけるスティルス・ファンタスティクス(幻想様式stylus fantasticus)の典型とされる。スティルス・ファンタスティクスとは、ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター1732年出版した音楽事典(Musicalisches Lexicon)』によればあらゆる制約から解放され様式であり、ヨハン・マッテゾンは、『完全なる楽長Der vollkommene Capellmeister)』(1739年)において、ブクステフーデ前奏曲(BuxWV152)をスティルス・ファンタスティクスの実例として挙げている。リューベックブクステフーデ演奏目の当たりにしたバッハは、中部ドイツアルンシュタットでその成果試したものの、礼拝時のオルガン演奏奇妙な変奏多く耳慣れない音を混入させたとして教会当局から強く叱責されたが、このことは北ドイツ音楽風土特異性とともにブクステフーデ音楽自由な性格をもよく示している。 この他チェンバロまたはクラヴィコードのための作品として、21曲の組曲と6曲の変奏曲現存するマッテゾンが『完全なる楽長』で言及した7つ惑星の性質模した組曲(BuxWV251)は今日消失している。一方ニ短調組曲(BuxWV deest)は、1710年アムステルダムで出版され作者不詳組曲のなかから、2004年にピーター・ディルクセンによって発見されたものである。これらの組曲はいずれアルマンドクーラントサラバンドジーグという舞曲標準的な配列基本とし、スティル・ブリゼが頻繁に用いられるまた、カプリッチョーサにもとづく32変奏曲(BuxWV250)をはじめとする世俗的変奏曲では、鍵盤楽器による多様な変奏技法追求されている。

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鍵盤楽曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 20:51 UTC 版)

カール・ニールセン」の記事における「鍵盤楽曲」の解説

主にピアノ向かって作曲するようになったニールセンであったが、40年歳月中でも直接的なピアノのため楽曲は時おり作曲する程度であったそうした楽曲独特なスタイルであることが多く、そのために国際的に受け入れられるのに時間かかったニールセンピアノ腕前というと、おそらくオーフス国立公文書館に「カール・ニールセン」と記され3つの蝋管保存されいたものから判断するに、平凡だったようである。ピアニストジョン・オグドン1961年行った録音への論評として、ジョン・ホートンは初期作品について「ニールセン技巧引き出し彼の構想壮大さにほとんど見合っていない」と言及している。一方で後期作品は「彼の交響作品比肩し得る主要作品群」であると看做していた。非ロマン的な『交響的組曲作品8(1894年)は後世の評論家によって「確立されあらゆる音楽的慣習前に、まっすぐ固く握りしめられた拳に他ならない」と評されている。ニールセン自身の言によればシャコンヌ作品321917年)は「真に大きな作品であり、効果的であると思っている。」この作品バッハ、特に独奏ヴァイオリンのためのシャコンヌのみならずロベルト・シューマンヨハネス・ブラームスフェルッチョ・ブゾーニらによるピアノのためバッハ作品ヴィルトゥオーゾ編曲にも触発されている。同年にはやはり規模大きな主題と変奏作品41書かれている評論家はこの作品ブラームスマックス・レーガー影響認めているが、ニールセン友人宛てた手紙の中で次のように述べている。「大衆レーガー作品を全く理解することができなくなるように思われますが、それでも私は彼の労作群に強い同情覚えるのです(中略リヒャルト・シュトラウス対するよりもずっと。オルガン曲全て後期作品である。デンマークオルガニストであるフィン・ヴィーザウーはニールセンオルガン運動(Orgelbewegung)、並びにハンブルク聖ヤコビ教会英語版)に建造されアルプ・シュニットガー製のオルガン前面パイプが、1928年から1930年にかけて刷新されたことに興味掻き立てられたのだと唱えている。ニールセン最後主要作品となったコンモツィオ作品58演奏22分を要するオルガン作品で、彼の死のわずか数か月前にあたる1930年6月から1931年2月にかけて作曲された。

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モートン・フェルドマン」の記事における「鍵盤楽曲」の解説

最後小品1959年ピアノ1977年三和音記憶1981年) - 3人のピアニストデイヴィッド・チューダーロジャー・ウッドワード高橋アキ)の思い出に関する作品。 バニタ・マーカスのために(1985年マリ宮殿1986年

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チャールズ・アイヴズ」の記事における「鍵盤楽曲」の解説

アメリカ」の主題による変奏曲オルガン曲1891年ピアノソナタ第1番1902年09年) ピアノソナタ第2番マサチューセッツ州コンコード1840年60年」(コンコード・ソナタ) (1909年15年エマーソン任意ヴィオラ参加ホーソーン オールコット家の人々若草物語作者ルイーザ・メイ・オルコットとその父エイモス・ブロンソン・オルコットにちなんでいる) ソロー任意フルート参加改訂版ではヴィオラ参加できる。) スリー・ページ・ソナタ(ピアノソナタ)(1905年)(自筆譜が3ページ出版譜は10ページ前後ある。オプションで、ベルまたはチェレスタが加わる) 2台のピアノのための「四分音による3つの小品Three Quarter Tone Piano Pieces1923年〜24年

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