三省堂 大辞林 |
ピティナ・ピアノ曲事典 |
グラズノフ : 幻想曲
作品情報
標準演奏時間: 28m0s
| 楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
| 1 | Moderato tranquillo - Allegro | 11m30s | - |
| 2 | Scherzo: Allegro | 5m30s | - |
| 3 | Moderato - Allegro | 11m0s | - |
出版情報作曲年: 1919-20
シューマン : 幻想曲
作品情報
標準演奏時間: 26m0s
| 楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
| 1 | 第1楽章 ハ長調 Durchaus phantastisch und leidenschaftlich vorzutragen | 10m0s | - |
| 2 | 第2楽章 変ホ長調 Massig. Durchaus energisch | 7m0s | - |
| 3 | 第3楽章 ハ長調 Langsam getragen. Durchweg leise zu halten | 9m0s | - |
第1楽章「どこまでも幻想的かつ熱情的に演奏する」ハ長調
ベートーヴェンらしいソナタ形式で書かれているが、シューマン的な手法で展開される。
楽章の終わりの方では、ベートーヴェンの歌曲「遙かなる恋人に」の一部が現れる。
第2楽章「中庸の速さで、どこまでも精力的に」変ホ長調
当初この楽章には「凱旋門」という標題が付けられて、輝かしく壮大な行進曲となっている。
第3楽章「ゆるやかに演奏する。どこまでも穏やかに保つ」ハ長調
夢のように静かで、おだやかで、瞑想的な楽章。ベートーヴェンのピアノソナタ作品111 の終楽章を想起させるような曲だが、シューマン風のロマンティシズムに満ち溢れた曲である。
出版情報作曲年: 1836-1838 出版年: 1839 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel
幻想曲
バッハ : 幻想曲 ト短調
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| バッハ : 幻想曲 ト短調 | Fantasie g-Moll BWV 920 |
しかし、用いられる和音や和声の進行には――バッハの典型と呼びがたいものが多いにせよ――色彩感ある大胆な響きがときおり光射すように顕れる。真作であるかどうかはともかく、演奏効果は充分に期待できる作品である。
モーツァルト : 幻想曲 ニ短調(未完)
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| モーツァルト : 幻想曲 ニ短調(未完) | Fantasie d-Moll K.397 | 標準演奏時間: 6m30s | 作曲年: 1782 |
バッハ : 幻想曲 ハ短調(ロンドによる)
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| バッハ : 幻想曲 ハ短調(ロンドによる) | Fantasie über ein Rondo c-Moll BWV 918 | 標準演奏時間: 4m0s |
率直に言って、これらの課題が作品の中で完全に解決されているとは言いがたい。各セクションは確かにこの上もなく滑らかに連続しているが、それは主題の回帰に緊張感を持った準備がなされないということである。エピソード部は模倣で始まるが、やがてロンド主題の素材を用いて展開するため、クプレ(回帰部分)とエピソードの対比が曖昧になる。音域やテンポ感の変化にも乏しく、楽曲全体の山場をとっさにはみいだせない。弾き手も聴き手も愉しむためには、細かい分析が必要だろう。
ロンド主題は曲頭のほか、第29小節、第80小節、第120小節に3回ほど登場する。このロンド主題には、更に8小節の続きがある。最初のエピソード(第13-27小節)ではロンド主題後半はほとんどまったく現れない。また、2回目のエピソード(第33小節以降)もいっけん関係のなさそうな動機の転回対位法で開始する。が、この部分の大半を支配する四分音符のシンコペーション動機は、ロンド主題後半から得られたものである。第80小節の3回目のクプレは、ロンド主題の最初の2小節の転回(声部の上下を入れ替える対位法技法)によって拡大されている。これに続くエピソードも、クプレで用いた2小節単位の転回を繰り返すが、その内容はロンド主題後半および2回目のエピソードから導き出された動機である。厳格な転回は第99小節でいったん収束するが、これ以降も1小節ごとの短い転回やそれに類するパラフレーズが散りばめられている。そして、第116小節からはロンド主題前半の結びにのみわずかに聴かれた付点リズムが2小節に渡って左手に登場し、楽曲が終わりに近いことを暗示する。左右の手の音域が広がり、左手に長いトリルが置かれ、ロンド主題の最後の提示が準備される。これはロンド主題後半を完備し、冒頭の提示と完全に一致している。
このようにみると、バッハはクプレとエピソードが交代するロンドの形式の陰で、主題の提示と展開を緻密に進めているのがわかる。
また、よどみなく流れる2つのパートは、当時の最新のスタイルであるギャラント様式を意識したものである。この作品は、バッハが自らの得意とする分野に新しい形式や様式を意欲的に取り込んで生まれたということができる。
バッハ : 幻想曲 ハ短調
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| バッハ : 幻想曲 ハ短調 | Fantasie c-Moll BWV 919 | 標準演奏時間: 1m15s | 出版年: 1843 初版出版地/出版社: Peters |
全体は2声、わずか25小節の簡潔な作品だが、順次進行と跳躍、上行下行と同音反復を適度に含むバランスの取れた主題を持つ。J.S.バッハはこうした可能性の豊かな主題をひらめく天才だった。また、主題の前半と後半を対位法的に組合せるやりかたは、まさに「インヴェンション」と呼ぶにふさわしい。作曲者をあれこれと詮議するまでもなく、短く引き締まった理知的な作品である。
モーツァルト : 幻想曲 ハ短調
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| モーツァルト : 幻想曲 ハ短調 | Fantasie c-Moll K.475 | 標準演奏時間: 12m30s | 作曲年: 1785 出版年: 1785 初版出版地/出版社: Artaria |
献呈はテレージア・フォン・トラットナー。当時モーツァルトが借りていた家(いわゆる「フィガロ・ハウス」)の家主夫人である。彼女はまた、モーツァルトのピアノの生徒でもあった。
作品は転調を頻繁に繰り返し、幻想曲の名にふさわしく自由に展開してゆくが、テンポの変化によって5つの部分に分けられる。すなわちアダージョ、アレグロ、アンダンティーノ、ピウ・アレグロ、アダージョである。最初のアダージョはさらに、重苦しいハ短調と明るい響きのニ長調の2つに分割できる。地から這い上がるようなこの冒頭主題が最後に回帰し、ハ短調ソナタへの橋渡しとなって作品を閉じる。
ハイドン : 幻想曲(カプリッチョ) ハ長調
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| ハイドン : 幻想曲(カプリッチョ) ハ長調 | Fantasia(Capriccio) C-Dur Hob.XVII:4 | 作曲年: 1789 出版年: 1789 初版出版地/出版社: Artaria |
シューベルト : 幻想曲 ハ長調(グラーツの幻想曲)
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| シューベルト : 幻想曲 ハ長調(グラーツの幻想曲) | Fantasie(Grazer Fantasie) D 605A | 作曲年: 1818? 出版年: 1969 初版出版地/出版社: Bärenreiter |
主題はシューベルトらしい牧歌的な旋律がオクターヴで歌われる。その後は「ポロネーズ風に」という指示による舞曲リズムをはじめ、さまざまな調と動きを幻想的に展開させるが、最終的には冒頭主題が回帰し、穏やかに作品を閉じる。
ショパン : 幻想曲 ヘ短調
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| ショパン : 幻想曲 ヘ短調 | Fantasie f-Moll Op.49 | 標準演奏時間: 13m30s | 作曲年: 1841 出版年: 1841 初版出版地/出版社: Schlesinger 献呈先: Princese Catherine de Souzzo |
器楽作品に用いられるファンタジー(ファンタジア)という名称は古くからの歴史をもつ。19世紀においてピアノ独奏曲としての「ファンタジア」は珍しくないが、ショパンがこの言葉に明確なジャンルとしての意識を抱いていたかは疑問である。直前に作曲された《ポロネーズ》作品44について、ショパンは当初「ポロネーズの形式の《幻想曲》」あるいは「ポロネーズの一種というより、幻想曲です」ということを書いている。また晩年の傑作《幻想ポロネーズ(ポロネーズ=幻想曲)》の存在からも、ショパンはポロネーズと幻想曲を非常に近い存在ととらえ、「幻想曲」という形態に、即興的色彩はもちろんのこと、祖国ポーランドへの想いと幻想を自由に表現するという役割を付していたようである。
結局ショパン唯一の《幻想曲》となった作品49は、へ短調に始まり変イ長調で終わる。全体をソナタ形式風にとらえれば、序奏(Tempo di marcia)、提示部(agitato;68小節~)、展開部(143小節~、途中Lento sostenutoのエピソードを挟む)、再現部(236小節~)、コーダ(309小節~)となろう。しかし幻想曲のタイトルにふさわしく、調と楽想の自由な交錯として解釈した方が自然である。「行進曲のテンポでTempo di marcia」と指示されたへ短調の導入部は、葬送行進曲のような暗い影に覆われ、一拍ごとに和音が付けられて重々しく進む。一方Assai allegroと指示された変イ長調のコーダ部(322小節~)は三連符のアルペジオで華々しく上り詰め、勝利の宣言であるかのように終わる。このふたつの調、ふたつの楽想がショパンのポーランドに対するふたつの幻想的心情としてこの作品を支配しているように思える。三連符の走句は即興的変化を伴って、楽曲を構成する核となる主題を支え(68小節~、155小節、235小節)、あるいは移行部として機能する(43小節~、143小節~、223小節~)。また和音による楽想は、行進曲風の移行部を形成するかと思えば(127小節~)、「Lento sostenuto」のテンポ表示とともに、抒情的な旋律を切々と歌い上げる(199小節~)。形式性と即興性を兼ね備え、不均等な対称性を保ちながらポーランドへの思いを自由に謳いあげた《幻想曲》は、ショパン独特の世界を作り上げるとともに、《幻想ポロネーズ》へと連なる傑作群の中心的存在に位置づけられよう。
■参考文献 資料
アーサー・ヘドレイ編『ショパンの手紙』小松雄一郎訳、白水社、2003年。
Jim Samson ed. Chopin Studies. Cambridge University Press, 1988.
ドライショック(ドライショク) : 幻想曲 ヘ短調
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| ドライショック(ドライショク) : 幻想曲 ヘ短調 | Fantaisie, F-dur Op.31 | 初版出版地/出版社: Schott |
展開部のないソナタ形式(それぞれの部分が展開部を必要としないぐらいドラマティック)
■序奏(ヘ短調):悲愴だが劇的な開始を告げる。
■第1主題(ヘ短調):行進曲風の荘重なメロディーが印象的
■第2主題(ハ短調):ショパンの『革命』の左手のパッセージが何と右手に登場し、圧倒されるテクニカルワークを展開する。
■第1主題の再現(へ短調):行進曲風のメロディが、三連符の伴奏に支えられながら歌われる。
■第2主題の再現(ヘ短調):さらにヒートアップした『革命』のパッセージが縦横無尽に活躍する。
■コーダ(ヘ短調):第2主題がトリルとともに頂点に上り詰める。最後は二重オクターブの嵐と『革命』が打ち鳴らされて締めくくる。
第2楽章:Veloce 6/8拍子
■主部(変二長調):第1楽章とは打って変わって平和で穏やかな楽章。 さわやかなそよ風のようなテーマが軽やかに登場。
■中間部(変ホ短調):哀愁を帯びたメロディーが印象的。
■主部の再現(変二長調):主部同様のメロディーが再び歌われる。
■トリオ(変ロ短調):優雅なオクターブが戯れる。
■主部の再現(変二長調)
■第2トリオ(変ロ短調):トリオ同様オクターブ中心で踊られる。
■主部・中間部・主部が繰り返され終わる。
第3楽章:Allegro spiritoso
展開部のないソナタ形式(それぞれの部分が展開部を必要としないぐらいドラマティック)
悲しみと激情の疾走。
第1主題(ヘ短調):疾走する左手の上に、悲しみが歌われる。しかし感傷に浸るまもなく、次々と襲い掛かる心の葛藤。オクターブの七変化ともいうべき、さまざまな展開が施される。
第2主題(変イ長調):唯一希望の光が差し込んでくる。主題の確保は、オクターブで朗々と奏でられる。 後半では新しい精神に溢れた第3主題が華やかに打ち上げられる。
第1主題の再現(変ロ短調):再び疾走する悲しみと激情。さらにオクターブやテクニカルな展開になっている。
第2主題の再現(変イ長調):雪崩れ込んできた第1主題に牽引された第2主題は、さきほどとは打って変わって、パワーアップを図る。そこでは希望の光は勝者のファンファーレに昇格し、高らかに歌い上げられる。
コーダ(ヘ短調):すべてオクターブで彩られる。二重オクターブ、分散オクターブ、リスト・オクターブ。最後は激情の嵐と大伽藍の鐘が打ち鳴らされ見事に終結する。
リストのライヴァル、ドライショックにふさわしい技巧的であるが精神的に極めて高い内容を持った曲。ロマン派の大ピアニスト、ヴォルフ、ヘンゼルト、リスト、ローゼンハイム、デーラー、ショパン、タールベルクらと戦うための武器倉庫となった曲でもある。
シューベルト : 幻想曲 ヘ短調
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| シューベルト : 幻想曲 ヘ短調 | Fantasie D 940 | 標準演奏時間: 17m0s | 作曲年: 1828 出版年: 1829 |
スクリャービン(スクリアビン) : 幻想曲 ロ短調
| 英語表記/番号 | 作品情報 | 出版情報 | |
|---|---|---|---|
| スクリャービン(スクリアビン) : 幻想曲 ロ短調 | Fantaisie Op.28 | 標準演奏時間: 8m30s | 作曲年: 1900 出版年: 1901 初版出版地/出版社: Belaïev |
演奏:花田 えり佳 |
メンデルスゾーン : 幻想曲 嬰ヘ短調 (スコットランド・ソナタ)
作品情報
標準演奏時間: 14m30s
| 楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
| 1 | 第1楽章 Mov.1 Con moto agitato: Andante | 5m30s | - |
| 2 | 第2楽章 Mov.2 Allegro con moto | 2m30s | - |
| 3 | 第3楽章 Mov.3 Presto | 6m30s | - |
全3楽章からなり、全曲通して演奏される。
第1楽章:嬰へ短調 4分の2拍子 コン・モート・アジタート―アンダンテ
冒頭8小節にわたるアルぺッジョの序奏(コン・モート・アジタート)からはじまる。アンダンテの主部につづき、登場するアルぺッジョの挿句は、徐々に勢いと音量を増し、クライマックスを形成する。大きな変化が加えられた再現部が奏されたのち、序奏のアルペジオが再び現れ、幻想的に曲をとじる。
第2楽章:イ長調 2分の2拍子 アレグロ・コン・モート
およそA-B-Aの形によっており、スケルツォ的な性格をもつ。対位法的な技法が用いられた短い楽章。
第3楽章:嬰へ短調 8分の6拍子 プレスト
即興的な性格が強いが、およそソナタ形式によっている。第一主題は、6連音符の下降音形からなり、めまぐるしく動く。第2主題は、オクターブでゆったりとうたわれる。6連音符は、一曲全体を貫いており、その音形の変化によってさまざまな表情がうみだされている。情熱的な終曲。
出版情報作曲年: 1833 出版年: 1834 初版出版地/出版社: Simrock
献呈先: Ignaz Mosheless
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幻想曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/09/17 12:23 UTC 版)
幻想曲(げんそうきょく)とは楽曲の名称の一つ。その様相はバロック時代以前と以後で一変する。
初期バロック時代以前に作曲された幻想曲=ファンタジア(Fantasia)は模倣様式による器楽曲形式の一つ。フーガと同様に多声部のための作品で、曲の冒頭で一つの声部に示された主題が次々と他の声部に模倣される。複数の主題を持つものも多い。リチェルカーレやカンツォーナなど他の模倣楽曲と明確な区別は無かった。ルネサンス時代に多く作品が見られるが、フーガの確立とともにファンタジアの名称は用いられなくなった。
後期バロック時代及びそれ以降の幻想曲は、形式が自由ではっきりと定まっていない楽曲であり、トッカータなどと同様に即興的性格をもつ作品を指した。ロマン派からは性格的小品から実質的なソナタである大規模な作品まで多様な曲が作曲された。
- 1 幻想曲とは
- 2 幻想曲の概要
幻想曲に関連した本
- ピアノピース-297 幻想曲「さくらさくら」/平井康三郎 平井 康三郎 全音楽譜出版社
- ボルヌ/カルメン幻想曲 JFC名曲シリーズ 270 ジャパン・フルート・クラブ
- 式神の城 七夜月幻想曲 公式設定資料集 (ファミ通Books) ファミ通BOOKS エンターブレイン
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