わ‐よう〔‐ヤウ〕【和様】
和様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/22 08:18 UTC 版)
和様(わよう)とは、日本風あるいは、日本様式の事物を意味し、中国風・中国様式を意味する唐様に対して用いられる。狭義では和様建築を指して用いられる場合が多いが、書道をはじめとして絵画や彫刻など、日本美術史において日本風が顕著になった平安時代中期から後期にかけての作品に対して広く用いられる用語である。ただし、和様とされるものの多くは純粋な意味での日本古来のものではなく、その原形は飛鳥・奈良時代に唐から受容された文物を日本の風土と日本人の感性に合わせる形で改良することによって成立した文化様式である。
- 1 和様とは
- 2 和様の概要
和様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 06:35 UTC 版)
奈良時代から平安時代にかけて盛行した王羲之の書風を根底として、平安時代中期に三跡(小野道風・藤原佐理・藤原行成)らによって日本人らしい感覚の一つのスタイルが完成した。これを出発点として、平安時代末期に法性寺流、鎌倉時代末期に青蓮院流、江戸時代には御家流と書流が変化してきたが、この系列に生まれた書を総称して和様という。
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和様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 13:37 UTC 版)
江戸時代初期を代表する寛永の三筆(近衛信尹・本阿弥光悦・松花堂昭乗)の書は、前代から継承された御家流を土台としており、彼らの格調高い書風を学ぶ者が多かった。 貴族文化から庶民文化へ 平安時代以来の書道は上流社会の人々の間で行われていたが、この時代の書道は一般庶民にまで普及した。これは寺子屋という一般庶民の教育機関が全国に設けられ、その教育の中心が手習いであったことによる。寺子屋ではおもに御家流が習われた。唐様が儒者や文人趣味を好む学者など特定の範囲で広まったのに対し、和様は公家・武家・庶民を含めた広範囲に広まり、数の上では和様が勝った。 和様の代表 江戸時代中期の和様の代表は、幕府右筆の森尹祥、上代様の復興に努めた近衛家熙、千蔭流を成した加藤千蔭、池大雅などがいる。池大雅はのちに中国の書の影響を受けて独自の書風を確立した。 この時代に書名のあった人物(和様) 詳細は「日本の書家一覧#和様」を参照 この時代の筆跡(和様) 筆跡名筆者年代書体、書風現所在蓮下絵和歌巻 本阿弥光悦 1605年ごろ 草書・かな、和様 東京国立博物館 長恨歌 松花堂昭乗 1614年 行書・草書、和様 東京国立博物館 三十六歌仙色紙帖 松花堂昭乗 17世紀前半 草書・かな、和様・大師流 東京国立博物館 源氏物語抄 近衛信尹 1600年ごろ かな、和様 東京国立博物館 和歌懐紙 加藤千蔭 不詳 行書・かな、和様 東京国立博物館 和歌懐紙 近衛家熙 17世紀後半 行書・かな、和様 東京国立博物館
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和様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:13 UTC 版)
大仏様、禅宗様など外来の新様式に対する、前代以来の日本的様式である。ゆるい屋根の勾配、穏やかな軒反りを特徴としている。構造的には原則として頭貫以外に貫を用いず、長押を多用する。蓮華王院本堂(三十三間堂)、大報恩寺本堂(京都市)、興福寺北円堂(奈良市)などがこの時代の純和様の代表例である。蓮華王院は、1165年(永万元年)の創建当時は五重塔なども建つ本格的な寺院であったが、1249年(建長元年)の火災で焼失した。1266年(文永3年)に本堂(三十三間堂)のみが再建されている。光明寺二王門(京都府綾部市)、霊山寺本堂(奈良市)、長弓寺本堂(奈良県生駒市)、唐招提寺鼓楼(奈良市)、太山寺本堂(愛媛県松山市)などは、和様を基調としつつ、木鼻などの細部に大仏様を取り入れている。このような建築様式を新和様とも称する。 石山寺多宝塔(滋賀県大津市) 1194年(建久5年)の建立で、現存する最古の多宝塔である。多宝塔とは下層が方形、上層が円筒形の二重塔の形式である。このような二層塔は日本独自の形式であり、淵源は平安時代初期に求められる。本尊として快慶作の大日如来像を安置している。
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