シリカエアロゲルとは? わかりやすく解説

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シリカエアロゲル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 14:03 UTC 版)

エアロゲル」の記事における「シリカエアロゲル」の解説

一般的なシリカエアロゲルは二酸化ケイ素骨格90 - 98 %の空気構成され密度10 - 150 mg/cm3のものが多い。もっとも低密度固体として記録されているのはアメリカローレンス・リバモア国立研究所により作られたシリカエアロゲルで、1.9 mg/cm3の密度水の1 / 530比重記録した。触ると発泡スチロールのような感触がある。一軸方向やさしく押しただけでは跡を残さないが、強く押すと元に戻らないへこみを生じる。十分に強く押すとガラスのように粉々に崩壊する壊れるときは粉々になる一方で自重の2,000倍もの重さ支え強度をもつものもある。曲げに対しては非常に脆く、すぐに折れる。 内部網目状微細構造となっており、透明なものでは数2 - 20 nm球状体が結合したクラスター構造をしている。このクラスターにより形成される骨格間には、100 nm満たない細孔があり、三次元的の微細な多孔性の構造をしている。密度平均的な細孔大きさ作製時に制御できる。 シリカエアロゲルは非常に低い熱伝導率(およそ0.017 W/(m·K))を持ち優れた断熱性を示す。融点は1,200 。この高い断熱性は、熱が伝わる方法である対流伝導放射の3方法のほとんどを遮断することにより実現している。対流による伝熱は、細孔径が空気平均自由行程より小さく対流できないことにより抑制され伝導による伝熱は、シリカエアロゲルの場合原料である二酸化ケイ素熱伝導性が低いことにより抑制される金属エアロゲル場合固相伝熱により熱伝導抑制効果はシリカエアロゲルに劣る。)。シリカエアロゲルは赤外線良く吸収する建築物使えば太陽熱入射抑えたまま採光することができる。カーボンなどを混ぜればよりよく赤外線吸収するため、カーボンファイバー加えたシリカエアロゲルなども研究されている。 シリカエアロゲルは表面ヒドロキシ基により親水性高く強力な乾燥剤としての特性ももつ。化学処理を施すことにより疎水性にすることもできる水分吸着する収縮など構造変化起こして透明度劣化するが、疎水性にすることで劣化を防ぐことができる。内部まで疎水性のあるエアロゲル表面だけを疎水性処理したものに比べ表面より深い傷がついても劣化防止できるまた、ウォータージェット使用できるため、加工容易になる近年は、二酸化ケイ素分子ネットワークメチル基などの有機鎖を導入し、処理なしでも高い疎水性をもつ有機無機ハイブリッドエアロゲルも研究されている。これらのエアロゲル純粋な二酸化ケイ素からなるものとは異なった物性を示す。高い柔軟性をもち、超臨界乾燥使わず乾燥させることができるものも作られている。また、エポキシ樹脂などの有機ポリマー分子レベル複合化させれば曲げに対して強くなる。 シリカエアロゲルはほとんど空気からできているため、外見半透明状である。見かけの色は、可視光短波長部がナノサイズの格子構造によりレイリー散乱することにより決まる。このため黒っぽい背景に置くと青み帯び明る背景では白く見える。 ギネスブックでは、シリカエアロゲルは物質として、最良断熱物質最小密度物質など15項目の記録をもつ。

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シリカエアロゲル

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エアロゲル」の記事における「シリカエアロゲル」の解説

シリカエアロゲルはコロイド状の二酸化ケイ素作られ湿潤ゲルを、超臨界乾燥することによって作られる。 シリカエアロゲルの作製は、エタノールのような溶媒オルトケイ酸テトラエチルなどのケイ素アルコキシド前駆体混合し加水分解重縮合させることから始まる。その後超臨界流体用いて溶媒湿潤ゲルから取り除くゲル内部溶媒をまずアセトンなどに置換し次に二酸化炭素臨界点上に導くことにより行われることが多い。液体アセトンなど適切な溶媒使用することにより、よい勾配溶離実現できる湿潤ゲル中のすべての液体を、ゲル構造損なことなく気体置換することにより完成する

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