漂着物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/02 05:36 UTC 版)
概要
日本は四方を海に囲まれていることもあって、古来から漂着物には大変恵まれている。漂着物は時代や場所とともにその内容を変える。漂着物を観察し、あるいは吟味することは、その場所やその時代を知る上での意味ある行為である。
さまざまな漂着物
漂着物には、大きく分けて自然物と人工物があり、自然物でもっとも一般的に見られ、またイメージされるものとしては木がある。その形や大小はまちまちながら、それゆえ漂着物の中でも面白く人気がある。また、長期間にわたって漂流し、あるいは波に揉まれるため、自然の侵食により、そのままで見事な造形品に仕上がっていることもある。
人工物では、プラスティック、ビニール類が多くペットボトルが圧倒的に多い。また、日本海側の海岸では朝鮮半島や中国からの漂着物が多く、太平洋側とは大きく異なっている。
漂着物の例
- 人工物
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京都府島影の漂流物
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ブイ
漂着物と作品
- 島崎藤村 叙情詩『椰子の実』
漂着物が人にインスピレーションを与え、作品として生まれたもっとも有名な例では、民俗学者である柳田國男が1898年明治31年の夏に、伊良湖にしばらく滞在した際に偶然拾った椰子の実の話を、親友の島崎藤村に語ったところ、それがモチーフとなり、「名も知らぬ遠き島より流れよる椰子の実ひとつ・・・」の歌詞で知られる叙情詩「椰子の実」が誕生した。藤村自身は実際にその椰子の実を見たわけではないが、柳田國男が優れた文学者に強いインスピレーションを与えたのである。その後、1936年(昭和11年)、歌詞に大中寅二によってメロディーが付けられ、NHKで放送され、国民歌謡として広く知られるようになった。現在も、日出園地には「椰子の実」誕生の記念碑がある。
- ^ “漂着:山形の離島に照明弾 ハングルの記載”. 毎日新聞. 2022年10月19日閲覧。
- ^ “Phosphor ähnelt Bernstein und verbrennt Mann am Strand” (ドイツ語). Der Spiegel (2014年1月15日). 2022年10月19日閲覧。
- ^ 八代, 正彦、勝山, 碧、中前, 琢磨、肥後, 恵理、宮本, 真智子、福元, 明子、林, 敬人「漂着死体における溺死診断のための検査法について」、漂着物学会、2021年12月25日、doi:10.57279/driftological.19.0_1。
- ^ 海岸漂着危険物対応ガイドライン - 国土交通省
- ^ “海岸漂着物処理推進法関係”. 環境省. 2022年10月23日閲覧。
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