希土類元素 用途

希土類元素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/24 01:49 UTC 版)

用途

希土類元素を含む材料は、以下の2つに分けて考えられる。

  • 4f電子に基づく物性を利用している材料
発光材料、磁性体など
  • イオン半径や電荷など希土類独特の化学的性質を用いる材料
触媒、固体電解質、酸化物高温超伝導体、水素吸蔵合金、発光材料の母結晶など

レアアースは蓄電池発光ダイオード磁石などのエレクトロニクス製品の性能向上に必要不可欠な材料である。希土類元素、特にランタノイドは電子配置が通常の元素とは異なるために物理的に特異な性質を示す。水素吸蔵合金二次電池原料、光学ガラス、強力な希土類磁石蛍光体研磨材などの材料となる。マグネシウム合金に微量添加することで機械的特性を向上する。

レアアースの種類と用途例[3]
用途 21
Sc
39
Y
57
La
58
Ce
59
Pr
60
Nd
61
Pm
62
Sm
63
Eu
64
Gd
65
Tb
66
Dy
67
Ho
68
Er
69
Tm
70
Yb
備考
磁石磁性体材料 不対電子を持つもの
光ディスク
光磁気ディスク
蛍光体 Eu:赤, Tb:緑, Y:赤
レーザー
光ファイバ増幅器
コンデンサ
水素吸蔵合金
超伝導材料 高温超電導
光学ガラス 高屈折率、低分散

具体的用途

  • 超強力磁石の磁性体(モーター、バイブレータ、マイク、スピーカーなど)
  • ガラス基板研磨剤(ディスプレイ、HDDなど)
    • 酸化セリウム系研磨材:セリウム
  • 蛍光体(照明、ディスプレイなど)
    • ブラウン管、蛍光灯、水銀灯、CCFL、プラズマディスプレイ:イットリウム、テルビウム、ユウロピウム、ランタン、セリウム、ガドリニウム
    • メタルハライドランプ
      • ScI3-NaI-Hg-Xe封入:スカンジウム[8]
    • LED
      • YAG蛍光体:イットリウム、セリウム(付活剤)[9]
      • シリケート系蛍光体:ユウロピウム(付活剤)[9]
  • 光ディスク(書き換え可能タイプ)の記録層(DVDCDBlu-ray Disc
  • 光磁気ディスクの磁性層(MOMD
    • テルビウム-鉄-コバルト合金:テルビウム
  • プリンターの印字ヘッド
    • 鉄-ジスプロシウム-テルビウム合金:ジスプロシウム、テルビウム
  • 石油精製触媒、自動車用排気ガス浄化触媒:セリウム
  • レーザー(チタンサファイアレーザーなど)
    • YAGレーザ、YVO4レーザー、YLFレーザー:イットリウム、ネオジム(ドープ材)
  • 原子力産業(制御棒、核燃料添加剤など):ハフニウム、ガドリニウム
  • 発火合金(ライターの火打ち石など)
    • アウアー合金:セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジムなど
  • 光学ガラス(望遠鏡、顕微鏡、カメラ、プリズムなど):ランタン、ガドリニウム
  • ニッケル・水素充電池:ミッシュメタル
  • スカンジウムアルミ合金: スカンジウム

削減・リサイクル技術

  • 添加剤の拡散最適化による削減
  • 酸化セリウム系研磨剤の再利用
  • 蛍光灯などに使われた蛍光粉の回収[10]
  • エアコンや洗濯機、ハイブリッド車などからのレアアース磁石回収[11][12]
  • ハイブリッド車のニッケル・水素充電池からのミッシュメタル回収[12]
  • 永久磁石を用いないモーターの使用 (スイッチトリラクタンスモータ)

  1. ^ レアアースの通説 正と誤 JOGMEC
  2. ^ グレイ(2010):137
  3. ^ a b 日経エレクトロニクス 2007年8月27日号「レア・アース」
  4. ^ 温泉からレアアース採取、秋田大グループが成功 読売新聞
  5. ^ 希土類鉱物の結晶化学に関する研究
  6. ^ Lanthanite-(La),'mindat.org
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  8. ^ 水銀フリー自動車前照灯用 HID ランプ - 東芝
  9. ^ a b セラミックスアーカイブズ LED照明 (1996年〜現在)
  10. ^ 全国初!使用済み蛍光管からレアアースを回収・再資源化 福岡県 2011年9月6日
  11. ^ レアアース回収急げ 中国生産減 各社は家電廃棄物から“採掘” MSN産経west 2012年8月26日
  12. ^ a b 三菱マテ、ハイブリッド車からレアアース回収 日本経済新聞 2012年9月10日
  13. ^ a b 中国、レアアースの輸出禁止を検討 WIRED VISION 2009年08月27日11時19分閲覧
  14. ^ “中国のレアアース対日禁輸 「在庫増」「代替」 産業界は冷静”. サンケイビズ. (2010年9月25日). オリジナルの2011年12月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111213073429/http://www.sankeibiz.jp/business/news/100925/bsc1009250503003-n1.htm 2011年2月15日閲覧。 
  15. ^ U.S. GEOLOGICAL SURVEY MINERALS YEARBOOK”. 2021年9月閲覧。
  16. ^ MIRU - カザトムプロム ウラン生産増、レアアース生産もあきらめず・・ ”. www.iru-miru.com. 2021年9月16日閲覧。
  17. ^ 「ロシアのレアメタル・レアアース戦略について」 (PDF) 平成25年6月20日 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構モスクワ事務所 大木雅文
  18. ^ 日本近海に高濃度レアアースを発見、南鳥島沖 AFP
  19. ^ 南鳥島のレアアース、世界需要の数百年分
  20. ^ 産業技術総合研究所 レアメタルタスクフォース編 『レアメタル技術開発で供給不安に備える』 工業調査会、2007年、65-88頁。
  21. ^ 足立 吟也 監修 『希土類の材料技術ハンドブック 基礎技術・合成・デバイス製作・評価から資源まで』 NTS、2008年、ISBN 978-4-86043-194-5
  22. ^ 鄧小平の戦略・中国レアアース開発で荒れ果てた山に無数の酸溶液の池 住民は歯が抜け…陸上破壊進み海洋進出か”. 産経ニュース (2016年3月31日). 2019年5月19日閲覧。
  23. ^ Dian L. Chu (Nov 11, 2010). "Seventeen Metals: 'The Middle East has oil, China has rare earth'". Business Insider.
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  28. ^ a b c レアアース禁輸 中国のジレンマ”. エコノミスト (2019年6月18日). 2021年4月19日閲覧。
  29. ^ 『トコトンやさしいレアアースの本』128ページのコラム「中国の環境問題」にて筆者の体験談として、見学したレアアース工場にて研究者の手が白く被曝していた、当時のレアアース工場としては当たり前だったようだ、と書いている。放射能物質の処理もずさんで、普通はドラム缶に詰めて地下に埋めるところをテーリングポンド(尾鉱貯蔵池)にそのまま保管するのが当たり前、と書いている。中には鉱山に直接ぶっかけてリーチング(湿式冶金)し、レアアース濃縮物を得る鉱山もあると書いている。『トコトンやさしいレアアースの本 (今日からモノ知りシリーズ)』日刊工業新聞社 2012年8月21日出版。ISBN 978-4526069284 西川 有司 (著), 藤田 豊久 (著), 亀井 敬史 (著), 中村 繁夫 (著), 金田 博彰 (著), 美濃輪 武久 (著), 藤田 和男 (監修)
  30. ^ レアアースに手を焼く中国』日経エコ・ジャパン 2010年12月3日 2010年12月9日閲覧。
  31. ^ EV用モーターにかかる中国という暗雲』日経エコ・ジャパン 2010年8月5日 2010年12月9日閲覧。
  32. ^ 米軍は中国のレアアースに頼り過ぎ、米メディアが警告 Record China 2017年12月17日閲覧。
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  34. ^ “5 Military Technologies Reliant on Rare Earth Elements”. Listosaur. (2015年3月15日). https://listosaur.com/science-a-technology/5-military-technologies-reliant-on-rare-earth-elements/ 2018年3月27日閲覧。 
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  38. ^ 誰も知らないレアアースの現実』日経エコ・ジャパン 2010年11月15日 2010年12月9日閲覧。
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  40. ^ ピーク時は危機時の20分の1
  41. ^ 2013年秋に双日がオーストラリアから出荷開始、豊田通商がインドで2014年度中に生産予定。住友商事のカザフスタンから輸入する計画は未出荷。
  42. ^ “南鳥島近海にレアアース-東大・三井海洋開発、国産化にらみ技術開発”. 日刊工業新聞. (2012年7月2日). http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120702eaad.html?news-t0702 2012年9月4日閲覧。 
  43. ^ 東大、レアアース含む泥を発見 インド洋東部で - 日本経済新聞 2013/5/20 23:04版
  44. ^ 希土類(レアアース)産業が直面した問題とその対応 - 経済産業省 総合資源エネルギー調査会
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  48. ^ Brickley, Peg (2017年6月23日). “Mountain Pass Mine Approved for Sale to JHL, QVT, Shenghe”. Wall Street Journal. https://www.wsj.com/articles/mountain-pass-mine-approved-for-sale-to-jhl-qvt-shenghe-1498255593/ 
  49. ^ 米国はレアアース、中国は原油…貿易戦争の直前に除いた理由は?”. 中央日報 (2018年9月20日). 2018年9月23日閲覧。
  50. ^ コラム:中国は「レアアース銃」の引き金を引くか”. ロイター (2019年5月25日). 2019年5月26日閲覧。
  51. ^ Pentagon sees China as 'growing risk' to U.S. defense industry”. ロイター (2018年10月5日). 2019年4月21日閲覧。
  52. ^ 中国、レアアースの対米輸出制限を示唆 貿易戦争に新たな一撃”. AFPBB (2019年5月29日). 2019年5月31日閲覧。
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  59. ^ レアアース「脱中国」へ大統領令 輸入制限も視野―米”. 時事通信 (2020年10月1日). 2020年10月13日閲覧。
  60. ^ 中国の野望、グリーンランド・レアアース権益の行方”. WSJ (2021年4月8日). 2021年4月19日閲覧。





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