イットリウム・アルミニウム・ガーネットとは? わかりやすく解説

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イットリウム・アルミニウム・ガーネット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 06:56 UTC 版)

イットリウム・アルミニウム・ガーネット

イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet)、略称 YAG(ヤグ)とは、イットリウムアルミニウム複合酸化物(Y3Al5O12)から成るガーネット構造の結晶である[1]モース硬度は8-8.5である[2]

自然界には存在しない組成の人工物であるため、合成石とは言わず人造石と呼ぶ[3]

地域別生産は、北アメリカや欧州、中国などで盛んである[4]。様々な色のYAGが製造されており、パライバブルーやコバルトブルーなど青系の色が多いと思われる。1960年代末に登場したが、 1976年キュービックジルコニアが市場へ登場すると、ダイヤモンド類似石としての人造ガーネットの需要は減少していった[3]。現在では白色発光ダイオード蛍光体人造宝石としても用いられる。

熱伝道率や熱衝撃係数が高く、誘導放出断面積も大きく、他の母材と比べ熱特性や光学特性に優れている[5]ため、主に固体レーザYAGレーザー)の発振用媒質として、結晶製造時に他の元素ドープ(添加)して結晶構造内のイットリウムのうち数%を置き換えたものが用いられる。工業用レーザなどに最も多く用いられているのは微量のネオジム(元素記号Nd)発光原子をドープした Nd:YAG である[6]

脚注

  1. ^ 酸化物結晶-YAG|有限会社クリスタルベース”. crystalbase.co.jp. 2024年5月19日閲覧。
  2. ^ s.r.o, Minion Interactive. “YAG (undoped) | Crytur.cz” (英語). www.crytur.com. 2024年5月19日閲覧。
  3. ^ a b Seesawブログ”. Ann.(書斎派ルース愛好家). 2024年5月19日閲覧。
  4. ^ Global Yttrium Aluminum Garnet (YAG) Market Insights, Forecast to 2028”. Data Resorces,Inc(株式会社データリソース). 2024年5月19日閲覧。
  5. ^ YAGの構造 | オプティペディア - Produced by 光響” (2013年9月4日). 2024年5月19日閲覧。
  6. ^ YAGレーザとは (仕組みとその特徴・用途をくわしく解説) - ケイエルブイ”. www.klv.co.jp. 2024年5月19日閲覧。

関連項目




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