クロスボーン・ガンダム クロスボーン・ガンダムの概要

クロスボーン・ガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 06:24 UTC 版)

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設定概要

劇場用アニメ機動戦士ガンダムF91』の主役機「ガンダムF91」と同じくサナリィ製F9シリーズの試作機で、 クロスボーン・バンガードへの協力を決定したサナリィが、地球外の惑星宙域への本格的な進出を前提として開発した機体である[1]。主として木星圏での運用を念頭に置いた開発がなされており、高い推進力・耐放射線性や近接戦闘に耐えうる頑強な機体構造を兼ね備えている。事実上地球圏で開発された初の外惑星対応型MSである。

なおクロスボーン・ガンダムは実戦データ収集を目的とするサナリィから補給を条件に海賊軍に配備されたものである。そのため機体・装備共に様々な実験を兼ねており、機体ごとの相違が見受けられディテールが安定しない。ザンバスターやABCマントをはじめとする大半の武装は試作品であり、標準武装はバルカン砲、ビームサーベル、ヒートダガー等である。また頭部の髑髏レリーフなど中世の海賊を思わせる意匠や装飾は海賊軍によって施されたものである[1]

いずれの機体も物語の進行によって大小の改修が施されていき、続編作品にも登場するX1は特にバリエーションが多い。『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では、本来のX3に相当する4機目のクロスボーン・ガンダム「X-0」が登場する。更にシリーズの長期連載に伴い新たな機体が登場し、製造元もサナリィから木星側へと移行している。

当記事では、これらバリエーションも含め簡易生産型である「フリント」の解説も行う。

クロスボーン・ガンダムX1

諸元
クロスボーン・ガンダムX1
CROSSBONE GUNDAM X-1
型式番号 XM-X1
(サナリィでの型式番号はF97)
所属 宇宙海賊クロスボーン・バンガード
宇宙海賊クロスボーン・バンガード残党
建造 海軍戦略研究所(SNRI)
生産形態 試作機
頭頂高 15.9m
本体重量 9.5t
全備重量 24.8t
装甲材質 ガンダリウム合金ハイセラミック複合材
出力 5,280kW
推力 25,000kg×4
(最大30,000kg×4)
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル(ビーム・ガン)×2
ヒート・ダガー×2
シザー・アンカー×2
ザンバスター(ビーム・ザンバー/バスターガン/グレネードランチャー)×1
ブランドマーカー(ビーム・シールド)×2
搭乗者 キンケドゥ・ナウ(X1、X1改)
トビア・アロナクス(X1、X1改・改、X1パッチワーク、X1フルクロス)
ウモン・サモン(X1)
ベルナデット・ブリエット(X1パッチワーク、一時的)

クロスボーン・ガンダム1番機。型式番号は製造元を隠蔽するために「XM-X1」となっている。サナリィにおける形式番号は「F97」。

主人公側の勢力である宇宙海賊「クロスボーン・バンガード」の所属機で、機体色は白と濃紺。メインパイロットは『F91』の主人公でもある「キンケドゥ・ナウ(シーブック・アノー)」。

運用側のクロスボーン・バンガードでは、統率者ベラ・ロナの「敵パイロットを極力殺傷しない」と云うポリシーや、U.C.0133時の対MS戦におけるビームシールドの普及から遠距離攻撃では効果が低いとの考えのもと、接近戦を重視した設計・調整が行われ、武装も接近戦に比重を置いたものとなっている。 機動特性、武装の特殊性などから、乗り手を選ぶ機体となっており、(他のモビルスーツと同様に)真価を発揮するのはパイロットの技量次第である[1]

機体構造

頭部
放熱の為の頭部マスクの展開機構が組み込まれている。同系列の機体であるガンダムF91と同様に本機でもフェイスカバーを解放した強制排熱が行われるが、最大出力稼動時のみだったF91とは違い、本機の場合は通常稼働時でも行われる。
これは接近戦重視の運用を考慮し機体装甲が厚く、近接戦闘時のウィークポイントとなるダクト類を最低限に抑えたことにより機体温度が上昇しやすい事から、強制排熱が必要となる場合がある為である[1]
本機のフェイスオープンはマスクのスリット部分から下顎が大きく開き[注 1]、エアダクトが露出する構造(他の同型機も同様)となっており、機体制御の補助のため搭載されたバイオコンピューターのためにも必須の機能となっている[1]
推進器
開発において、高重力下の木星圏に対応するには大出力推進器の装備が必要不可欠となったが、機体各部に姿勢制御用のバーニアを配置する従来型の設計では、機体の大型化は避けられず、更に大型のバーニアが必要になるという機体→バーニア→機体→…という悪循環が生じてしまうことが判明した。この問題の解決策として、機体背部に大型の可動式スラスターを配置し、これを利用して必要に応じて推進ベクトルを変更することで姿勢制御を行うとする設計を立案・採用された[1]。この可動式スラスターは、鹵獲・回収されたビギナシリーズのフィン・ノズルや、ベルガシリーズのシェルフ・ノズルの技術をサナリィが取り入れ、それを独自に発展させたものである。これらにより、機体サイズ・重量に影響なく高機動化を実現した。その結果、木星の高重力に対応している事から容易に1G以上の重力の影響を振り切ることができ、地球大気圏内ではスラスターの推力のみでの単体飛行を可能としている。
コアファイター
本機では、コックピット部分が分離して脱出ポッド兼用の軽戦闘機「コア・ファイター」となるコア・ブロック・システムを導入している。ドッキング方式は、クラスターガンダム (F90IIIY) と同様のホリゾンタル・イン・ザ・ボディ方式を採用。
前述の大型可動式スラスターは、コア・ファイターのメインスラスターであり、ドッキングする事でクロスボーン・ガンダムのメインスラスターとして機能する。この、木星圏でのMS運用を考慮したスラスターを装備する本機コア・ファイターの推進力は、単なる軽戦闘機のものとしては破格なまでに強大であるが、このスラスターの持つ特性(AMBAC作動肢としての利用が可能)と相まって、宇宙戦闘機としては、速度・運動性共に非常に高い性能を持つ。対して、地球大気圏内においては、強大な推力に任せての飛行こそ可能であるが、航空力学を考慮していないその形状から、速度はともかく、運動性は全く期待できない。
また、コア・ファイター機体下面にシザースアームが装備されており、単純な貨物運搬も可能である[注 2]
コックピット
コックピットはコア・ブロックのスペースの制約から一般的な全天周囲モニターやリニアシートは採用せず、固定式のシートに衝撃によって形状を変化しエアバッグとして機能するシートベルト「エアベルト」を搭載し、キャノピーに投影する擬似的な周囲モニターを採用している。また操縦桿は円筒型にグリップとスロットルが一体となった「コントロール・シリンダー」が採用されている。これらは後のU.C.0150年代に通じるコクピットデザインであり、特にVガンダムのコクピットに類似している。
装飾
本機デザインの特徴の一つである、頭部の髑髏レリーフ等は、クロスボーン・バンガード側によって施されたものである[注 3]

武装・装備

ザンバスター
いわゆるビーム・ライフル
また、先込め単発式のグレネードランチャーとしての機能も持ち、核弾頭を含む各種弾頭の射出が可能。
更に、ビームピストル「バスターガン」、粒子加速式ビーム・サーベル「ビーム・ザンバー」の2種類の武器に分離するマルチプルウェポンでもある。
分離時は腰部両側面のウェポンマウント右側にバスターガン、左側にビーム・ザンバーを携行。(後述)
ザンバスターおよびバスターガン共に射撃用兵装としては標準的な性能であり、海賊軍の接近戦重視の戦闘思想から、主機能はビーム・ザンバーにある。
名称は『無敵超人ザンボット3』に登場する主役メカ・ザンボット3の武装「ザンボットバスター」に由来する[2]
バスターガン
ザンバスターの照準器銃身・フォアグリップを構成するビーム・ピストル。形状は海賊のイメージにふさわしく古式拳銃に似るが、トリガーガード様のパーツはない。
分離形態であるだけに、威力はザンバスターより劣る。
ビーム・ザンバー
ザンバスターのグリップおよび銃床を構成する粒子加速式ビーム・サーベル。「ザンバー」の名前の由来は「斬馬刀」から。バスターガンと同じく、その形状は海賊を連想させるカットラスに似る。
高出力のビームの粒子を縦方向に加速してさらに威力を高めている。その切れ味は抜群に鋭く、通常のMSが装備するビーム・シールドやビーム・サーベルごと、敵機を斬り裂くことのできる威力を持つ。
原作ではビーム刃の形状が両刃になっているが、他作品ではよりカットラスに近い片刃になっている。
グレネード弾
MSが扱う通常のグレネード弾である。ザンバスターの銃口にはめ込み、その後に発射する。
核弾頭グレネード弾
本装備品ではなく奪取した核弾頭を小型化した上で、ザンバスターで射出できるよう規格化したもの。木星帝国との決戦時に使用され、構造上の弱点に撃ち込む事で木星帝国の巨大母艦ジュピトリス9を破壊した。
ビーム・サーベル(ビーム・バルカン、ビーム・ガン)
コアファイターの機首部ビームガンを、そのままビーム・サーベルとして転用している。
左右肩部(コクピット上部両側面)に各1基ずつ、合計2基が装備されている。
本機の手に持たせることでビーム・サーベルとして機能するが、装備状態のままビーム・ガンとしての使用も可能である。劇中ではビームとビーム・バルカンの撃ち分けをしている。
ブランド・マーカー(ビーム・シールド)
X字状に配置された4本のスリットから発振されるビームで、四角錐状のビーム刃を形成するビーム発振器。
両腕前腕上部上面に各1基ずつ、合計2基が装備されている。
通常、ビーム発振部を拳の前に回し、メリケンサックのように敵をそのまま殴りつける攻撃方法が採られるが、発振部を定位置に固定したまま、裏拳のような攻撃を行うこともできる。
また、ビームの展開方法を変更することで、ビーム・シールドとしても使用できる。シールドは組み合わせたビーム刃の先端から展開するため、ビーム発振部を露出させることなくシールドを展開させられる。
本装備基部は、F91同様に稼働状態を保ったまま機体から分離させることも可能。作中、キンケドゥはこれを利用し、ハリソン専用F91から放たれたヴェスバーのビームを、分離させた2基のビーム・シールドとビーム・ザンバーを組み合わせることで、ほぼ相殺した(だが、メインカメラは少なからぬダメージを受けた)。
シザー・アンカー
左右腰部前面装甲がそれぞれ変形し、敵を捕獲・拘束するシザース(ハサミ)となる。
また、基部にはチェーンおよびウィンチが装備されており、シザースを射出することで離れた場所の敵に対しても使用可能。
そのほかにも作中では、投げた武器を掴む、足場に打ち込み機体を固定する、など様々な使い方をされている。
ヒート・ダガー
脚部スラスターで発生した余熱により刀身を赤熱化させ対象を溶断する、小型の実体
左右脚部の内部に各1本ずつ、合計2本が装備されている。
通常使用時は人間で言うところのふくらはぎの部分から柄を持って取り出すが、緊急時や奇襲攻撃の際には足の裏、土踏まずの部分から高速で射出する事もできる。
また、刃の部分だけ足の裏から出した状態で、敵を蹴りつけるようにして攻撃することも可能。
形状的にはハンドガード付きのサバイバルナイフもしくはバヨネットに似る。
バルカン砲
両側頭部に各1門ずつ、合計2門が装備されている。肩部のビームバルカンとの同時発射も可能。
口径は不明。
腰部ハードポイント
腰部両側面に配置され、ザンバスターの非使用時にはバスターガンを右腰に、ビーム・ザンバーを左腰にマウントする。クロスボーン・ガンダム本体から直接エネルギーを供給することも可能である。F90の様なハードポイントとは違い、ハードポイントと接続パーツとの接続部分ではない部分が回転軸なために、接続パーツの部分に実質負担がかからない設計になっている。VガンダムV2ガンダムの腰部ハードポイントと類似した形状である。
A.B.C.マント (Anti Beam Coating Mantle)
対ビーム兵器用追加装甲。
巨大な布状をしており、いわゆるマントとして装備する事で、本機のほぼ全身を覆うことができる。耐ビームコートが施されており、ビームが当たると表面が蒸発する事で被弾を防ぐ。
同一箇所へのビーム耐弾性能は平均で5発とされている[3][注 4]また、隠密性の向上とシールドエネルギーを消費しないので機体の稼働時間を伸ばす事が出来る利点がある。本装備装着時にはX字の背部メインスラスターはマントの内側に折り畳まれて収納されているため、外から見ると象徴的なX字のシルエットは消えている。なお、一部の作品ではX字の背部メインスラスターがマントの外に露出している。
本装備は必ずしもクロスボーン・ガンダムの専用装備という訳ではなく、クロスボーン・バンガードのゾンド・ゲーにも使用されていた。ただしゾンド・ゲーの場合は背部メインスラスターとの干渉により全身に装備することができず、腰部から脚部へかけてスカート状に装備し、部分的な増加装甲としての使用に留まっている。
作者によると、ケレン味の付与とMSの前面を隠して作画を省くために考案したとのこと。
大型追加ブースター
航続距離を伸ばす目的で装備される追加ブースターで、MSの全長と同等の大きさがある。X字スラスターに連結して使用される。
ビリー
オウム型の小型偵察メカ。
サイコミュ式小型偵察機であり、クロスボーン・バンガードのエビル・Sの偵察ポッドから着想し開発された。ビリーは本機の肩につかまる様に装備される。サイコミュでコントロールされる為ファンネルの様に機敏かつ長距離で運用出来るのが最大の利点だが、サイコミュコントロール自体に難点があり操作にはパイロットに極度の集中を生じるため負担も大きく一機動かすのがやっとである。これはファンネルやビットと言ったニュータイプ兵器が廃れていく時代背景もありサナリィもサイコミュに対するノウハウなく作られた実験兵器である為である。その為か数回運用したぐらいで倉庫で眠ってる。劇中では未登場。
ビリーはMETAL BUILDシリーズにて監修した作者の長谷川裕一により追加した新装備であり、後に『DUST』に逆輸入され登場する。倉庫で眠っていたビリーの偵察ユニットを爆弾に換装し、X13に装備されサイコミュ式ミサイルとして運用された。
その他
『鋼鉄の7人』にてバイオコンピューターが搭載されていることが明かされている。劇中はオリジナルのF91の様に作用している場面が無い為、量産型F91と同様にパイロットの補助をするシステムとして作用していると思われる。
劇中の活躍
木星における実戦テストのため、X2と共に秘密裏に宇宙海賊クロスボーン・バンガードに供与され、主にキンケドゥ・ナウが使用した。
死の旋風隊との戦闘で中破した後修理を兼ねて改修され、木星帝国側に寝返ったザビーネ・シャルのX2と交戦。本機は頭部を破壊された上にコックピットブロックを貫かれ、大気圏へと落下。しかしキンケドゥは機体が破損している上、自身も瀕死の重傷を負っているにもかかわらずブランド・マーカー(ビーム・シールド)を用いて奇跡的とも言える大気圏突入を成功させる。
史上初めてビームシールドによる大気圏の突入を果たしたMSとなった同機は再度修復され、重傷から復帰したキンケドゥと共に地球圏での木星帝国との最終決戦で活躍する。戦後はトビアとベルナデットに渡され、コロニー間に争いが起きたり、合法的手段で解決できない問題が発生した際に姿を見せて戦う。その際に、胸にドクロのレリーフをつけたため、その姿から「スカルハート」という通称で呼ばれ、コロニー市民や地球連邦軍に知られることとなる。
その後、『鋼鉄の7人』で新生木星帝国との戦いに投入される。海賊軍事実上唯一の稼働戦力として活躍。「神の雷計画」阻止のため、海賊軍に呼応した木星帝国残党や連邦軍人を加えた混合戦力の中核となった。幾多の犠牲を払ってシンヴァツ破壊に成功するが、爆発の余波を受け溶解、そのまま遺棄された。

クロスボーン・ガンダムX1改

諸元
クロスボーン・ガンダムX1改
CROSSBONE GUNDAM X-1 Kai
型式番号 XM-X1 Kai
(サナリィでの型式番号はF97)
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル(ビーム・ガン)×2
ヒート・ダガー×2
スクリュー・ウェッブ×2
ザンバスター(ビーム・ザンバー/バスターガン/グレネードランチャー)×1
ブランドマーカー(ビーム・シールド)×2

シザー・アンカー2基の代わりにスクリュー・ウェッブを2本装備するX1の改修機体である。

便宜上「改」と名づけているが、X1自体の変更は腰部スカートのみで、実質的には武装を変更しただけの機体である。なお、これ以降のX1のバリエーションもX1本体の性能向上は行われておらず(少なくとも劇中ではそのような描写はない)装備の追加、変更による強化にとどまっている。

後腰部の左右のアーマーにスクリュー・ウェッブのグリップが格納されの部分を引き出して使用する。鞭の収納にはシザーアンカーの鎖を収納していたスペースを用いているためにシザーアンカーは使用できなくなっている。[注 5]

スクリュー・ウェッブ
ドリル状の先端を高速回転させる事で貫通能力を高めた鞭。腰部後面装甲内部にそれぞれ1基ずつ計2基装備している。死の旋風隊所属のMS、クァバーゼの武器、スネークハンドに対抗するため、マザー・バンガードの技師長によって考案・作成された。「接近戦における武器のリーチが足りないなら、よりリーチが長い武器を装備すれば良い」という単純かつ明確な発想によるものである。性能はスネークハンドには遠く及ばないものの、リーチの面から同装備に対する牽制では充分役立つ武装であり、最終的には前述の技師長の言の通り僅かなリーチの差が功を奏し、クァバーゼの撃破に至っている。また、耐ビーム・コーティングが成されているのかスネークハンド先端に発生していたビーム・ソーに触れても切断されなかった。

クロスボーン・ガンダムX1改・改(スカルハート)

諸元
クロスボーン・ガンダムX1改・改(スカルハート)
CROSSBONE GUNDAM X-1 kai kai (Skull Heart)
型式番号 XM-X1 Kai Kai
(サナリィでの型式番号はF97)
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル(ビーム・ガン)×2
ヒート・ダガー×2
シザー・アンカー×1(前腰部右側)
スクリュー・ウェッブ×1(後腰部左側)
ザンバスター(ビーム・ザンバー/バスターガン/グレネードランチャー)×1
ブランドマーカー(ビーム・シールド)×2
ピーコック・スマッシャー

スカルハート』に登場。木星戦役後、キンケドゥからトビアへ譲り渡されたX1改に、更に改修を施した機体。

“スカルハート”というのは胸にドクロのレリーフをつけたガンダムを見た民間人が誰ともなしに呼んだ通称。合法的手段では解決できない問題がコロニー間に発生した際、どこからともなく現れ戦う。普段は上半身に外装をかぶせて、ブラックロー運送所属の作業用MSに偽装されている。

胸部のクロスボーン・バンガードの紋章は消され、X3と同様のドクロのレリーフが付けられた。しかし、ガトリング砲は装備されていない。さらに前腰部右アーマーにシザー・アンカーを、後腰部左側にスクリュー・ウェッブを装備した。

初出は長谷川裕一の個人サークル「スタジオ秘密基地」が2000年12月に発行した同人誌『長谷川裕一ひとりスーパーロボット大戦 大外伝1』。なお、こちらではスクリュー・ウェッブが後腰部右側に、シザー・アンカーが前腰部左アーマーに装備されている。

ピーコック・スマッシャー
ボウガンのような形状の手持ちのビーム銃。通常型のビーム・ライフルに8機のビーム砲を装備した弓状部分を組み合わせてあり、9方向にビームを一斉発射することで広範囲の敵を攻撃する。
これはサナリィの純正装備ではなく、クロスボーン・バンガードがあり合わせのパーツで作り上げた急造品である。弓部分のビーム砲は何発か撃つと完全にエネルギー切れになり、パーツごと交換する必要がある。なお、ピーコックとは「孔雀」の意。

クロスボーン・ガンダムX1パッチワーク

諸元
クロスボーン・ガンダムX1パッチワーク
CROSSBONE GUNDAM X-1 Patchwork
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル(ビーム・ガン)×2
ヒート・ダガー×2
シザー・アンカー×1
スクリュー・ウェッブ×1
ザンバスター(ビーム・ザンバー/バスターガン/グレネードランチャー)×1
腕部Iフィールド×2
胸部ガトリングガン
アンカーシールド

鋼鉄の7人』に登場。月面での対コルニグス戦で中破したスカルハートをX3の予備パーツで修理・改修した機体。右肩、頭部とカラーリングを除けばほぼX3といっても過言ではない。なお機体名のパッチワークは、X1とX3のパーツ構成がさながら「つぎはぎ状態」になっていることに由来。

また、新たな武装として地球連邦軍のMSが装備しているアンカーシールドをハリソンから拝借する形で貰い、パッチワークの左腕に装備している。

破壊された両腕部と胸部をX3の物に交換しており、ビーム・シールドおよびブランドマーカーは使用できなくなった代わりにIフィールドが使用可能になり、胸部のドクロの目の部分に仕込まれたガトリング砲も使えるため戦力的には向上している。前腰部右アーマーにシザー・アンカーを1基、後腰部左側にスクリュー・ウェッブを1基装備したままである。

アンカーシールド
連邦軍のMSが使用する装備。釣り針の様なフックがワイヤーに繋がり伸縮自在に伸ばすことが出来る。また、の役割も出来るために実体弾を弾くことも可能だが、面積は小さい。腕部Iフィールド発生器のカバーの上に装着されるが、カバーの開閉を妨げることは無くIフィールドは問題なく使用できる。元々はスペースデブリの回収用にMSへ装着されることを目的にしているため、本来は作業用の装備であって戦闘用ではない。盾の部分もふいにデブリが衝突した際の防御に使用することを想定している。

クロスボーン・ガンダムX1フルクロス

諸元
クロスボーン・ガンダムX1フルクロス
CROSSBONE GUNDAM X-1 Full Cloth
型式番号 XM-X1
(サナリィでの型式番号はF97)
建造 海軍戦略研究所 (SNRI)
頭頂高 15.9m
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル(ビーム・ガン)×2
ヒート・ダガー×2
シザー・アンカー×1
スクリュー・ウェッブ×1
ブランドマーカー(ビーム・シールド)×2
ムラマサ・ブラスター
ピーコック・スマッシャー
ヒート・カッター
Iフィールド発生器×4
特殊装備 フルクロス

『鋼鉄の7人』に登場。「フルクロス」 (Full Cloth) と呼ばれる対ビーム防御用ユニットを装着した形態で、本編におけるX1の最終仕様。

グレートキャニオンでの戦闘で破損した腕部をフリントのパーツを利用して修復する際、フルクロスが装着されるとともにカラーリングはX1本来のものに戻された。胸部のガトリング砲を除けば、本体の機体仕様はパッチワーク以前に戻されている。またこの修理の際に残存する予備パーツを全て使用したため、事実上「最後のクロスボーン・ガンダム」となった。両腕はフリントのものが利用され、ブランドマーカー兼ビームシールドに戻された。予備部品として残されていたX3用の腕部Iフィールドジェネレーター4基が改修され、フルクロスのスカルヘッドとして両肩の1つの部品へ使用されている。

X1は幾度もの戦いを経ているため、『鋼鉄の7人』作戦が実行された時点では新造されたフルクロス以外、傷だらけである。

手持ちの武器としてはスカルハートが使用したピーコック・スマッシャーと、X3が使用したムラマサ・ブラスターを装備する。

ムラマサ・ブラスター
X3が使用するものと同一の武装。詳しくはX3の節を参照。
フルクロス
スラスター内蔵の基本フレームと、ABCマントを積層化した特殊装甲、Iフィールドジェネレータ内蔵のショルダーアーマー・スカルヘッドユニットからなる追加装甲。少数で敵大群に切りこむという作戦コンセプトに合わせ、機動力を殺さずに耐久力を上げることを目的として設計された。
基本フレームに組み込まれたスラスターはそれ自体が爆発的な推力を生み出す高性能なもので、クロスボーン・ガンダム自体の推力も合わさり、重装備であるフルクロスを装備していても、他のMSとは比べものにならないスピードを得ている。作中でも、守りをフルクロス任せにしていたとは言え当時のMSの中でもトップクラスの機動力を持つディキトゥス相手に互角の戦いを演じている。
A.B.C.マントはその特殊性とコストを理由にサナリィからの供給が絶たれていたため残存した切れ端等を掻き集めたものが利用されているが、積層化したことと機能を分散させた構造によって耐弾性は向上した。
本ユニットは胴体と肩部に取り付ける形で装着され、腕部の武器の使用や背面のメインスラスターに支障が出ないよう可動軸や装着方法が配されている。ただし、胴体全面をほぼ覆った状態でも問題なく格闘戦が可能だったA.B.C.マントほどの柔軟性はなく、クロス前面のスリットから腕を出して射撃武器を使用することはできるが、本格的な格闘戦を行う際は腕部と干渉する部分を部分的にパージする仕様となっている。初期のプランでは、装甲内部に収納式のヒート・カッターを装備する予定だった。
『ゴースト』にて木星戦役時には既にフルクロスの原型が完成されており、クロスボーン・ガンダム3番機(X-0)共にマザー・バンガードに配備されるはずだったことが判明している。故にフルクロスは原型のデーターを基に制作されたことになる。
スカルヘッド・ユニット
両肩部のアーマーを改造し、X3用の部品を流用したIフィールドジェネレーターを左右合計で4基内蔵したビーム防御装置。片側2基のジェネレーターと、歯のような形状の上腕部のプロテクターによって、頭蓋骨のような外観をしている。左右4基のIフィールドジェネレーターを交互に利用することで、エネルギーが続く限りという制約と防御範囲が狭くなるといった問題はあるものの、使い方次第でIフィールドを常時張り続けられる。シンヴァツからの脱出時における光のカリストとの戦闘中には、トビアがとっさの思いつきでナックルガードとしても使用している。このスカルヘッドをナックルガードに転用した打撃は、X1フルクロスが各種ゲーム作品に登場する際に攻撃方法として採用されているが、原作中ではIフィールドを利用して敵のビームアックスを相殺しつつ、ヘッドの下のブランド・マーカーを打ち込むための隠れ蓑として活用したもので、攻撃の際にスカルヘッドは消し飛んでおり、本来想定された使用方法ではない。
玩具展開
GUNDAM FIX FIGURATION(G.F.F.)とプラモデルマスターグレード(MG)・ハイグレード[注 6]ROBOT魂が発売されている。
G.F.F.ではX3のコンバージョンとしてX1改・改とフル・クロスへの換装が可能なパーツが、MGでは漫画版をイメージした頭部が、ROBOT魂にはIフィールド発動をイメージしたエフェクトパーツがそれぞれ付属している。武装については、ROBOT魂はピーコック・スマッシャーやムラマサ・ブラスターが付属し、他2種はそれ以外にビーム・シールド用クリアパーツが付属している。
ROBOT魂やガンプラではフルクロスのほかにも、X1・X2改・X3が発売されている。

クロスボーン・ガンダムX1フルアーマー

長谷川裕一が独自に設定した非公式のX1フルアーマーバージョン。

X1改・改に、メカニックに転向したウモン・サモンを中心としたスタッフが、サナリィの純正品ではない独自に製造したパーツを装着させ、フルアーマー化したバージョン。通称『F装備』。左右の肩にジェネレーター付きアーマーを装備し、右手にジェネレーターと直結したサーベル兼ビーム砲のムラマサ・ハイバスターを持ち、左肩には肩から左腕全体をカバーするシールドと一体化した、大型のパイルバンカーを装着、膝にも同様の近接武器を装備、さらに頭部と胸に増設バルカン砲を装備し、フロントアーマーにはIフィールド発生装置を、そして後部アーマーにプロペラントタンクを装着している。本来は、装着したパーツを使い切ったものから次々と切り離し、本体を破損・消耗させないまま敵陣に突入させるというプランに基き製作されている。このバージョンは、同人誌『長谷川裕一ひとりスーパーロボット大戦 大外伝3』に登場する。本作中では、戦闘により本体装甲が損傷し、胸部のエネルギーチューブが断線し、それをアーマー部の回路をバイパスに使うことで補うという使い方をしているため、胸部アーマーが被弾し損傷すると機体が停止してしまうので、攻撃をすべて避けなければならず、武装は強化されたが、『追加装甲により、本体を破損・消耗させない』という本来の用途とは逆になってしまっている。

また、月刊ホビージャパン別冊『GUNDAM WEAPONS』にてマスターグレード クロスボーン・ガンダムX1 Ver.Kaを改修して造られた物が掲載されているが、前述の出自の事情により出典は明記されていない。


注釈

  1. ^ 作中、キンケドゥはこれを利用し、X2改のヒートダガーを文字通り食い止めたことで、宿敵ザビーネに対し勝利を収めている。出典『機動戦士クロスボーン・ガンダム』6巻(2011年版)139頁。
  2. ^ 作中ではキンケドゥのX1に対し、ベラがこれを用いてブランド・マーカーとビームサーベルを補給する場面がある。出典『機動戦士クロスボーン・ガンダム』5巻(2011年版)60-65頁。
  3. ^ 宇宙海賊らしく見せる為のハッタリであり、技術的な意味合いはない。この点に関しては、ウモンのアイディアだと語られている。出典『機動戦士クロスボーン・ガンダム -スカルハート-』40頁。
  4. ^ しかし、あまりにも強力なビームの場合はその限りではなく、本装備ではF91のヴェスバーのビームを完全に防ぐことはできなかった(作中において、ハリソン専用F91の放ったヴェスバーの直撃を背部に受けたX1は、機体自体に目立った損傷はなかったものの、その際に装備していた本装備は崩壊している)。
  5. ^ 機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」等の一部ゲームでは、X1改が本来装備していないはずのシザー・アンカーを使用している描写がある。
  6. ^ 厳密には「クロスボーン・ガンダムX1フルクロス TYPE.GBFT」の商品名で『ガンダムビルドファイターズトライ』登場機体のキットという扱いになっている。
  7. ^ 劇場版『機動戦士ガンダムF91』劇中におけるザビーネの台詞では「黒の戦隊」。
  8. ^ 『クロスボーン・ガンダム』本編初登場時は「クロスボーン・ガンダム簡易生産型」と作中で表記されていた。「鋼鉄の七人」の機体解説では、性能は地球圏での使用に於いてはクロスボーン・ガンダムと遜色は無いと記されている。

出典

  1. ^ a b c d e f プラモデル「HGUC 1/144 クロスボーン・ガンダムX1」取扱説明書より
  2. ^ 角川書店『月刊ガンダムエース 2018年5月号』445頁。
  3. ^ 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』1巻101-102頁。
  4. ^ 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』1巻 183頁。
  5. ^ 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』2巻 59頁。
  6. ^ 『月刊ガンダムエース』2017年6月号33ページ
  7. ^ 週刊MSバイブル38 2019, p. 26.
  8. ^ 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』1巻(2011年版)185頁。






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