アメリカ合衆国の経済 産業

アメリカ合衆国の経済

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/29 15:32 UTC 版)

産業

農業

アメリカは世界最大の食糧生産国であり広大な土地資源を元に近代的に機械化された大規模農場によって農業は営まれていることが多い。アメリカの穀物輸出量は世界の三割にのぼり世界のパンかごと呼ばれている。

主な作物の生産を見るとコムギの生産量は世界のおよそ9.4%にあたり世界三位、トウモロコシは41.4%で世界一。大豆の生産量は41.2%で世界一。綿花は20.8%で世界二位である。オレンジも18.2%で世界二位。牛肉は18.9%で世界一である。豚肉は9.3%で世界二位である(データは2004年度)。

五大湖の南西に広がる地域では開拓農民が家族規模の小規模な農業でとうもろこしや、小麦、牧草などを生産しつつ、牛や豚などの家畜を飼育した。このような混合農業地帯はコーンベルトと呼ばれている。育てられた農作物は貨物列車によって大都市に輸送された。農業規模が大きくなり、企業化が進むにつれ飼料作物を分離して生産する農場と肥育場との分離が進み、合理的な畜産が行われるようになった。しかし、1970年代にはテキサス州北部からネブラスカ州にかけてアメリカ最大の牛肉生産地域が形成された。このような地域ができた要因にはオガララ帯水層と呼ばれる世界最大の地下水資源があり、これを利用したセンターピボット灌漑装置による円形農場が作られ、飼料であるとうもろこしが生産されるようになった。しかし、近年では地下水のくみ上げによる地下水の低下や塩害などによる耕作不能地が増えてきており問題となっている。

製造業

軽工業

食品

投資会社Kohlberg Kravis RobertsがM&Aを通じて、事業規模を拡大させたナビスコ、世界中に原液を供給・販売しているペプシコザ コカ・コーラ カンパニーベルギーインベブに2008年買収され傘下に入ったアンハイザー・ブッシュバドワイザーのブランド)、ケチャップ生産・販売をコア事業として世界展開しているハインツといった多国籍企業が存在する。

またハンバーガーで有名なマクドナルドアイスクリーム大手バスキン・ロビンススターバックスコーヒーなどに代表されるチェーン店経営も有名である。

重化学工業

輸送用機器
自動車

フォード・モデルTの量産に成功したフォード・モーター、2008年まで約77年間、自動車販売台数世界一であったゼネラルモーターズ(GM)、米国3位のクライスラービッグスリーを形成していたが、1980年代にはトヨタ自動車日産自動車本田技研工業といった日本の自動車メーカーに性能の面で劣るようになっていき、貿易摩擦にまで発展していった。その後も、米国内で受け入れられる大型のピックアップトラックの生産により活路を見出していたが、貿易摩擦回避のために米国に生産拠点を設置した日本自動車メーカーと比べて人件費が高いこと、全米自動車労働組合に払う企業年金も巨額に上ること、小型化、燃費効率の改善といった消費者のマインドをつなげるような商品を供給できなかったことから、事業の構造改革は進まなかった。そして、世界金融危機 (2007年-)により売上高が急減、資金繰が逼迫することになり、2008年12月には不良資産買い取りプログラムTARP)7000億ドルの中から、GM、クライスラーはつなぎ融資を受けたものの、2009年4月30日にはクライスラーが、同年6月1日、GMが連邦倒産法第11章の適用を申請、それぞれ、新生クライスラー、新生GMとして歩みだした。

航空機

軍産複合体として、ボーイングが航空機産業の中心を担い、フランスのエアバスと航空機受注競争を世界レベルで行っている。

軍用機開発や宇宙船開発トップのロッキード・マーティンも有名。

宇宙輸送

SpaceX社、ブルーオリジン社などに代表される民間宇宙輸送が次々と設立され、新たな基幹産業となりつつある。

電気機械・電子機器 

アジアメーカーの技術力向上によって最終製品の販売額こそ減少しているが、ロジックICに代表されるような高付加価値商品では未だに絶対的な地位を占めている。

また、2007年に発売されたApple社のスマートフォン(iPhone)は世界的ヒット商品となり、今日のスマホブームを引き起こした。

化学工業

医療

サービス業 

情報・通信業

電話インターネットなど、近代に主な通信手段として使用されているテクノロジーの発祥地である。関連企業も多く存在しているが、いずれの企業も世界最大規模を誇り高い技術力を持つ。

特にGAFAやFAANG(GAFAにNetflix社を足したもの。)と呼ばれる企業団体は経済的不平等を拡大させるとして、諸外国だけでなく合衆国内部からも批判されている。

通信関連企業
インターネット関連企業

  1. ^ National Income and Product Accounts Gross Domestic Product: Second Quarter 2014 (Advance Estimate) Annual Revision: 1999 through First Quarter 2014”. Bureau of Economic Analysis. Bureau of Economic Analysis. 2014年7月31日閲覧。
  2. ^ a b Top Trading Partners - May 2014”. US Census Bureau. US Census Bureau. 2014年7月5日閲覧。





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