アメリカ合衆国の経済 歴史

アメリカ合衆国の経済

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/29 15:32 UTC 版)

歴史

第一次世界大戦まで

現代アメリカ経済の系譜は植民地として始まった。

グレートブリテン王国イギリス。以下英国と略)の植民地であったことから、対英貿易と農業が産業の軸であった。タバココメ染料などの輸出と引き換えに日用品奢侈品が輸入された。フレンチ・インディアン戦争以後、英国本国からの課税問題からアメリカ独立戦争が発生すると、植民地経済は動揺した。戦後、独立したアメリカ経済はしばらく混乱で成長が頭打ちとなったが、やがて目覚しい発展を開始した。

アフリカから輸入される奴隷を使役し南部で綿花生産が発展した。これは、当時英国で緩やかに進んでいた産業革命の影響である。イギリスが次第に自由貿易体制を構築する中で、南部は繁栄を謳歌したが、工業化をすすめる北部は競争にさらされていた。このように、南北で貿易体制に関する利害が対立した結果、南北戦争が発生、結果的に経済力に勝る北部が勝利し、アメリカは保護貿易化を進めることになった。

19世紀末に、鉄道建設ブーム(鉄道狂時代)などを経てアメリカ工業は大いに成長した。産業は次第に大企業による独占色を強め、アメリカの民間投資を促進した。

第一次世界大戦と永遠の繁栄

1914年に第一次世界大戦が勃発すると、戦場にならなかったアメリカの工業は軍需景気に沸いた。莫大な物資輸出により19世紀末の鉄道ブーム時代から累積していた対外債務を一掃、世界最大の債権国へと転化した。

第一次世界大戦終結後、世界経済の中心は疲弊したヨーロッパからアメリカへと移った。また、国際金融の中心地だったロンドンも、その役割をニューヨーク市と分かつことになった。また、帰還兵による住宅建設ブームや大量消費の開始、自動車ラジオなどの新技術による製品需要の高まりなどを背景にアメリカ経済は躍進することになる。同じく大戦景気により成長した日本経済は同時期に反動不況に見舞われており、再建途上の欧州共々、世界経済はアメリカへの依存を強めた。1920年代のアメリカは狂騒の20年代と呼ばれる熱狂の時代であった。モータリゼーションのスタートにより郊外の都市化が進み「世界一の生活水準」とも言われた。娯楽やマスメディアの発達により大衆社会が形成された。一方で、第一次世界大戦により戦争が近代化されたため、軍馬の数が激減し農作物の需給がバランスを崩した。穀物価格は低迷し、旱魃なども重なったことから農産業は著しい不振に陥った。この農作物貿易不振をはじめとする世界的な需要不足は次第にアメリカ経済へ悪影響を及ぼすようになった。

大恐慌・第二次世界大戦


  1. ^ National Income and Product Accounts Gross Domestic Product: Second Quarter 2014 (Advance Estimate) Annual Revision: 1999 through First Quarter 2014”. Bureau of Economic Analysis. Bureau of Economic Analysis. 2014年7月31日閲覧。
  2. ^ a b Top Trading Partners - May 2014”. US Census Bureau. US Census Bureau. 2014年7月5日閲覧。





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