ちしき‐こうがく【知識工学】
知識工学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/01 07:05 UTC 版)
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知識工学(ちしきこうがく)は、エドワード・ファイゲンバウムによって提唱された学問。
人間の知識をコンピュータシステムに埋め込むことでより高い機能や保守性を実現するのが目的。基盤科学として認知科学がある。
概要
人工知能の応用に関する研究分野。人間のもつ経験的な知識を積極的に利用することにより,医療診断などの現実的な問題を解決する能力をもつ情報処理システムの実現を目指す。人間の知能そのものを電子的につくろうとする狭義の人工知能には含まれない。
語源は1977年の第5回人工知能国際会議 IJCAIにおけるアメリカ合衆国、スタンフォード大学のエドワード・A.ファイゲンバウムの特別講演に由来する。
知識工学の具体的な応用がエキスパートシステムやデータマイニングである。初期の人工知能の研究がゲームやパズルをコンピュータに解かせることから発展してきたのに対し,応用分野は 1970年代の初めから始まった医療診断や化学分析への人工知能の適用の試みを反映したものである。
その後、1980年代にいたってエキスパートシステムの開発が本格化し、その実用性が認識されてくるにしたがい、工学を指向する研究分野としての地位を確立してきた。
研究課題としては、人間の経験的な知識をいかに形式化するかという知識表現、蓄積された知識を利用するための推論処理、また,人間からどのように知識を引き出すかという知識獲得などがあげられる。
さらに、インターネットの普及やデータベース技術の発達に伴い、知識経営(ナレッジマネジメント)の一環として期待されており、知識ベースから表層的ではない事柄を探りあてて、売れ行き予測などに活用するデータマイニングが広く利用されるようになった。
参考文献
知識工学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/13 06:53 UTC 版)
知識工学(knowledge engineering)の第一の目的は、知識ベースと問題解決技法の効率的な相互作用を達成することである。これは、問題固有の情報をヒューリスティックプログラムに符号化した手続きの開発によって可能となる。従って知識工学の第一の基本コンポーネントは巨大な知識ベースである。知識ベースには質量分析法に関する固有の知識、化学とグラフ理論に関する基本的な知識、特定の化学構造の解明に役立つ何らかの知識が格納される。Dendral は知識工学部分を通して知識ベースを使うことができ、入力データに適合する考えられる化学構造を特定するときと、解候補を削減できる新たな「汎用規則」を知識ベースに追加するときに使われる。以上により、最終的に少数の解候補が得られ、専門家でなくてもそこから正しい解を見つけることが可能となる。
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