一様空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/09 23:10 UTC 版)
一様空間(いちようくうかん、英: uniform space)とは、一様構造という構造を備えた集合である。一様構造は擬距離構造と位相構造の中間の強さを持ち、位相構造だけでは定義できないコーシー列、完備性、一様連続性、一様有界性、全有界性などが定義できる。
また擬距離空間のみならず位相群(とくに位相ベクトル空間)に関しても自然な一様構造が定まる事が知られている為、一様空間の概念は関数解析学において有益である。
位相空間との違いは、位相空間が収束性、すなわち点に「近づく」事を定義可能な概念であるのに対し、一様空間ではある点が別の点に「近い」事が定義できる。しかしこの「近さ」は擬距離構造のように実数値で全順序づけされておらず、近縁と呼ばれる部分集合に属するかどうかで判断する半順序的なものである。
定義と基本的な性質
一様空間は、集合Xと、一様構造と呼ばれるX×Xの部分集合の族
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一様空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 17:38 UTC 版)
位相空間の間の連続写像が位相的性質を保つように、一様空間の間の一様的性質を保つ写像は一様連続写像と呼ばれる。一様連続性は厳密には次のように定義される: 定義 f を一様空間X から一様空間Y への写像とする時、f が一様連続 であるとは以下の性質を満たすことをいう:Y の任意の近縁 V に対しX の適切な近縁U を取れば全ての x, y ∈X に対し、 ( x , y ) ∈ U ⇒ ( f ( x ) , f ( y ) ) ∈ V {\displaystyle (x,y)\in U\Rightarrow (f(x),f(y))\in V} 。 特に f が全単射で f, f−1 がいずれも一様連続であるとき、f は一様同型 であるという。 任意の一様連続写像は、一様性から誘導される位相に関して、必ず連続である。 一様空間と一様連続写像の全体は1つの圏を成す。一様空間の間の同型射は一様同型と呼ばれる。
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