eX-CELP
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/12/19 01:43 UTC 版)
SMV では CELP の一種である eX-CELP(eXtended CELP)と呼ばれる技術を用いる。 一般的な CELP は人間の音声を声道に相当する線形予測フィルターと声帯に相当する適応型と固定型のコードブックとでモデル化し、「合成による分析」(analysis-by-synthesis)の手法を用いてコードブックから誤差が最小になるものを探索する。 eX-CELP の基本的となる考え方は、通常の CELP が固定的なアルゴリズムを使い入力信号とできるだけ同じ波形になるように符号化しようとするのに対し、様々なアルゴリズムを組み合わせて知覚上重要な部分を強化した符号化を行うことである 。 具体的には、 CELP をベースとしながら、以下のような方法で聴感上の音質を落とすことなくビットレートの低減を行っている 。 オープンループとクローズドループの組み合わせ(closed-loop-open-loop-analysis、COLA) 合成による分析でのクローズドループだけでなく、完全な一致が必要ないパラメータはオープンループで符号化するなど、柔軟に切り替える 入力信号の細かい分類とアルゴリズムの切り替え(variant algorithm structures、VAS) 入力信号を細かくカテゴリー分けして処理を切り替え (定常的な有声音、非定常的な有声音、発声の開始、定常的な無声音、非定常的な無声音、背景雑音のみ、など) 信号の修正 EVRC で使われる RCELP アルゴリズムのように、入力信号を知覚上影響が無い範囲で効率的に符号化できるよう修正する 柔軟性のある固定コードブック CELP での固定コードブックを入力信号の分類に合わせた複数のサブコードブックに分け、それぞれの信号を適切に表現できるようにする マルチモード 定常的な有声音(ほぼ同じ波形の繰り返し)とそれ以外とで符号化処理の全体構成を変える(Type 1/0 の2種類の構成が存在) コーデックMOS (Clean)MOS (Noisy)説明EVRC3.5813.346EVRC revision 0 での値SMV (モード0)3.9003.569EVRC と同じ平均ビットレートSMV (モード1)3.6363.528SMV (モード2)3.4643.526 ここで "MOS (Clean)" は背景雑音が無い時の、"MOS (Noisy)" は背景雑音がある時の MOS 値である。同じ平均ビットレートでの総合的な音質は EVRC より高く、7 割程度の平均ビットレート(モード1)でも EVRC とさほど変わらない。
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