塩分検層
【英】: chlorine logging
放射能検層の一種で、目的は地層中にある塩素の存在と量を決定することと、地層水の塩分と地層の孔隙(げき)率が既知であるときに水飽和率を決定することである。 中性子(neutron)が地層を構成する原子と反応する場合、元素によって異なった反応を起こす。塩素は熱中性子捕獲の大きな反応断面積をもっており、またこれより放出されるガンマ線の高いエネルギーをもっている。一方、シンチレーション検出器は入射してくるガンマ線のエネルギー準位によってその反応の強弱が異なるので、波高弁別器によりエネルギーの高いガンマ線を弁別して測定することができる。塩分検層はこのような性質を利用して中性子検層とは異なる反応曲線を記録するが、普通の中性子検層で記録する地層の水素原子に関する曲線と塩素曲線を同時に測定する。塩分検層ではこの二つの曲線の比較によって塩分層を判定するのであるが、その原理は、測定する坑井において最も塩分含有度の少ない地層で水素曲線と塩素曲線が一致するようにキャリブレーション(calibration:感度調整)を行っておくと、真水層や油層では塩素含有量が少ないために両曲線は一致するが、塩水層になるとこの両曲線の間に開きが生じるので、これにより塩水層を識別することができる。塩分検層はケーシング挿入井でも測定ができるので、改修井でも利用できる。表5にいろいろな元素の熱中性子(thermal neutron)捕獲の反応断面積を示す。(→検層) 表 種々な元素の中性子捕獲断面積
出所:Schlumberger Log Interpretation Principles |

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