アマモ Zostera marina Linnaeus
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からだは細長い葉と地下茎からなり,砂泥域に地下茎を伸ばして生育する雌雄同株の多年生の草本(種子植物)である。沿岸域の主要な一次生産者であり,多様な動物の生息場所となる「アマモ場」を形成する。葉は細長く,先端はわずかに尖り,5~7本の葉脈(維管束)が葉の先端から基部まで平行に走っている。葉の縁には顕微鏡的な鋸歯は見られない。種子による繁殖と,地下茎から新芽を出す栄養繁殖を行う。花は6月頃に咲く。
和名「アマモ」は,地下茎を噛むと甘みを感じることに由来する。また,植物名としては日本一長い,「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ」という別名を持つ。属名のZosteraは女性名詞で,細長い葉形の特徴を表すギリシャ語のzoster(帯,ベルト)に由来する。種小名「marina」は女性形で,「海中生の,海の」の意味。
銚子でみられる他の海産種子植物(海草)としては,スガモやエビアマモなどがある。それらは岩礁域に生育し,葉の縁に顕微鏡的な鋸歯が見られる点で,アマモとは区別する事ができる。
砂泥域にしばしば優占する海産種子植物のアマモやコアマモなどは,砂泥中に地下茎を伸ばして根をはって体を固着することができる。一方,多くの海藻は石や岩などの基質に付着器や仮根で固着することによって生育しているため,付着基質の乏しい砂泥域に生育する種類は比較的少ない。緑藻類の子孫である陸上植物が海中に戻ってきたあるいは戻って来ることができた背景には,上記のように海藻類があまり生育していない場所が存在した,つまりニッチ(生態的地位)が空いていたと考えられる。
味藻
大葉藻
大藻
浜木綿
海柳
無垢潮
甘藻
竜宮の乙姫の元結の切外し
読み方:リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(ryuuguunootohimenomotoyuinokirihazushi)
学名 Zostera marina
菅藻
藻塩草
藻葉
アマモ
(Zostera marina から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 09:39 UTC 版)
アマモ(甘藻 Zostera marina)は、北半球の温帯から亜寒帯にかけての水深二 - 数メートルの沿岸砂泥地に自生する海草の一種。日本でも各地に分布する。雌雄同株で多年生の顕花植物であり、胞子で増える藻類ではなく、海中に生える種子植物である。
- ^ 『湿原力』 2013, p. 125.
- ^ 出典:NHK『ダーウィンが来た! 〜生きもの新伝説〜』
- ^ アマモ場復元のガイドライン
- ^ “海草アマモの変わった利用法(アマモ葺き屋根の家) 1/2/有賀 祐勝 | 海苔百景 リレーエッセイ | 一般財団法人 海苔増殖振興会”. nori.or.jp. 海苔増殖振興会. 2024年6月8日閲覧。
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