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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 15:02 UTC 版)
氷川里奈の個別ルート。現在の話のほか過去の回想シーンが多く、里奈視点、もしくは川内野優美視点からの描写も非常に多い。幼い頃の里奈と、友人となる優美との出会い、弓張市から稟が去った後の、直哉と里奈、優美の出会い、里奈および優美が見る夢という形での伯奇伝承などが描かれる。またこのルートから、里奈と優実のルートであるMarchenにも分岐する。 かつての優美はずっと男勝りでけんか早く、友達も男ばかりだった。そんな中彼女は、自分が同性愛者であることを次第に自覚する。だが同じクラスで、いつも女子の輪の中心にいて社交的な里奈のことは苦手に思っていた。一方の里奈は重病を抱えていたため、生命力に溢れる優美のことを羨ましく疎ましく思っていた。 だがある夜優美は公園で、昼間の里奈とは全く違う雰囲気の彼女に出会う。当時の里奈は手術を控え、恐怖から逃れるため、死の雰囲気を自ら纏っていた。優美はそんな里奈に惹かれ、里奈の方も意識して、優美を自分の色に染めていく。 そして里奈は、自殺前のゴッホが描いたという糸杉を意識して公園に落描きしていたが、そこに直哉が現れる。里奈が描く糸杉に“死”とゴッホ、鬱屈した空気を感じ取った直哉は、里奈にそんな絵は似合わないとして、生命力のある絵を描き加えていき、里奈を感嘆させる。やがて2人は顔も合わせず交互に絵を描き、最後に里奈の目の前で直哉が桜を描き加え、絵を完成させた(「糸杉と桜の協奏」)。その中で里奈は、生きてもっと絵を描きたいと望むようになり以前よりも明るくなるが、優美はそんな里奈にも惹かれ続けていた。そして里奈は、直哉に絵の弟子入りを頼む。だが直哉は、弟子は取らないというと、里奈は弟子の代わりに直哉の“精神的妹”を自称するようになった。 それから現在。「櫻達の足跡」が公開されて、直哉はにわかファンに囲まれるようになっていた。そんな直哉に、里奈が話しかけづらそうにしていることを感じ取った優美は、直哉に抱きついて、にわかファンを追い払う。だがその結果、“直哉になれなれしい”優美に対する嫌がらせが行われるようになり、直哉の情報を狙う長山香奈も、嫌がらせを焚き付けていた。 そのため里奈と直哉が話し合い、嫌がらせがなくなるまで優美が直哉の偽装彼女になればいいという話を優美にしたところ、優美は里奈とデートしたいと言いだし、結局直哉、里奈、優美の3人でデートすることになった。その後、帰り道が別な里奈は途中で別れるが、伯奇神社で優美と2人になった直哉は、優美からあらためて自分が里奈を好きなこと、自分が直哉に嫉妬していることを聞かされる。その瞬間、千年桜が咲く。
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