United States Fleet Forces Commandとは? わかりやすく解説

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アメリカ艦隊総軍

(United States Fleet Forces Command から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 15:33 UTC 版)

アメリカ艦隊総軍(アメリカかんたいそうぐん、United States Fleet Forces Command、略称:USFLTFORCOM)は、アメリカ海軍の組織の1つ。部隊管理系統では海軍作戦本部(OPNAV)の、作戦系統ではアメリカ北方軍(USNORTHCOM、以下「北方軍」)の指揮をそれぞれ受ける。司令部はバージニア州ノーフォークに所在し、司令官には大将(4つ星)が充てられている。


注釈

  1. ^ 第27代海軍作戦部長。2000年7月21日から2005年7月22日まで、5年間(日数にして1827日間、アーレイ・バーク大将の約6年(2176日間)に次ぐ史上2位の長期)にわたり作戦部長職を務めた。後述する初代艦隊総軍司令官、ロバート・ナッター大将の前任者でもある。
  2. ^ 1993年までは、USLANTCOMという略称を使用していた。
  3. ^ 大西洋艦隊は、かつては大西洋地域を担当する地域別統合軍である大西洋軍(USLANTCOM、のち略称変更によりUSACOM)の隷下に置かれており、大西洋軍はキューバ危機を契機に隷下に陸軍や空軍の部隊を置くようになったものの(その経緯は統合参謀本部の統合歴史室が刊行している“The History of the Unified Command Plan 1946-1993”{{{1}}} (PDF) (英語)に詳しい)、その主力戦力は創設以来一貫して大西洋艦隊隷下の海上部隊であった。また、陸軍部隊の司令官(大西洋陸軍司令長官、CINCARLANT)や空軍部隊の司令官(大西洋空軍司令長官、CINCAFLANT)がともに専任でなかったこともあり、専任かつ主力戦力の司令官であるCINCLANTFLTがCINCARLANT、CINCAFLANTに比して重要度の高いポストとして扱われた。このような背景から、1947年の大西洋軍創設以来、1985年10月に改められるまでの約40年間にわたり、大西洋軍司令長官(Commander-in-Chief, U.S. Atlantic Command)が大西洋艦隊司令長官、さらにはNATO大西洋連合軍最高司令官SACLANT)を兼ねるという人事が採られてきた。1985年10月をもって、大西洋軍司令長官職と大西洋艦隊司令長官職の兼任人事は廃され、大西洋艦隊司令長官は新たに大西洋軍副司令長官(Deputy Commander-in-Chief, U.S. Atlantic Command)を兼ねることとされた。ただし、その兼任人事も1986年9月に1年足らずで廃されている。
  4. ^ “Sea Power 21”の原文および前掲・下平(2012)によれば、「シー・ストライク」の目指すところは「統合作戦における決定的かつ持続的な戦力の投射」であり、情報・偵察・監視(ISR)能力などの情報収集・情報支配に必要な諸能力、より多様な戦力オプションを備えることで、前者で得た情報に基づき後者による圧倒的・持続的かつ精密な攻撃を行うというものである。敵による聖域化を拒否する能力を期待したものとされる。
  5. ^ 前掲・下平(2012)では「海上防楯」と訳されている。
  6. ^ 打撃力・攻撃力に焦点を置いた「シー・ストライク」と対をなす、防御力に焦点を置いたコンセプト。本土防衛能力、沿岸域における優越的能力(紛争地域の沿岸域へのアクセス能力)、ミサイル防衛能力といった諸能力により、制海権や前方プレゼンスなどを確保し、地球規模での防衛力を確保することを目指す。特に、敵による作戦区域に対する支配を拒否する能力を期待したものとされる。
  7. ^ 前掲・下平(2012)では定訳は与えられていない。
  8. ^ 前掲・下平(2012)では、「シー・ベーシング」の定義を「不明確」とする。そのうえで、「シー・ベーシング」とは「シー・ストライク」「シー・シールド」に要するパワーを投射するうえで、防御力・抗堪力の面で劣る陸上基地の脆弱性を減じるため、より安全かつ機動的でネットワーク化された海上作戦拠点(シー・ベース)の構築を目指すもの、と捉えている。
  9. ^ 前掲・下平(2012)では「艦隊への資源配分」と訳される。
  10. ^ 前掲・下平(2012)では「兵士への投資」と訳される。
  11. ^ 前掲・下平(2012)では「革新プロセス」と訳される。
  12. ^ ただし、統合戦力軍も全く本土防衛の任務に関連する任務を与えられていなかったわけでなく、合衆国本土で人災(テロ攻撃や通常兵器・NBC兵器を用いた攻撃等を指すものと思われる)が発生した際の対応プラン「ノーブル・リゾルヴ」を策定・改良する役割を担っていた。

出典

  1. ^ a b c d e f “A Brief History Of U.S. Fleet Forces Command” (英語) 艦隊総軍公式サイトに設けられている、艦隊総軍の歴史を紹介するページ。艦隊総軍は大西洋艦隊に起源を持つということで、1906年の大西洋艦隊創設からの歴史が紹介されている。
  2. ^ “A Short History of UNITED STATES NORTHERN COMMAND” {{{1}}} (PDF) (英語) 北方軍の公式サイトにて公開されている、北方軍の歴史・沿革をまとめた資料。
  3. ^ a b c Sea Power 21 By Admiral Vern Clark, U.S. Navy (Proceedings, October 2002) (英語)
  4. ^ 下平拓哉「シー・ベーシングの将来」(海上自衛隊幹部学校『海幹校戦略研究』第2巻第1号(通巻第3号、2012年5月刊)、109-125頁)では「海上打撃力」と訳されている。
  5. ^ “About Us” (英語) 艦隊総軍公式サイトの概略紹介ページ。
  6. ^ “Navy Organization” (英語) アメリカ海軍のホームページ上に掲載されている組織体系図。この体系図は、特に作戦部隊(Operaatirating Forces、実働部隊)を詳細に紹介した体系図である。
  7. ^ 艦隊総軍公式サイトの「リンク」ページでは、隷下部隊(U.S. Fleet Forces Subordinate Commands)として複数の部隊(へのリンク)が案内されているが、海上輸送司令部(Military Sealift Command)や軍需コマンド(Navy Munitions Command)は海軍の補給・兵站を統括的に担当する部隊であり、また戦闘開発コマンドは戦闘能力・技術等の研究・開発といった後方活動を主とする部隊である。


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