Siege of Abadanとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Siege of Abadanの意味・解説 

アーバーダーン包囲戦

(Siege of Abadan から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/14 23:55 UTC 版)

アーバーダーン包囲戦

包囲戦で破壊された戦車
戦争イラン・イラク戦争
年月日1980年11月2日1981年9月18日
場所:イラン・フーゼスターン州
結果:イランの勝利
交戦勢力
イラク イラン
指導者・指揮官
不明 モスタファー・チャムラーン 
戦力
約20,000
戦車約600輌
国軍
革命防衛隊など
約4,500
戦車約200輌
損害
不明 不明
イラン・イラク戦争

アーバーダーン包囲戦(アーバーダーンほういせん)は、イラン・イラク戦争中、フーゼスターン州に侵攻したイラク軍による戦闘である。

概要

イランに侵攻したイラク軍にとりフーゼスターン州の交通の要衝アーバーダーンの占領は重要な事項であった。当時、平時のイランの石油生産の2/3(610,000日量/バーレル)を産出し、イラン経済にとって最重要拠点であり、それだけにイラク側は攻略、そしてイラン側は死守するだけの価値があったので、革命防衛隊は優勢なイラク軍相手に奮戦した。包囲中、アーバーダーンへの補給・補充は夜間にボートを使用して数ヶ月間継続された。頑強に抵抗する守備隊に対し数次に渡る攻撃が加えられたが、占領することはできず、1981年9月に解囲することとなったが、市街地や付近の製油所の多くは破壊された。

攻撃

アーバーダーン島を攻撃するイラクの最初の作戦は戦車500輌・20,000人からなる2個機甲師団を、カールーン川とバマンシャール川の白昼強行渡河をもって攻略を開始した。やがて3方向から町を包囲するにいたったが、川を越えて補給せざるを得ないため、衝力不足であり攻撃は頓挫した。

イラン軍の抵抗は当初混乱していたが[要出典]9月28日にはイラン軍の対戦車ヘリが行軍中のイラク軍機甲部隊を攻撃し、イラク軍に大きな損害を与えた[1]。さらに、守備隊はアーバーダーン市街に突入したイラク軍機甲部隊に対して対戦車兵器を使用し、イラク軍は3週間で数百両の戦車や装甲車を失った。このような状況にあり、イラク軍によるアーバーダーン攻撃はいったん中止され、イラク軍は増援を待つことになった[2]規模縮小型機甲師団を北東方向から迂回させ一挙に攻略する企図であったが、これも途中で有力なイラン軍と接触、迂回攻撃も頓挫する結果となった[要出典]

解囲

包囲していたイラク軍はデズフールの戦いで2個大隊を失い、兵達の士気は低下する傾向にあった。イラン軍秋季攻勢(サーメノル=アエンメ作戦)において遂に包囲網は突破された。イラク軍は一部を残し撤退した。

影響

イラク軍はこの戦闘で機甲部隊に多くの損害を出したが、結局のところアーバーダーンを攻略できなかった。松井 (1991)によると、これによってイラク軍のフーゼスターン州制圧は大幅に遅れ、イランの逆転をもたらすことになったという[2]

脚注

  1. ^ 松井 1991, p. 127.
  2. ^ a b 松井 1991, p. 128.

参考文献

関連項目


「Siege of Abadan」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Siege of Abadanのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Siege of Abadanのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアーバーダーン包囲戦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS