SKKのバリエーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:08 UTC 版)
SKKはEmacs Lispで実装されているため、Emacsが動く環境ならばどこでも使うことができる。一方、Emacs以外で使いたい場合は、何らかの手段を講じる必要がある。様々な環境のインプットメソッドに対応したSKKライクな変換エンジンが開発されており、それらを利用してSKK方式の入力を行うことができる。 Unix系環境においては、X Window System上で動作する伝統的なX Input Method (XIM) のためにskkinputが開発された。skkinputには現在skkinput2とskkinput3のふたつの実装が存在する。 また、XIMにかわるインプットメソッドとして開発された、多言語対応のインプットメソッドのIIIMF (Internet/Intranet Input Method Framework)、 uim (Universal Input Method)、SCIM (Smart Common Input Method)、iBus (Intelligent Input Bus) においてもSKKを使用することができる。 IIIMFは、XIM開発者自身によりウィンドウシステム非依存としてXIMを置き換えるべく開発されたフレームワークである。複数の言語エンジンを切り替えて使用できることを特徴としており、SKKに似た言語エンジンとして iiimf-skk が開発されている。 uim は、インプットメソッドサーバを用いずライブラリとして実装された多言語インプットメソッドで、uim-skkというモジュールを使用することでSKK方式の入力が可能となる。コンソールや、GUIフレームワーク、インプットメソッドサーバへのブリッジが提供されている。 SCIMは、できるだけ多くのインプットメソッドに対応することを目標にしている、インプットメソッド・プラットホームである。scim-skk はSCIM上でDaredevil SKKと同等の機能を実装することを目標に開発されている。 macOSではAquaSKKおよびMacUIM/SKKが利用できる。AquaSKKはその名のとおりmacOSに特化したSKKライクなインプットメソッドである。SKK辞書のほかことえりのユーザ辞書を使用することができる。MacUIMはuimをmacOSで使用するためのパッケージである。 Windows上でSKKライクな入力を実現するにはskkimeやcorvus-skkやSKK日本語入力FEPがある。これらはOS付属のMSIMEを含めて全て同時にインストールでき、言語バーおよび入力言語のホットキー操作によりアプリケーション実行中でも自由に切り替えて使用することが可能である。skkime と corvus-skk はコントロールパネルからGUIを用いて設定を行うことができる。 Vim上でSKKライクな入力を実現するにはeskk.vimとskk.vimでどちらもVim scriptで実装されている。 eskk.vimはskk.vimの後継を目指して活発に開発されており、 skk.vimは2006年以降開発が停止している状況であったが、2010年にメンテナが変わって以降パッチなども精力的に取り入れている。 こうした他実装は、Daredevil SKKと独立に開発・保守されている。したがって、機能的に劣ることや、独自の拡張機能を持つこともある。
※この「SKKのバリエーション」の解説は、「SKK」の解説の一部です。
「SKKのバリエーション」を含む「SKK」の記事については、「SKK」の概要を参照ください。
- SKKのバリエーションのページへのリンク