SKKの辞書とSKKサーバ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:08 UTC 版)
「SKK」の記事における「SKKの辞書とSKKサーバ」の解説
SKKの使用する辞書は、複数のユーザによって共有する書き換えられない辞書と、ユーザのホームディレクトリに置かれ、登録した単語や変換の履歴が追加されていく個人用の辞書がある。どちらも、かな(送りがなのある場合はかな+送りがなの最初のローマ字)と変換対象のひとつ以上の漢字とを対応させたテキストファイルである。基本語を集めた辞書は、サイズ別に、S、M、ML、Lの4つが公開されている。また、人名、地名などの固有名詞や専門用語は別のファイルとして配布されており、環境や目的に応じ複数の辞書を自由に組み合わせて使うことができる。 SKKは、辞書をバッファにとりこんで検索を行うため、最初の読み込みの際若干時間がかかることがある。また、emacs 毎に大きな辞書をとりこむのは非効率でもある。そうした欠点を補うため、共有の辞書を辞書サーバで置き換えることができる。これをSKKサーバと呼ぶ。SKKサーバへは skkserv という独自の簡易なプロトコルを用いて問い合わせを行い、入力文字列から変換結果を受け取る。SKKサーバはSKKの辞書ファイルの形式に依存しないため、様々な方式で高速化、効率化を図った実装が存在する。 SKKにはskkserv以外にも多数の辞書サーバが存在する。主なSKK辞書サーバプログラムとその特徴を下記に示す。 skkserv オリジナルのSKKサーバ。 skkipserv 辞書をメモリ上にハッシングすることで検索を高速化したSKKサーバ。 dbskkd-cdb 辞書形式としてcdbを利用したSKKサーバ。 multiskkserv 複数辞書の管理が可能なSKKサーバ。 rskkserv Rubyで実装されたSKKサーバ。EPWING形式の辞書も利用可能。 fskkserv OCamlで実装されたSKKサーバ。内部の索引構造にパトリシア木を用いている。 mecab-skkserv MeCabを利用して、擬似的に連文節変換を可能にするSKKサーバ。 また、入力予測システムであるPOBoxの変換サーバプロトコルは、skkservプロトコルをもとに拡張を加えたものである。辞書サーバのフロントエンドによっては、Google日本語入力と通信することによって、より多くのキーワードを利用できるものもある。
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