プレーンスケープ トーメントとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > プレーンスケープ トーメントの意味・解説 

プレーンスケープ トーメント

(Planescape: Torment から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/06 01:49 UTC 版)

プレーンスケープ トーメント
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 Microsoft Windows
開発元 Black Isle Studios
発売元 Interplay Entertainment
デザイナー Chris Avellone(主任)他[1]
バージョン 1.1
人数 1人
メディア CD-ROMDVD-ROMダウンロード
発売日 1999年12月12日
対象年齢 ESRBT(13歳以上)
デバイス キーボードマウス
必要環境 [必須]
OS:Windows 95/98
CPU:MMX Pentium 200MHz 以上
メモリ:32MB 以上
グラフィックボード:VRAM 4MB 以上
空きHDD:650MB 以上
CD-ROM:8倍速以上
その他:DirectX 6.1 以上
エンジン インフィニティ
テンプレートを表示

プレーンスケープ トーメント』(Planescape: Torment )は、『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』(AD&D)をベースにしたコンピュータRPG(CRPG)。Black Isle Studios英語版Windows 向けに開発し、Interplay Entertainment英語版 から1999年12月12日にリリースされた。日本では、SEGA から日本語マニュアル付き英語版が発売された。背景となるキャンペーン・セッティングには「プレーンスケープ英語版」を採用している。ゲームエンジンには、BioWare の『バルダーズ・ゲート』でも使用されたインフィニティ・エンジン英語版の改良版を採用している。

本作はストーリー主導型のゲームで、当時の他のCRPGと比べると戦闘の比重は小さい。主人公の The Nameless One(名も無き者)は殺されても何度でも蘇るイモータルであるが、すべての記憶を失っており、自分の名前さえ思い出すことができない。記憶を取り戻すために扉の町シギル(シジル)やその他の AD&D のプレーンを探索するのがゲームの中心となる。

ゲームは商業的にはそれほど成功しなかったが、多くの批評家から称賛され、カルト・クラシック(en:cult video game)となった[2]。没入感のある大量のテキスト、「プレーンスケープ」をベースにした暗く謎めいた設定、主人公のユニークな人格などは、従来のCRPGの多くの特徴と一線を画すものであった。多くのゲームライターが1999年最高のCRPGと考え、リリース以降長きにわたって注目され続けている。

また本作発売から21年後の2020年には日本語化MODが配布されている[3]

ゲームの概要

『トーメント』は BioWare のインフィニティ・エンジンをベースにしており、ゲームは等角投影法で描写された2次元の世界で表現される[4][5]。探索画面では、地面をクリックして移動したり、オブジェクトをクリックして調べたりするというようにプレイヤーキャラクターを操作する[6]アイテムや呪文は、ホットキー、「クイック・スロット」、またはラジアル・メニューから使用できる[7]

ゲームのルールは『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』第2版をベースにしているが[8]、主人公は自分が死ぬことができない理由を探し求めているイモータルであるため[9]、通常の『AD&D』のルールを超越した能力を持っている。ゲーム開始時に行うキャラクター作成では、主人公の能力値(ストレングス、インテリジェンス、カリスマなど)にポイントを割り振る[10][11]。ゲーム開始時の主人公のキャラクタークラスはファイターであるが、対応する教師を見付ければ、シーフメイジになったり、ファイターに戻ったりすることができる[6]。主人公は鎧を装備できないが、代わりに魔法のタトゥーを「装備」することで能力を強化することができる[12]。主人公が死んでもたいていの場合は何もペナルティがなく、別の場所で復活する[13]

主人公以外にもゲームの中で出会ったキャラクターのうち何人かがパーティに加わるが、主人公に同行するのは一度に5名までである。仲間にしたキャラクターは、他の NPC との会話中に発言することがあるほか、ゲーム中ランダムにパーティ・メンバー間での会話が発生する場合もある[11]

『トーメント』は、戦闘よりも会話によるクエストの解決を重視している。ゲームの戦闘エンカウンターの多くは、会話によって解決したり、ステルスによって回避したりすることができる[11]incite PC Gaming のレビューは、「このゲームはほぼ完全にストーリー主導であり、適切な質問をすれば、暴力が必要になる回数はわずかである」としている[14]。主人公はジャーナルを携帯しており、プレイヤーがゲームのさまざまなクエストやサブプロットの経過を追うのに役立つ[8]

アライメントはキャラクターの道徳的および倫理的な観点を「善と悪」および「秩序と混沌」の独立した軸に基づいて決定するものである。本来の AD&D ではアライメントは静的な属性であるが、『トーメント』の主人公は「トゥルー・ニュートラル」(善でも悪でもなければ、秩序でも混沌でもない)のキャラクターとしてゲームを始め、ゲームを進めるうちに行動に応じてこの属性が徐々に変化する[4][15]。NPC の反応は主人公のアライメントに応じて変化する[8]NextGen のレビューは、「このゲームは、親切で法を遵守する善人ぶったプレイヤーと、だれかれ構わず殺そうとする悪党プレイヤーの両方に娯楽を提供する」としている[16]

脚注

  1. ^ Planescape: Torment - Credits”. Allgame. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月19日閲覧。
  2. ^ Chris Dahlen (2005年8月23日). “Planescape: Torment”. The Escapist (magazine). 2011年8月19日閲覧。
  3. ^ 発売から21年の時を経て『Planescape: Torment』日本語化Modが登場! 有志が1人で翻訳”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2020年11月2日). 2024年7月6日閲覧。
  4. ^ a b Kasavin, Greg (1999年12月21日). “Planescape: Torment for PC Review”. GameSpot. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
  5. ^ Williams, Derek. “Planescape: Torment Overview”. Allgame. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
  6. ^ a b Norton, Matt (1999). Planescape: Torment Instruction Manual. Irvine, California: Interplay 
  7. ^ Loijens, Joost (2000年1月22日). “Planescape: Torment Review (page 2)”. GameSpy. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
  8. ^ a b c Carr, Diane (May 2003). “Play Dead: Genre and Effect in Silent Hill and Planescape: Torment. Game Studies 3 (1). ISSN 1604-7982. オリジナルの2009年8月7日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5iqx3F0ms?url=http://www.gamestudies.org/0301/carr/ 2009年5月1日閲覧。. 
  9. ^ Turner, Jay (2000年11月24日). “Review: Planescape: Torment”. GamePro. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
  10. ^ Wolf, Michael (March 2000). “Planescape: Torment review”. PC Gamer US (Brisbane, California: Imagine Media) 7 (3): 82-83. ISSN 1080-4471. 
  11. ^ a b c Loijens, Joost (2000年1月22日). “Planescape: Torment Review”. GameSpy. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
  12. ^ Schiesel, Seth (2000年4月27日). “A Universe Where Ideas Can Trump Actions”. The New York Times. オリジナルの2009年8月7日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5iqx3F0nL?url=http://www.nytimes.com/library/tech/00/04/circuits/articles/27game.html 
  13. ^ Purchese, Rob (2000年1月15日). “Planescape: Torment Review”. Eurogamer. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
  14. ^ Gladstone, Darren; Nikki Douglas (March 2000). “Ungrateful Dead: A Long, Strange Tip Through the Afterlife in Planescape: Torment”. incite PC Gaming: 110-112. 
  15. ^ Dahlen, Chris (2005年8月23日). “Planescape: Torment”. The Escapist. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月4日閲覧。
  16. ^ Wolf, Michael (March 2000). “Planescape: Torment: Scarred and dead but still kickin' butt”. NextGen: 110-112. 

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「プレーンスケープ トーメント」の関連用語

プレーンスケープ トーメントのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



プレーンスケープ トーメントのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのプレーンスケープ トーメント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS