PAとSR
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 20:20 UTC 版)
「Public Address」の記事における「PAとSR」の解説
Public Address(公衆伝達)とSound Reinforcement(公的な訳語がなく略称の「SR」で通用 強いて言えば「音声増強」)は、明確な基準ではないものの、実務者の間では両者に一定の違いがあると考えられている。以下に一例を説明する。 PAとは拡声装置全般である(これにはSRも含まれている)。ある集団がいた場合に、その集団のいずれにも、同一のメッセージを伝達する事を目的とする。これは例えばスーパーマーケットでタイムサービスの特売を知らせたり、火災発生時に施設内の集団を避難誘導したりする用途である。このため、全体的に一定の音圧で音声メッセージを、他の騒音に負けない充分な音量で、死角を生まずに聞かせることが重要である。必ずしもステレオやHi-Fiのような音質および仕様は要求されない。他に選挙カー、トランジスタメガホンもPAに含まれる。 SRと称される場合、舞台音響のように入力される音声チャンネルが多くなり、出力もステレオまたはサラウンド化されたり、大規模会場であっても隅々まで音質を均一化することが要求される。そのため、アンプ、スピーカーの高効率化と高性能化が図られたり、入出力間の音質の差を縮小させるためにスピーカーとアンプの間にプロセッサを搭載したものも見られる。またリハーサルと本番では聴衆の有無や室内の温湿度、機材の稼働時間などが音質に影響するため、本番中の音響を測定してリアルタイムに補正することで時間の変化に影響されにくいシステムが構築されている。 ドーム球場やアリーナと呼ばれる会場では、観客席の広さに対応するため舞台付近に設置されるスピーカの他、より聴衆に近い場所にスピーカが設置されることもある。この場合、同時に音声を出力すると伝達時間の差により音質に影響が出るので、音響の伝達経路(シグナルパスと呼ばれる)に配慮してディレイをかけることが多い。
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