Order parameterとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Order parameterの意味・解説 

秩序変数

(Order parameter から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/04 21:35 UTC 版)

秩序変数(ちつじょへんすう、: order parameter)または秩序パラメータオーダーパラメータとは、が持つ秩序を表すマクロな変数のことである。

例えば結晶では、原子の並び方にある一定の秩序がある。結晶の向きが異なる平衡状態は、エネルギー

気体液体固体の相図の例。

気体・液体・固体相転移

物質の状態温度圧力によって変化し、固体液体気体などのを持つ。このような異なる相の間を温度や圧力などの外的なパラメータによって移る現象が相転移であり、異なる相を区別する指標となる量が秩序変数である。

気体・液体相転移

気体・液体相転移における秩序変数は密度である。例えば、臨界点近傍では、気体と液体の密度差

対称性の破れの模式図。横軸は秩序変数、縦軸は自由エネルギーを表す。自由エネルギーFが極小値をとるときの秩序変数Ψがゼロであるとき、秩序変数のとりうる値は1点(Ψ=0)に固定されるので系は対称性を満たしており(左図)、最低エネルギー状態がゼロからずれて秩序変数が有限の値をとるとき、系の対称性は破れている(右図)。

ギンツブルグ=ランダウ理論

超伝導相転移を巨視的に記述するギンツブルグ=ランダウ理論(GL理論)において、秩序変数は巨視的波動関数と呼ばれる。これは、超伝導体全体が巨視的な量子状態として振る舞い、ただ一つの波動関数で記述できることに基づいている。巨視的波動関数は低温相で有限の値を持ち、高温相ではゼロとなる。

秩序変数の値は転移温度近傍でゼロに近くなっているため、GL理論では、ヘルムホルツの自由エネルギーを巨視的波動関数のべきで展開することで、自由エネルギーが極小値をとるときの秩序変数の値を決定し、相の状態を判別できる。

BCS理論

超伝導相転移を微視的に(量子力学的な電子から)記述する理論はBCS理論である。この理論の秩序変数はクーパー対(全運動量・全スピンがゼロとなる電子対によるボース=アインシュタイン凝縮)の消滅演算子をBCS波動関数で挟んだ期待値である。さらに、この期待値に比例するエネルギーギャップも秩序変数として扱うことができ、

ネマティック液晶において配向した液晶分子。

液晶相転移

液晶の一種であるネマティック液晶においては、温度を変化させることで、ネマティック相と等方相の相転移が起こる。このときの秩序変数は、配向秩序度と呼ばれ、

相現象電子相電子現象磁気相準粒子ソフトマター科学者 カテゴリ

辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書

「order parameter」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

カテゴリ一覧

すべての辞書の索引



Weblioのサービス

「Order parameter」の関連用語











Order parameterのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Order parameterのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの秩序変数 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS