On-Line Analytical Processingとは? わかりやすく解説

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オンライン‐ぶんせきしょり【オンライン分析処理】

読み方:おんらいんぶんせきしょり

《on-line analytical processing》企業顧客情報販売実績から構築されデータベースを、多次元的・多角的に分析すること。また、それを行うコンピューターシステム多次元データ分析多次元分析処理OLAP(オーラップ)。


オー‐エル‐エー‐ピー【OLAP】

読み方:おーえるえーぴー

《on-line analytical processing》⇒オンライン分析処理


オーラップ【OLAP】

読み方:おーらっぷ

《on-line analytical processing》⇒オンライン分析処理


OLAP

【英】Online Analytical Processing
別名:オーラップ

分析したい次元(軸)を定義して膨大なデータ分析する意思決定支援DSSツール1次元売上など変数2次元期間、3次元支店4次元商品と定義すれば、4次元からなる分析可能になる1993年コッド(Codd)博士がOLAP製品16ルール指摘(『リアルタイム・マネジメントの実践荒川圭基著)。OLAPはリレーショナル・データベース利用したROLAP、多次元利用したMOLAP2種類がある。MOLAPは別名、多次元データベース呼ばれる

オンライン分析処理

読み方オンラインぶんせきしょり
別名:OLAP
【英】online analytical processing

オンライン分析処理とは、システムエンドユーザーが、データベースから直接データ検索したり、集計したりすることで、法則課題などを発見することができるアプリケーション考え方、あるいは、これを実現するためのシステムのことである。

従来エンドユーザーデータベースからデータ取り出すことはなく、専門知識を持つ情報技術者欲しデータ依頼し提出され結果を見るにとどまっていた。オンライン分析処理システムでは、ユーザー直接データ分析できるうになる顧客データ販売データなど、さまざまなデータ多次元的に分析することができるため、品揃え問題点購買行動共通点法則の発見などが素早くできるようになっている

オンライン分析処理は、多次元データベース利用したMOLAPリレーショナルデータベース利用したROLAPの2つ大別される


OLAP

(On-Line Analytical Processing から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/26 01:49 UTC 版)

OLAP(オーラップ[1])は、複雑で分析的な問い合わせに素早く回答を行う方法。ビジネスインテリジェンス[注釈 1]と呼ばれるより大きなカテゴリに属している。 OLAPの典型的な用途は売上報告、市場分析、経営報告、ビジネス業績管理(BPM)、予算作成、計画作成、財務諸表作成などである。OnLine Analytical Processingの頭文字を略した語[2]であり、日本語ではオンライン分析処理[1]もしくは多次元分析[2]とも呼ばれる。

OLAPの主な特徴は以下の点にある。

  • 関係モデルではなく)多次元データモデルを操作すること
  • 複雑、分析的でその場に応じた問い合わせを行えること
  • 非常に高速(通常は5秒以内に結果を返す)であること

このような理由から、ナイジェル・ペンゼ英語版はOLAPのコンセプトをより正確に表す言葉としてFASMI(Fast Analysis of Shared Multidimensional Information)を提唱している。

機能

OLAPはまず関係データベースのスナップショットを取り、多次元データとして再構成する。その後、問い合わせを行うことができるようになる。複雑で膨大なデータに問い合わせた場合、OLAPは関係データベースに同様の問い合わせを行う場合に比較して予め集計してあるデータを利用することで、極めて短時間に処理を実施する。

この操作データからなるOLAPの構造はOLAPキューブと呼ばれている。キューブはスタースキーマを形成するテーブルの一群からなり、中心にはファクトテーブル英語版が存在する。このファクトテーブルには問い合わせの中心的な事実が格納されており、複数のディメンジョンテーブルがここにリンクしている。このディメンジョンテーブルの中にどのように関係データを集計し分析できるのかが定義されている。ここで、元データをどのような階層構造で集計するのかによってありうる集計方法の数は変わってくる。

例えば、顧客は市・地域・国によって分類されるとすると、50都市・8地域・2カ国に存在するデータであれば3階層・合計60項目のデータとなる。ここでこの顧客と製品との関係を見たいとすれば、例えば製品は250品目・20カテゴリ・3ファミリ・3部門であるとすると合計276項目のデータとなる。この二つのディメンジョンだけでも16,560ものありうる集計が発生してしまう。考慮されるべきデータが増えるにつれて集計の数はすぐに何百万もの数になってしまう。

集計の計算結果と元データは統合されてOLAPキューブとなる。原理的にはOLAPキューブは可能性のある問いに対する全ての答えを保持することができる。だが、潜在的な集計の数が余りに多いために前もって決められた物のみを完全に集計し、残りは要求に応じて集計する場合もある。

OLAPの種類

基本的な概念からさらに踏み込むと、OLAPはMOLAPスペイン語版(多次元(Multidimensional)オンライン分析処理)・ROLAPスペイン語版(関係(Relational)オンライン分析処理)・HOLAPスペイン語版(ハイブリッド(Hybrid)オンライン分析処理)の3種類に分類される。MOLAPは伝統的なOLAPの形式であり、単にOLAPと呼ばれる場合もある。MOLAPは集計用の特殊なデータベースを使用する。この中に特定の多次元データベースエンジンがあり、元データと集計値の両方を持つ次元軸の集まりとして必要なスキーマを作成する。これに対して、ROLAPは関係データベースに直接アクセスする。元データとディメンジョンテーブルは関係テーブルとして保持され、集計値を保持するために新しいテーブルが作成される。HOLAPでは元データは関係テーブルに保持され、集計値は多次元テーブルに保持される。

どの種類もそれなりの利点があるが、種類によって利点の詳細は異なってくる。MOLAPはデータが少ない場合に有利であり集計値を計算して返すのが速いが、大量のデータを作成してしまう欠点がある。ROLAPはよりスケーラブルであり最小の容量で済むが、前処理と問い合わせのパフォーマンスが悪くなってしまう。HOLAPは両者の中間と言えるが、前処理が速くスケーラビリティもある。OLAPを実装する際に困難なのは問い合わせを作成することである。つまり元データを選択しスキーマを構築する部分であるが、そのために大抵のOLAP製品では大量の事前に準備された問い合わせのライブラリを持っている。その他の問題としては元データの問題が挙げられる。元データは完全でかつ一貫性がなければならない。

APIと問い合わせ言語

関係データベースにはSQLという標準化された問い合わせ言語やODBCJDBCOLE DBのように広く普及したAPIが存在するが、OLAPでは統一された規格は存在しない。最初の実務的な標準であるAPIは1997年のマイクロソフトのOLEDB for OLAPであり、MDX問い合わせ言語をもたらした。これは複数のOLAPベンダがクライアントとサーバの両方に採用している。2001年にマイクロソフトとハイペリオン・ソリューションズ英語版は分析記述用のXMLA (XML for Analysis)を発表しており、ほとんどのベンダに採用されている。この標準はMDXを問い合わせ言語として使用しているため、MDXはOLAPの世界ではデファクトスタンダードとなった。

製品

OLAP問い合わせを実行できる最初の製品は1970年に発表されたIRI(1995年にオラクルに買収された)のExpressである。しかし当時はこの用語自体が存在せず、1993年に、リレーショナルデータベースの父と呼ばれるエドガー・F・コッドにより提唱された。しかしコッドの研究はArborに資金援助を受けており、さらにArborは1年前にEssbase英語版[注釈 2]というOLAP製品をリリースしていた。そのため、コッドの「Twelve laws of online analytical processing」はEssbaseを参照していたことは明らかである。

主な製品一覧

BPM製品のベンダはOLAPで大きな地位を占めている。

外部リンク

脚注

注釈

  1. ^ OLAP・ETL・リレーショナルレポーティング・データマイニングを含む概念。
  2. ^ Arborはその後ハイペリオン・ソリューションズと合併、さらにハイペリオン・ソリューションズは、オラクルに買収された。

出典



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