O1b1a1a-M95
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/14 17:28 UTC 版)
「ハプログループO1b1 (Y染色体)」の記事における「O1b1a1a-M95」の解説
下位系統のO1b1a1a-M95(かつてはハプログループO2aと呼ばれていた)は特に繁栄しており、中国南部、東南アジア、インド東部など、特にオーストロアジア語族に属す言語を話す民族に多い。ニコバル人に100%、ションペン人に100%、ラオス南部及びカンボジア北東部のクイ族に87.2%乃至91.9%、海南島のリー族に61.8% (21/34)乃至64.8%(212/327)、バリ人58.6%、プイ族に54.3% (19/35)、ムンダ系民族に53.1%、ハニ族に50% (17/34)、カシ族に41.3%、広東省の漢民族に30% (12/40)、四川省成都市漢族に14.7% (5/34)、チャン族に12.1% (4/33)、シェ族に8.8% (3/34)、広東省清遠市連南瑤族自治県のヤオ族に8.6% (3/35)、南部漢民族に4.6% (3/65)、広西省河池市巴馬瑶族自治県のヤオ族に2.9% (1/35)などである。現在はオーストロネシア語族や中国語が分布する東南アジアの半島・島嶼部や中国南部にも、かつてはオーストロアジア語族が分布していたことが遺伝子から示された格好となる。日本にも1~4%観察されている。東京都で採取された1000ゲノムプロジェクトのサンプルJPT("Japanese in Tokyo, Japan")56人のうち一人のY染色体がO-M95に属しており、中国南部の数人の漢族やタイ族の男性との最も近い共通祖先が今より約5,600年(95% CI 4,100年 <-> 7,100年)前に生きたと推定されている。 現存の全てのO-M95の最も近い共通祖先は約10,800年前にさかのぼると推定されていてかなり古いが、現在からおおよそ6,000年前~5,000年前(即ち紀元前4千年紀)の間に多くのサブクレードを生み出していると見られるため、その頃に中国のある地方から東南アジアへ分布を広げたのかも知れない。この分布拡大は稲作の拡散年代と一致しており、稲作を携えたO-M95に属すオーストロアジア人が中国南部から東南アジア、南アジアへ移住していった歴史が推定される。
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