MS-DOS ウィンドウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 11:37 UTC 版)
「Microsoft Windows 1.0」の記事における「MS-DOS ウィンドウ」の解説
Windows 1.0から2.xまで使われたシェルプログラムが、MS-DOSウィンドウ (MS-DOS Executive) である。 日本語版では「MS-DOS ウィンドウ」という名称だが、紛らわしいことにDOS窓とは別物であり、あくまで後のファイルマネージャやエクスプローラに相当するユーザーインターフェースである。ただし表示される情報はMS-DOSのDIRコマンドの表示と大差なく、ドライブ名(アイコン)とボリュームラベル、カレントディレクトリのパスおよび、ファイル名が羅列されるだけのものだった。すなわちファイルにはアイコンが用意されておらず、ファイル名を直接ダブルクリックすることでプログラム(データファイルの場合は関連付けられたプログラム)が起動する。要するにMS-DOSにおけるコマンド入力の一部をマウス操作でも可能にした程度のものだった。なおメニューバーからはファイルやディレクトリ、ディスク関連の操作メニューがいくつか用意されているが、ファイルはドラッグすることができず、複雑なファイル操作にはキーボード入力が必要だった。 MS-DOSウィンドウの表示形式には、ファイル名だけの「ショート」と、タイムスタンプやファイルサイズの情報を含む「ロング」があり、前者はDIRコマンドで言うところの「/W」オプションでの表示に近い。これらは後のファイルマネージャの表示メニューで言うところの「名前のみ」と「すべての情報」に、エクスプローラの表示メニューでは「一覧」と「詳細」に、それぞれ相当する表示形式である。表示順は「名前」、「日付」、「サイズ」、「拡張子」でソート可能なほか、プログラムファイルのみの表示や、ワイルドカードによる指定ファイルのみを表示することもできた。 ディレクトリツリーを表示する機能は無いものの、複数のMS-DOSウィンドウを同時に立ち上げることができ、異なるドライブやディレクトリを同時に参照することができた。新しいウィンドウを立ち上げる実行ファイルは「MSDOS.EXE」で、名称こそEXE形式だが、バイナリはRET命令のみの1バイトというCOMファイル相当でしかなく、MS-DOSウィンドウが呼び出されるショートカットのような存在だった。これはWindows 2.xでも同様になっている。 MS-DOSウィンドウはシェルであるため自動で立ち上がり、すべてのMS-DOSウィンドウを閉じればWindowsも終了する。
※この「MS-DOS ウィンドウ」の解説は、「Microsoft Windows 1.0」の解説の一部です。
「MS-DOS ウィンドウ」を含む「Microsoft Windows 1.0」の記事については、「Microsoft Windows 1.0」の概要を参照ください。
- MS-DOSウィンドウのページへのリンク