MIDIの黎明期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 08:13 UTC 版)
「デスクトップミュージック」の記事における「MIDIの黎明期」の解説
DTMの歴史はMIDIのそれとは切り離して考えることはできない。 MIDIの登場以前は、シンセサイザーなどの音楽機材の仕様・規格が製品によって違っており、複数の機材を接続する複雑さや機器の開発の困難さが問題となっており、また、信号の電圧を反転させたり、周波数を分周するなど工業機器の扱いに関する知識も必要とされていた。そこで、1983年に日米の音楽機器・ソフトメーカーによって演奏のための信号に関する標準規格であるMIDI Standard 1.0が発表され、時を同じくしてシーケンシャル・サーキット社の Prophet-600、ローランド社の JX-3P、ヤマハ社の DX7などのMIDI対応シンセサイザーが発売された。当初は開発者の解釈の違いにより誤動作が起きることがたびたびあったが、徐々にガイドラインも統一されて普及が急速に進むことになる。 また1984年にはパソコンでMIDI信号を送受信する初めてのインターフェイスとしてMPU-401がローランドから、NECPC8001シリーズおよびPC8801シリーズ(いずれも8ビットパソコン)用の拡張インタフェースボードとシーケンスソフト付で発売された。このシーケンスソフトは、いわゆる数値入力方式で、その後登場する日本のシーケンスソフトおよびユーザに影響を及ぼした。その翌年にはカモンミュージック社がNEC PC98シリーズ対応のMIDIシーケンスソフトであるRCP-PC98(後のレコンポーザ)を発表。パソコンを中心として音楽を制作する環境が徐々に整えられていくこととなった。RCP-PC98は、前述のMPU-401付属のシーケンスソフトとユーザインタフェースやコマンドなどがきわめてよく似ていた。
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