ISNIの使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 10:09 UTC 版)
「国際標準名称識別子」の記事における「ISNIの使用」の解説
ISNIは単一識別情報(著作者のペンネームや出版社が使用しているインプリント)を一意的な番号を使用して識別できるようにする。この一意的な番号は後に名前や他の識別形式を確認するためにメディア産業で使用されている数ある他の識別子を繋ぐことができるようになる。 英語圏で度々引用される例として、データベース内で「ジョン・スミス」を識別する時困難に直面する。「ジョン・スミス」が記録に多く登場しても、必要な特定の「ジョン・スミス」を参照した記録かどうかは常に明確にならないが、ISNIの番号を付与することによって同名異人の「ジョン・スミス」を(日本におけるマイナンバーと同様に)識別し、名寄せできるようになる。 番号の使用例として、作詞作曲も手がけている音楽パフォーマーの識別がある。現在数あるプライベートやパブリックの識別システムを使用する多くの異なるデータベースにおいてどこで識別されているかに関して、ISNIシステムの下で簡素にISNI記録を繋いでいる。また多くの異なるデータベースはその後、テキスト文字列比較といったやっかいな方法に頼ること無く特定の識別情報に関するデータを交換することができる。 ISNIでは、MusicBrainzやWikidata(wikipediaではない)も情報源として採用されており、2018年1月には、YouTubeが国際標準名称識別子(ISNI)の登録機関となってYouTube上に作品がある音楽家等に付与する方針であることが発表された。 たとえばISNI番号0000 0004 5644 0611を割り当てられている超歌手大森靖子の場合、ISNIの当該ページ下部の「Sources」欄にWikidataを示す「WKD」とその識別IDであるQ16264863へのリンクや、MusicBrainzを示す「MUBZ」とその識別IDであるbcb49893-f5e0-48e4-b6fb-f4ef74b5463dなどが表示される。 ISNIは図書館や公文書館が目録情報を共有するときにも活用でき、オンラインでの情報やデータベースをより正確な検索したり、デジタル環境または国境を越えた権利の管理を促進する。 日本からは国立国会図書館に納本されている書物の著者のデータがVIAF(バーチャル国際典拠ファイル)への提供を介してISNIの典拠情報の一つとして採用されている。 たとえば画家の岡本太郎(1911-1996)を例に挙げると、「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」でのIDは00059824→その結果内にあるVIAFへのリンク先でのVIAF IDは64009967→その結果内(「優先形」のパネル内の旗)にあるISNIへのリンク先でのISNI IDは0000 0001 1507 1184と出て、ISNIの当該ページ下部の「Sources」欄に「VIAF」だけでなく「NDL」とも表示される。 もし著作者が複数の名前やペンネームを使って著作物を出しているとしても、それぞれの名前を、1つのISNIに集約して記録できる。例えば森鷗外の場合、ローマ字の他に「森林太郎、森欧外、森鷗外、鷗外漁史」などが登録されている。ただし、名寄せが上手く行っていない場合もあり、例えば中島梓のペンネームを併用した栗本薫(1953-2009)には「0000 0001 0800 8355」、「0000 0004 5682 7429」、「0000 0001 1948 7013」の3つのISNI番号が割り振られている。
※この「ISNIの使用」の解説は、「国際標準名称識別子」の解説の一部です。
「ISNIの使用」を含む「国際標準名称識別子」の記事については、「国際標準名称識別子」の概要を参照ください。
- ISNIの使用のページへのリンク