IBM 801
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/20 20:48 UTC 版)
IBM 801は、1970年代にIBMで、研究にもとづき開発・設計されたプロセッサの命令セットアーキテクチャ及びその実装である。その成果は1980年代以降もIBMの中で、直接あるいは間接に様々に利用された他、RISCのさきがけとして広く認められている[1]。
801はトーマス・J・ワトソン研究所の801ビルでジョン・コックの統括の元に純粋な研究プロジェクトとして始められた。彼らは、既存のIBMのマシンの性能を向上させる手段を探していた。静的にはコンパイラが生成するコードを分析し、動的にはシステム/370メインフレーム上でのプログラムの動作をトレースした。結果として、既存の古いコンピュータの、すなわちアセンブリ言語でのプログラミングを前提とした時代の命令セットは、既にIBMならばコンパイラが使われるようになっていた当時には静的にも動的にも、それらのうちのごく一部だけが多数使われている、ということを掴んだ。もしそれらの命令だけに命令セットを絞り込んでしまえば、その実装として、非常に高速で非常に小さいプロセッサコアを作ることが可能だということになった。
プロジェクトはそれをCPUとして実装した(LSIチップとして実装されたいわゆるマイクロプロセッサではない。外部リンク先の写真を参照)。完成したCPUは1977年に15MIPSという速さで動作した。これは370メインフレーム用チャネル・コントローラを含むIBMの様々なデバイスで使用された。そして9370メインフレームのCPUコアとしても使用されるに至った。
引き続く1980年代、801の経験はアメリカプロジェクトに引き継がれ、そこからPOWERアーキテクチャが誕生した他、そのPOWERも含むRISCプロセッサに影響を与えた先行例として801は認められている。
ジョン・コックは後に801に関する功績を認められ、チューリング賞(1987年)とアメリカ国家科学賞を獲得した。
脚注
- ^ Radin, G. (1982). The 801 minicomputer. ASPLOS-I. Proceedings of the first international symposium on Architectural support for programming languages and operating systems. pp. 39–47. doi:10.1145/800050.801824. ISBN 0-89791-066-4。
外部リンク
「IBM 801」の例文・使い方・用例・文例
- 最初の通貨スワップ取引はIBMと世界銀行の間で行われた。
- 彼は IBM への就職口をものにした.
- 少しだけIBMと提携した
- IBMのメインフレーム・コンピュータはビジネス社会における主力商品である
- IBMは100台のコンピュータの注文を受けた
- 彼はIBM株を市場価格で100株買った
- 同行はまた,顧客サービスやデータ分析業務の強化のため,IBM社が開発した人工知能システム「ワトソン」の導入を検討していることも発表した。
- ドイツの一連の旅行ガイドブックの出版社(1801年−1859年)
- イタリアのオペラの作曲家(1801年−1835年)
- 米国の海軍大将で、アメリカ南北戦争の時に北軍の船を率いた(1801年−1870年)
- フランスの建築家で、金属構造の使用に初めて成功した一人(1801年−1875年)
- フランス人の辞書編集者(1801年−1881年)
- ドイツ人の生理学者で解剖学者(1801年−1858年)
- 英国の建築家(1801年−1865年)
- 1867年に国務長官としてのロシア(スワードの愚行の時期として知られる)からアラスカの購入を手配した米国の政治家(1801年−1872年)
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