ジー‐ブイ‐エッチ‐ディー【GVHD】
GVHD(移植片対宿主病) ( graft-versus-host disease )
移植片対宿主病
(GVHD から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 04:57 UTC 版)
移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう、graft versus host disease; GVHD)とは臓器移植に伴う合併症のひとつ。
- ^ a b c d e f g 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6、pp.709-710
- ^ a b c d e f 遠山 博、他、編著『輸血学』改訂第3版、中外医学社、2004年、ISBN 4-498-01912-1、pp.636-644
- ^ 小川 聡 総編集 『内科学書』Vol.6 改訂第7版、中山書店、2009年、ISBN 978-4-521-73173-5、p.54
- ^ a b c d 徳島大学医学部附属病院輸血部 廣瀬政雄, 輸血後移植片対宿主病 2000年10月4日改訂 大阪大学大学院医学系研究科・医学部HP寄稿記事
- 1 移植片対宿主病とは
- 2 移植片対宿主病の概要
- 3 関連項目
GVHD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 16:01 UTC 版)
移植片対宿主病 (GVHD) とは、平たく言えば、造血幹細胞における拒絶反応である。GVHDとはドナー由来の免疫細胞が宿主を異物とみなす病態である。一般的な移植後の拒絶は、宿主の免疫細胞が移植片を異物とみなすという点で異なる。具体的な症状、マネジメントも下記に示すように異なる。 急性GVHD 移植後100日以内に発症するGVHDである。骨髄破壊的な移植の場合は移植後2 - 3週間後に好発し、60日以内の発症の場合が多いが、骨髄非破壊的な移植の場合は60日以降の発症も珍しくない。皮膚症状が初発となることが多いが、主な障害臓器は皮膚、消化管、肝臓である。重症度は皮疹の広がり、下痢の量、ビリルビン値の上昇により、重症度は決定される。少なくとも1つの臓器障害が48時間以上持続し、他の原因疾患が否定されたとき、急性GVHDと診断をすることができる。重要な鑑別として血栓性微小血管症 (TMA) が挙げられる。予防のため、通常は免疫抑制剤の投与を受けているが、それでも一定の確率で発症する。通常、骨髄移植ではヒト白血球型抗原 (HLA) のマッチングが行われているため、マイナーなHLA不適合によって起こると考えられている。治療はステロイドの投与である。 慢性GVHD 移植後100日以降に発症したGVHDを慢性GVHDという。発症時期によって区別されているが、急性GVHDとは異なる病態が考えられている。急性GVHDと比較してより多くの臓器を障害を受けること、しばしば自己免疫疾患に類似した病態となるのが特徴である。急性GVHDは移植片中の成熟T細胞が関与するのに対して、慢性GVHDは移植された造血幹細胞から分化、成熟したT細胞が関与すると考えられている。限局した軽い症状のみの慢性GVHDはステロイド外用などの局所療法で対応可能であるが、多くの臓器に障害が生じている場合や、単一臓器でも重篤な障害を有する場合は、全身的免疫抑制療法の適応となる。
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