FTの概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 00:29 UTC 版)
「EMD FT形ディーゼル機関車」の記事における「FTの概要」の解説
FTは最初に製造されたFシリーズのため、下記のとおり後継機と比較して特徴がある。 運転台付きのAユニットと運転台無しのBユニットの2両連結運転を基本として販売された。そのため両ユニットの製造両数がほぼ同じ数となっており、さらにAユニットとBユニットをつないでいる連結器も棒連結器(永久連結器)が使用された。 外観上の大きな特徴としてFTタイプは中央部に丸窓が4つ接近して並んで設置。 屋根にある4台のラジエーターファンの配置が両端に2台ずつ設置されており、形状も車体内に窪んだ形になっている。 車体屋根中央部に排気スタックが4つ、煙突状のものが設置。 ダイナミックブレーキを装備した車両は抵抗器が排気スタックを過囲うようにして屋根上に設置 FTは床下機器が後継タイプと比較して少なく、燃料タンクのみのため台車の取り付け位置も異なっており、後継機種と比較し中央に偏って設置されている。 また、Bユニットには車体内側に操車場や車両工場の構内で使用される簡単な運転装置を備えているものと、そうでないものがあるがFTでは簡易運転装置の設置の有無で外観が異なっている。具体的には丸窓の設置数が異なっており、簡易運転装置未設置車はAユニット同様に中央部に丸窓が4つ設置に対し、簡易運転装置設置車は中央部に丸窓が4つ設置に加えて運転装置が設置された箇所にさらに丸窓を1つ追加で設けているため、合計5枚の丸窓が設置されているのが特徴である。 FTの製造期間中、第二次世界大戦が勃発し、アメリカン・ロコモティブやボールドウィンなどの多くの既存の機関車メーカーのディーゼル機関車製造が禁じられたものの、GM-EMDはディーゼル機関車製造を専門とする機関車メーカーであったためにFTは第二次世界大戦時も幹線用ディーゼル機関車として事実上、唯一製作が続けられた。 運用中のサンタフェ鉄道所属のFT4重連。FTタイプ特有の中央部に丸窓が4つ接近して並んでいるのがわかる他、2両連結されているBユニットも2両目と3両目は簡易運転装置の設置の有無で丸窓の設置枚数が異なるのがわかる。 サンバーナーディーノにあるサンタフェ鉄道の車庫で蒸気機関車とともに佇むFT。両端に2台づつ設置されたラジエーターファンの配置や中央部にある4つ煙突状の排気スタックがわかるほか、ダイナミックブレーキ装備車のため抵抗器が排気スタックを過囲うよう設置されている。 サザン鉄道のFT-6100号。ダイナミックブレーキ未装備車のため排気スタックの周りに抵抗器がなく、すっきりしている。この車両は元々、EMCがデモンストレーションに製造したFT103号の内の1両である。
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