ESC/P
読み方:イーエスシーピー
ESC/Pとは、エプソンがドットマトリックス式プリンタ用に開発したプリンタ用の制御コードの仕様のことである。
ESC/Pは、1980年代初期に発売されたMP-80 TypeIIIに初めて標準搭載され、後に世界的にデファクトスタンダードの規格となった。
ESC/P用のプログラムが多く開発されたため、その資産を捨てることなく自社プリンタを使用したもらうために、多くのプリンタメーカーはESC/Pをエミュレートする機能を用意している。
ESC/P
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/14 05:52 UTC 版)
ESC/P (Epson Standard Code for Printers) とは、セイコーエプソン株式会社(以下エプソン)によって開発された、コンピュータ用プリンターを制御するためのプリンター制御言語であり、Escape/Pと表記されることもある。かつては主にドットインパクトプリンターおよび一部のインクジェットプリンターで使用されたほか、レシート印字用のサーマルプリンターでは引き続き多数の製品で採用されている。ドットインパクトプリンターの全盛期には、他のメーカー(NECなど)にも採用され、そのさいにわずかな改変を伴う場合もあった。この期間、ESC/Pは印刷物を整形するための一般的な仕組みであり、ソフトウェアでも広範にサポートされた。
語源
ESC/Pの名称はエスケープシーケンスの先頭で使用される文字、すなわちエスケープ文字「ESC」(ASCIIコードの27番)に由来している。一例として、「ESC E」によりボールド(太字)フォントの使用開始を指示し、「ESC F」によりボールドフォントの使用終了を指示する。時系列上はESC/Pのほうがずっと以前から導入されていたが、エプソン製のドットインパクトプリンターであるLQシリーズの普及に伴って知られるようになったために、ESC/Pの制御コードはしばしば「エプソンLQコード」とも呼ばれる。
バリエーション
ESC/Pにはいくつかのバリエーションがあり、プリンターによっては全てに対応していないこともある。
- 「ESC/P J84」は、日本語のサポートが追加された特別版。
- 「ESC/P2」は、エプソンによるESC/Pのより新しいバリエーション。ESC/P2はESC/Pとの後方互換性を備えるが、スケーラブルフォントや画像印刷など、プリンターの新機能のためのコマンドが追加されている。
- 「ESC/P-R」は、エプソン製インクジェットプリンターの現行製品の多くで採用されている[1]。
- 「ESC/POS」は、POS端末で一般的に採用されているレシート用プリンターを制御するためのバリエーション[2]。オープンソースのプロジェクトによって、ほとんどのESC/POSに対応したプリンターおよびそれらの機能が公開されている[3]。
- 「ESC/P-K」は、中国語のサポートが追加された特別版。
近況
2014年時点では、エプソン製品以外でESC/Pをサポートするプリンターは業務用でも個人用でも少数となっており、概ねPCLやPostScriptなどの標準規格となっているページ記述言語、ないしはハードウェアコードページなどのプロプライエタリなプロトコルに置き換えられた[4]。
なお、レシート印字用のサーマルプリンターでは引き続きESC/POSが採用されている。
エプソン製品については、ドットインパクトプリンターでは全ての現行製品でESC/Pがサポートされており[5][6]、レシート印字用のサーマルプリンターでは全製品でESC/POSがサポートされ、インクジェットプリンターでも一部製品でESC/Pのいずれかのバリエーションがサポートされているとみられる。Gutenprintのウェブサイトにはソースコードのサンプルが掲載されている。
脚注
- ^ “ESC/P-R Library - Innovation - Epson”. Global.epson.com. 2014年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月3日閲覧。
- ^ “FAQ about ESC/POS” (PDF). Seiko Epson Corporation. 2017年3月9日閲覧。
- ^ “POS Printer Database”. mike42.me. 2018年11月25日閲覧。
- ^ “Driver: eplaser-jp - OpenPrinting - The Linux Foundation”. Openprinting.org. 2019年1月3日閲覧。
- ^ “FX-890 Impact Printer”. Epson America, Inc.. 2015年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月3日閲覧。 “Printer Language: Epson ESC / P, IBM PPDS, Okidata Microline (FX-890 Okidata Mode only)”
- ^ “LQ-590 Impact Printer”. Epson America, Inc.. 2013年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月3日閲覧。 “Printer Language: Epson ESC / P3, IBM PPDS”
関連項目
- CUPS - macOSおよびLinux用印刷システム
外部リンク
- エプソンによるESC/Pリファレンスマニュアル Dec 1997, 2002 Addendum, June 2004
- プリンタードライバー開発キット ESC/P-R Library
- Epson Developer Site at the Wayback Machine (archived 2009年4月30日)
- List of Epson FX printer codes
- Gutenprint Git view of escp2.xml
- The Developer's Guide to Gutenprint, Chapter 5: ESC/P2
- Source of Epson P-R driver for Linux
ESCP経営大学院
モットー | European Identity, Global Perspective |
---|---|
種別 | 私立ビジネススクール |
設立年 | 1819 |
予算 | €90 million (2015) |
学長 | Frank Bournois |
学長 | アンドレアス・カプラン |
職員数 | 950 |
学部生 | 200 |
大学院生 | 4,000 |
所在地 | パリ、ロンドン、ベルリン、マドリード、トリノ、ワルシャワ |
キャンパス | 都市型 |
公式サイト | www.escpeurope.eu |
ESCP経営大学院(ESCP Business School、旧称: École Supérieure de Commerce de Paris<パリ高等商業学校>[1])は、フランスの高等商業学校(ビジネススクール)。1819年パリに設立された世界で最も古い歴史を持つビジネススクール[1]。
近年の改革により、今ではロンドン、ベルリン、マドリッドそしてトリノのEU(欧州連合)中心国にもキャンパスを設置し、EAPとも合併し改名した。
ESCP の教育課程は、AACSB、欧州品質改善システム (EQUIS), AMBAの3アクレディテーション機関より認証されている[2]。
フィナンシャル・タイムズの教育機関評価(経営部門)で2010年に世界1位にランキングされるなど、経済学・経営学の学術・技能機関として世界的に非常に高い評価を受けている[3][4]。尚、Executive MBAでは世界で21位にランクインしている。[5]
歴史
1819年、経済学者ジャン=バティスト・セイとビジネスマンのヴィタル・ルーは他の経済学者達と共に、ラザール・カルノとギャスパール・モンジュが設立したエコール・ポリテクニックを模範に世界で初の高等商業専門学校を設立した[6]。しかし、当初は規模も小さく、国の援助を一切受けていなかった。校舎はマレ地区のシュリー館 (hôtel de sully) にあった。
19世紀の間に学校は少しずつ拡大し、世間に認められてきた。1859年にパリ市内のレピュブリック大通り(現在のパリ11区 79 Avenue de la République)に引越し、現在もそこを拠点とし、さらに現在、モンパルナスのアルマン・モワザン通り(パリ15区 3 Rue Armand Moisant)にも校舎がある。
20世紀には経営学が発展し、それと同時にESCPはグランゼコールの中でも特に注目を浴びるようになった。そのため、20世紀中ごろには、エリート校の一つとなり、他のグランゼコール同様に、入学を希望する学生は高校卒業後、入学選抜試験を受けるための予備大学(プレパとも呼ばれている)で2-3年の厳しい勉強を余儀なくされるようになった。
また、ESCPは設立以来国際的な学校である。1824年には、118人の学生の内、留学生が30%近くを占めた。(そのうちスペイン人7人、キューバ人2、ブラジル人5人、オランダ人5人、ドイツ人4人、ギリシャ人2人、ポルトガル人2人、アメリカ人2人、チリ人2人、イタリア人1人、スウェーデン人1人、ロシア人1人、ハイチ人1人とサヴォワ人1人であった。 )[7] 外国語学習は設立以来積極的に取り入れられ、フランス語文法のほかに英語、ドイツ語、スペイン語のコースもあった。1873年、ESCP卒業生協会(Alumni Association)が設立され、1921年には第一次世界大戦後の混乱の為、計画よりも遅れて、ソルボンヌ大学の大講堂で百周年を祝った。
1973年にESCPはイギリス(元オックスフォード、2005年以来ロンドン)とドイツ(元デュッセルドルフ、1984年以来ベルリン)にキャンパスを開いた。続いて1988年にスペイン(マドリッド)と2004年にイタリア(トリノ)に新しくキャンパスを開いた。イギリスの現キャンパスは元ニュー・カレッジ(ロンドン大学とURC神学大学の合同学校)の建物内にある。
2011年ESCPはフランス国立行政学院(ENA), フランス国立工芸院(CNAM), ソルボンヌ大学と一緒に人文科学の研究及び、より高度な教育を目指す目的で新しい教育機関であるHESAMを設立した。[8]
著名な卒業生
この学校の卒業生の中には経営や政治の世界で活躍している著名人も多数いる。
- ジャン=ピエール・ラファラン - 元フランス首相
- パトリック・トマ - エルメス代表取締役
- ミシェル・バルニエ - 国際関係戦略研究所理事長、複数の内閣で大臣職を歴任
- アントワーヌ・リブー - ダノン創設者
- ティエリー・ストック - ペルノ・リカールCEO
- ザビエル・ガラムボワ - アマゾンフランスCEO
- ローラン・エリック - ユーロスポーツCEO
注釈
- ^ a b “Focus On - Generation Europe Foundation - Business schools and career opportunities”. 2013年4月29日閲覧。
- ^ Triple accredited business schools (AACSB, AMBA, EQUIS)
- ^ “Financial Times Master in Management Ranking 2010”. 2013年4月29日閲覧。
- ^ “Financial Times Master in Management Ranking 2012”. 2013年4月29日閲覧。
- ^ “Financial Times Executive MBA Ranking 2012”. 2013年4月29日閲覧。
- ^ Kaplan, Andreas (25 April 2018). “A school is “a building that has four walls…with tomorrow inside”: Toward the reinvention of the business school”. Business Horizons. doi:10.1016/j.bushor.2018.03.010. ISSN 0007-6813 .
- ^ Servan Schreiber Sabine (1994) Les Epices de la République, ESCP – Itinéraire d’une Grande Ecole, 1819–1994, CpL.
- ^ “Novi Mundi Université (page 34)”. 2013年4月29日閲覧。
外部リンク
- Official Website - 公式ホームページ
ESC/P (Epson Standard Code for Printers)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 02:40 UTC 版)
「プリンター」の記事における「ESC/P (Epson Standard Code for Printers)」の解説
1985年頃にセイコーエプソンの開発した制御方式。仕様が公開されたため、他社のプリンターにも採用され、またAXやDOS/Vではプリンターの標準方式となっている。レーザー(ページ)プリンター用として ESC/Page がある。セイコーエプソン製プリンターの「ESC/Pスーパー」では、201PLのエミュレーションモードもある。
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