D事件発覚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:12 UTC 版)
「広島タクシー運転手連続殺人事件」の記事における「D事件発覚」の解説
被害者Dが殺害されてから5時間後となる1996年9月14日7時ごろ、広島県佐伯郡湯来町葛原(現:広島市佐伯区湯来町大字葛原)の国道433号旧道東側法面で近隣住民が犬を散歩していたところ、仰向けに倒れ死亡している若い女性の遺体を発見した。遺体に目立った外傷はなかったが、顔面に鬱血・首に絞められた痕が確認されたため、広島県警捜査一課は殺人・死体遺棄事件と断定して廿日市警察署に捜査本部を設置して捜査を開始した。 捜査本部が同日中に広島大学医学部で遺体を司法解剖して詳しい死因・身元などを調べた結果、死因は「首の圧迫による窒息死」、死亡推定時刻も「14日4時ごろ」とそれぞれ断定された。また着衣の乱れが少なく死亡推定時刻 - 遺体発見時刻の間隔が短かったため、捜査本部は「女性は他の場所(広島市かその周辺)で殺害されて車で現場へ運ばれた可能性が高い」「14日未明 - 早朝に遺棄された可能性がある」と推測したほか、犯人像を「地元の地理に詳しい人物で、被害者Dを遺体発見現場付近で殺害した可能性がある」と推測し、現場周辺での聞き込みなどに全力を挙げた。 その後、同日20時ごろになって女性Dの長女から広島県警へ「母親と連絡が取れない」と110番通報があったため、広島県警がD宅マンションで採取した指紋と遺体の指紋を照合したほか、親類を立ち会わせて「遺体の身元は被害者女性D」と断定・確認した。身元確認を受けて捜査本部が「被害者Dの13日夜 - 14日未明にかけての足取り・交友関係」について捜査を開始したところ、「13日22時ごろに中区銀山町(D宅から北約1 km)のホテル近くの路上でDらしき女性を見た」「14日0時ごろに中区弥生町の路上で目撃した」という目撃証言が寄せられた。また捜査本部は1996年9月15日9時30分から遺体発見現場周辺にて約100人態勢で遺留品などを捜索したが、被害者Dが普段持ち歩いていたセカンドバッグは遺体周辺では発見されなかった。その後、Hが取り調べに対し「被害者Dのバッグは湯来町峠の国道433号沿い山林(遺棄現場から約2 km南方)に捨てた」と自供したため、9月24日に廿日市署員ら36人が同地周辺で遺留品を捜索したが、Dの遺留品は10月10日までに発見されなかった。
※この「D事件発覚」の解説は、「広島タクシー運転手連続殺人事件」の解説の一部です。
「D事件発覚」を含む「広島タクシー運転手連続殺人事件」の記事については、「広島タクシー運転手連続殺人事件」の概要を参照ください。
- D事件発覚のページへのリンク