コンパーノ
コンパーノは、イタリア語で仲間、同僚、学友のことである。名前は社内公募で決定した。
このクルマの歴史は古い。1963年5月、まず商用バンとしてデビューし、1か月後の6月にワゴン(乗用)に生まれ変わった。2ドア車で、上下2分割に開くリヤゲートを備えたスタイリングを担当したのは、イタリアのカロッツェリアであるビニヤーレだった。ダイハツとしては、初のイタリアンスタイルの市販車。フロントエンジン、リヤドライブで、エンジンは直4・OHV・797ccで41ps、4速MTで定員5名、東京店頭渡し価格は57万円。同年秋のモーターショーに2ドアのセダンを発表し、イタリア風にベルリーナ(セダンのこと)と名付けた。エンジン、トランスミッション、定員はワゴンと変わらなかった。そのモデルを64年2月から発売した。東京店頭渡し価格はスタンダードが49万8000円、デラックスは57万8000円だった。4速MTはコラムシフトで、ナルディ風のステアリングホイールがイタリアンムードを感じさせた。
65年4月、スパイダー(2ドアコンバーチブル)をシリーズに加えた。エンジンは958ccとなり、最高出力65ps/6500rpm。4速MT(フロア)で、定員は4名。東京店頭渡し価格は69万5000円。5月、ベルリーナ4ドア1000を発売した。958ccエンジンはスパイダーよりも最高出力が低く55ps、60万1000円だった。2ドアで800ccエンジンのデラックスも併売。11月、ベルリーナ2ドア1000GT発売。69万5000円。さらに12月、ベルリーナ800エコノミーを追加した。2ドア車で42万円。
66年3月、マイナーチェンジ。スパイダー1000にディタッチャブルのハードトップ付きモデルをリリースした。8月、ワゴン1000発売。67年4月にはベルリーナ1000GTインジェクションとベルリーナ1000スーパーデラックスにコラムAT車を追加した。
68年4月、再びマイナーチェンジ。全車の外装をデラックス化。69年4月にコンパーノに代わる新型車コンソルテ・ベルリーナを発表、70年に入っても生産を続けていたコンパーノ(4ドアのスーパーデラックスだけ)だが、やがてラインアウトした。
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