CADASILとCARASILとは? わかりやすく解説

CADASILとCARASIL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:19 UTC 版)

脳梗塞」の記事における「CADASILとCARASIL」の解説

CADASILを疑う場合臨床的特徴は、4050歳と比較若年発症脳卒中リスクファクターを有さない、ラクナ梗塞発作繰り返し次第進行して仮性球麻痺認知症症状呈する家族類似症状認める(常染色体優性遺伝形式)ことである。常染色体優性遺伝形式をとる若年性脳梗塞を試た場合、特に小血管病変場合はCADASILを疑う。CADASILには病気として3期知られている。第1期前兆を伴う片頭痛MRIにて境界鮮明な深部白質病変認められる第2期ではTIA脳梗塞生じたり、うつなどの精神症状出現しMRI深部白質癒合性病変、ラクナ梗塞巣をみる。第3期では認知症仮性球麻痺MRIではびまん性深部白質病変のように進行していく。CADASILの診断基準ではDavousらのものが知られている。病理学的に脳実質小動脈の中膜筋層変性消失外膜線維肥厚および血管壁の非アミロイド性の好酸性PAS陽性顆粒沈着確認される確定診断では遺伝子解析でNotch3変異(特にhot spot exon3、4)を確認する皮膚筋生検でNotch3細胞外ドメイン対す抗体用いた免疫染色GOM(granular osminophilic material)を確認することが必要である。重要な類似疾患にCARASILがある。高血圧伴わず細動脈硬化によって生じ白質脳症であり常染色体劣性遺伝を示す疾患である。白質脳症30歳代から進行する認知症はCARASILと類似するが、反復性腰痛変形性脊椎症禿頭はCARASILに特徴的な所見である。HTRA1遺伝子機能喪失から生じTGFβファミリーシグナル伝達系の抑制不全細動脈硬化関与している。病理学的に血管内皮増殖著明であり、中膜のTGFβ1発現増加とともに内膜では細胞外マトリックス発現増加みられる有効な治療法みつかっておらず、抗血栓薬用いられる有効性確認されていない

※この「CADASILとCARASIL」の解説は、「脳梗塞」の解説の一部です。
「CADASILとCARASIL」を含む「脳梗塞」の記事については、「脳梗塞」の概要を参照ください。

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