2020年から2021年の噴火活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 05:30 UTC 版)
「ファグラダルスフィヤル」の記事における「2020年から2021年の噴火活動」の解説
2019年12月から2021年3月にかけて、レイキャネース半島でマグニチュード5.6に達する群発地震が発生し、噴火の前兆であると懸念されていた。この群発地震は、マグマがレイキャネース半島の下を移動し、岩脈に貫入することによって発生しているものと考えられた。2021年2月4日にはマグニチュード5.6の地震により、軽微ながら家屋にも被害が出た。過去3週間で、地震計は40,000回以上の地震を記録していた。 2021年3月19日午後9時30分頃にケルティンカタリル(Geldingadalir)を火口として噴火が始まった。レイキャネース半島での火山噴火は約800年ぶり、ファグラダルスフィヤルの噴火は実に6,000年ぶりのことであった。午後9時40分にアイスランド気象局が噴火を発表し、長さ600-700メートルの亀裂から溶岩が噴出していると報告された。溶岩流による住民への危険はないものの、噴出する二酸化硫黄による影響が懸念されている。噴火開始と同時期に地震活動は低調となった。また、カトラのような爆発的噴火ではなく溶岩流主体の比較的安全な噴火ということで、国内から見物客が火口周辺に集まり、一種のアトラクションと評されている。3月には火山学者が溶岩流でホットドッグを調理する動画が注目を集めたり、アイスランド国営放送が噴火の様子のライブ配信をネット上で開始した。 4月5日にケルティンカタリル火口の北東約1キロメートルに、長さ数百メートルの割れ目火口(メラタリル (Meradalir) 火口)が出現した。溶岩流は東側に流下し、メラタリル渓谷に溶岩扇状地を形成している。これを受けて、国は火口周辺の立ち入りを制限した。新火口出現直後、合計のマグマ噴出率が10m3/sに増加したが、数時間後に元の5~6m3/sに戻った。4月7日に、メラタリル火口とケルティンカタリル火口の中間に更に新たな割れ目火口が出現。メラタリル火口の噴出率が低下した。また、メラタリル渓谷への溶岩流流出が停止し、溶岩流は再びケルティンカタリル渓谷内に留まるようになった。
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